「どんな色にする?」「なんの花にする?」「どんな雰囲気に仕上げる?」一番楽しかったのは、工程コンセプト決めとデザインでした。
着物を作るときに、顧客が自分の意見を言える。それは加賀友禅では滅多にないことなので、今回のプロジェクトで、私が「こんなお客さんのイメージでこんな柄がいい」とわがままをたくさん言ったのに、それが反映されて5着出来上がることはスゴイことなんです。
それは、加賀友禅作家上坂さんの持つヒアリング力と提案力。
きものカラーコーディネーター上濃さんのもつ調和をとる力。
お二人が私の実現したいことを具現化してくれました。
この一番楽しい二つの過程とお二人のすごさは、こちらのレポートにまとめました。
上坂さんの工房にて、驚いたのは、このサイズ感です!
小さいMacの画面上で思っていたのと、実際紙に書いたときって違いますねやっぱり。感動。お花が生き生きとしてます。
コンセプトの通り、自然と笑顔がほころぶ、キレイになれる美しい花が大胆に、かつ写実的に描かれています。
(優しい渋オレンジ×椿)
そして、このサイズで手書きなのも驚きました。
恥ずかしながら、「PCでデザインして、そのまま大きい紙に出力する」と思い込んでいたので、ここからもう手書きなんだとびっくり。
上坂さん曰く「PCでのデザインは大まかな色や顧客の好きな花のヒアリング。実際図案書くときに、バランスや配置見て、今までの経験で、ここ!っていう感覚で書く」
なるほど。ここからはもうアーティストの世界・芸術なんだと思いました。バランス感覚は作家さんそれぞれの感性なんですね。
(ターコイズ系にボタン)
(取材にきていた北國新聞の記者さんもサイズ感と手書きの図案にびっくり)
絵画のデッサンを見ているよう。
花びらのめくれている裏側、中心のしべの部分のうごめく感、小さな梅や桜のちりばめ方。
illustratorのデザインという最先端から、一気に職人作家の手書きいう工程になって、まさにデジタルとアナログの融合。
まだ色のつくまで、いくつもの工程を経るのに、完成が楽しみでなりません。