本クラウドファンディングをご支援いただきました皆様に、プロジェクトの経過報告をさせていただきます。
完成予定日
今、最後の見直しをしている段階で、7月中旬には完成版の PDF ファイルをウェブサイトで公開できる予定です。
校正・校閲作業の依頼先
クラウドファンディング実施時点では校正・校閲の依頼先は未定でしたが、最終的にはラムダノート社にお願いしました。
ラムダノートは 2015 年創業の新進気鋭の技術書出版社です。例えば代表の鹿野さんがこれまで作ってきた本を見れば、多くの素晴らしい本を作り続けていることをおわかりいただけるのではないかと思います。LaTeX で書かれた理論的な内容も含むコンピュータ科学・プログラミングの原稿を編集してもらうにあたり、技術書を専門とするラムダノート社に依頼できたことは幸いでした。
また、成果物の形式や料金などを相談していくうちに、ラムダノートから紙媒体での出版の提案をいただきました。クラウドファンディング支援者のみなさまにとっても満足してもらえるはずの内容にまとまったため、Open Data Structures の翻訳書をラムダノートから出版することにしました。詳しくは以下で説明させていただきます。
書籍の出版について
Open Data Structures を出版することにした動機を説明します。
1. PDF だけでなく紙でも読める選択肢があることで、より多くの読者に届く
2. 書籍化に向けた編集作業を経て、成果物のクオリティが上がる
3. 訳者の印税相当を本書普及のための原資に充てられる
1つ目の点について
書籍出版後も、プロジェクトの成果物はオープンソースで公開し続けます。ただし、書籍版にはラムダノート社の保有するソースコードを一部使っています。この部分はオープンソースでは公開しませんが、オープンな部分だけを使って英語版の原著と同様の見栄えの PDF ファイルを生成できます。
書籍版とウェブサイトで無償公開する PDF ファイルの主な違いは見栄えです。書籍用にフォントや組版を変えるだけで、読みやすさがこれほども違うのかと訳者一同感動しました。皆様にも、ぜひ見比べていただきたいと思っています。
2つめの点について
編集作業の見積もりをしていただくと、常識校正や原文を参照しての編集(数ヶ月程度の作業)を予算内でお願いできるとのことでした。しかし、ラムダノートの本として出版するということなら、それに加えて図やレイアウトの調整などの作業まで、ラムダノート社負担でやってくれるというご提案をいただきました。
そのため、無償で公開する PDF ファイルにも、合計で300箇所以上の変更が加えられ、予算内で最大限に成果物のクオリティを高められたと思っています。
3つめの点について
ラムダノート社と相談し、訳者の印税相当を本書の普及のための原資として使うことを計画しています。
具体的にどのような形でこの資金を使うかは検討中ですが、本プロジェクトの趣旨に沿う形になるよう、引き続き翻訳者一同真摯に取り組みます。
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以上の利点を踏まえて、ラムダノート社から紙媒体での書籍を発行するための準備も進めています。
重ね重ねになりますが、本プロジェクトをご支援いただいた皆様に厚くお礼申し上げます。