こんにちは。スタッフの岸本です。
みなさん、ホップはご存知ですか?
お恥ずかしながら、わたしは日々ビールを愛飲しながらも「ホップ…そういえば聞いたことあるな」程度にしかホップの名も知りませんでした。
今回は、「遠野が香るアロマスプレー Sense of Tono」クラウドファンディング版パッケージに使われているホップ和紙ができるまでをリポートします!
岩手県遠野市は、日本でも有数のホップの産地です。
いま、遠野市で栽培されているホップは2種類、「いぶき」と「MURAKAMI SEVEN」。
ビールの味と香りを決める大事な原料であるホップの収穫が始まるのは、遠野の夏の盛りが過ぎた8月下旬から。ホップの収穫には人手がいるので、普段はそれぞれの畑で育てているホップ農家さんも、この時期は協力してお互いの畑のホップを収穫するのだそうです。
摘み取ったホップは香りが飛んでいってしまわぬよう、その日のうちに加工場へと運んで処理します。
さて、ホップを摘み取ったあとの畑に残るのは…、そう!ホップのつる!!
この毎年大量に廃棄されていたホップのつるを再利用しようと生まれたのがホップ和紙でした。
遠野緑峰高校の生徒さん、そして遠野ホップ和紙を育てる会のみなさんと遠野市松崎町のホップ畑へと出かけたのは去年の8月24日。残暑の厳しい夏でした。
畑に無造作に散っているホップのつるをリールのようにクルクルと巻いて束ねたら、畝ごとにトラックを走らせ積んでいきます。
このときのみなさんの手際の良さには脱帽。うっかり軽装で行ってしまったわたしはまるで役立たずでした…。
回収したつるは水に浸して柔らかくしてから、30センチ強の長さに切り揃え、大鍋でぐつぐつと煮ていきます。
茹で上がったつるを、今度は外皮と芯に分けるのですが、これには少しコツがいって、まず、つるの端を両手でにぎり、雑巾を絞るようにねじります。そうすると、外皮が破れて芯とのあいだに隙間が生まれ、あとは、外皮をつまんで勢いよく引っ張れば、するりと剥け!…と言いたいのですがそう簡単には行かず、茹でる時間が足りないとねじっても破り口ができなかったり、きれいに剥けなかったり。
さらにホップのつるの茹で汁は洋服にハネると洗濯してもあまり落ちないと言われ、それにもヒヤヒヤしながら3時間ほど剥きつづけました。それでもつるはまだまだ大量に。
連日剥きつづけてくださった皆さん、ありがとうございます…。
さて次は、むいた外皮から黒皮をこそぎ落とします。
黒皮を削るには包丁やヘラを使いますが、ヘラが使いやすい人もいれば、包丁が使いやすい人も。それぞれ使いやすいものを選んでこそぎ落としていきます。
あんまり力を入れすぎると、柔らかい皮の部分までさけてしまうので、うまく加減しながら黒皮だけ…。ポップ和紙ってなかなか繊細なんですね〜。
ここまででもだいぶ工程が多いことがおわかりいただけたかと思いますが、まだまだ道半ば!
ここから繊維を抽出し、それぞれ原材料の量を調節し、混ぜ合わせてからようやく、紙漉きが始まります。
今回Sense of Tonoのパッケージに使っているのは、
無漂白の赤っぽい紙と、漂白済みの白っぽい紙の2種類です。
紙漉きも1枚1枚手作業なので、時間がかかります。
漉いた紙は重ねて、まとめて機械にかけてプレスしてからガラスに1枚1枚貼って乾かします。紙を漉いてから、完全に乾燥して完成するまでにも4〜5日はかかるそうです。
そしてできあがったホップ和紙は、それぞれに風味があってとても見ごたえのある仕上がりとなっていました。
いま現在、遠野市内でホップ和紙単体を購入できる場所はありませんが、ポップ和紙を使ったアクセサリーなどが土淵町のかっぱの茶屋などで買えるほか、遠野郷八幡宮では、ホップ和紙を使った御朱印も販売されています。
シワや毛羽立ちも個性として映えるホップ和紙。
「遠野が香るアロマスプレー Sense of Tono」がお手元に届いた際は、ぜひ、香りだけでなく、ホップ和紙の手触りもじっくりとお楽しみください!