こんにちは!富川屋スタッフの菊地です。
今回は、1月29日に開催した富川屋主催「Sense of Tono誕生記念イベント vol.2 遠野発!地域資源とものづくり」のイベントレポートをお届けします。
【第2回のトークテーマ「遠野発!地域資源とものづくり」について】
遠野が香るアロマスプレー Sense of Tonoは“オール岩手”で開発したお土産です。誕生記念イベント(全4回)では、毎回ものづくりやローカルをテーマに様々な分野で活躍するゲストをお招きしています。
第2回のトークテーマは「遠野発!地域資源とものづくり」です。今回のゲストは日本有数のホップ生産地である遠野でクラフトビールを造っている株式会社遠野醸造の代表取締役、袴田大輔さん。袴田さんと富川は、同じ2016年に遠野へ移住し、それぞれ【クラフトビール】、【地域の文化や歴史】をテーマにその土地ならではの地域資源を活かしたプロダクトをつくる同世代の同志。それぞれが持つ思いを交えながら、遠野の風土や地域の可能性についてお話ししました。
1988年生まれ。33歳。青森出身。2016年からNext Commons Lab遠野のメンバーとして、遠野市の起業を支援するプロジェクト「遠野ローカルベンチャー」のビール醸造家育成プログラムに参加。2017年4月遠野市に移住。同年、株式会社遠野醸造を設立し、醸造家・生産者・地域住民が一体となって知識やアイディアを共有した開かれたビール造りをしている。
1987年生まれ。34歳。新潟出身。2017年に岩手県遠野市へ移住。移住後「Next Commons Lab遠野」の立ち上げに携わったのち、ローカルプロデュース会社「株式会社富川屋」を創業。デザイン/制作、商品開発、観光/ツーリズム、研修事業を行う。
【同世代の同志が語った3つのこと】
お二人に、遠野にいる強みが事業にどのような影響を与えたのかを、3つのテーマに合わせてお話いただきました。
①仕事/組織で大事にしていることやスタンス
「仕事が終わった後にチームメンバーとハイタッチをしたい」という富川が大事にしているのは、地域の人とチームになることです。東京の広告代理店で働いていたころは受注・発注といった関係性がはっきりしていたのに対し、遠野は公私混同、もはや公と私という垣根が存在しないのだとか。
袴田さんは、よく目の当たりにする“移住者と地元民”というくくりに違和感を持っているそうで、「とにかく一緒にやりましょうよ」と垣根をなくしていくことを大事にしているそうです。一方で「遠野の方はすごくフラットで分け隔てなく付き合ってくれる」と、一個人として向き合ってくれた喜びを振り返られていました。
②地域資源の活用の仕方
遠野は国内屈指のホップ産地です。そんな遠野で豊かなビール文化をつくろうと志す袴田さんは、地元から全国まで多くのファンを持つ「遠野醸造TAPROOM」を運営しています。昨年12月には「遠野に来たくても来れない人にも遠野のクラフトビールを味わってほしい」との思いから、遠野醸造では初めての缶ビールをリリースしました。こちらのラベルは富川屋がプロデュースしました。
富川はこのデザインについて「時代の潮流を読み、体現している袴田さんの世界観と、遠野醸造の確かな質を表現するには、無骨でクールなデザインが合うのではと提案した」とプロデュースの過程を振り返ります。
「ビールは多様性があって自由な飲み物です。世界中には100種類以上の種類があり、酵母などの組み合わせで楽しみ方は無限に広がります」と袴田さんは言います。
「地域にはビールと組み合わせることでもっと輝けるものがある」という思いこそが地域資源を活用するにあたって大事な視点なのかもしれません。袴田さんがビールに向き合う姿勢からも、その多様性を感じました。遠野醸造では様々な地域資源とビールを掛け合わせた結果、これまで10種類のビールが開発されてきました。
開発段階から地域の人とフラットな関係になることを大切にしている袴田さん。原材料を供給してもらうだけでなく、一緒にプロダクトを作る過程を楽しむ姿に、同じ目標に向かって一致団結した青春時代を思い出しました。
関わる人の間口を広げるスタンスは富川とも共通しています。富川屋では、遠野の文化とデザインを掛け合わせた商品開発のほか、ディープな地域文化への入り口を作る取り組みとして、昨年末から岩手県の歴史と文化をめぐる新たなプロジェクト「IWATE, The Last Frontier.」を発表しました。(プロジェクト詳細はこちら)
「IWATE, The Last Frontier.」は富川屋の文化プロデュース事業「to know」としての取り組みであり、縄文、蝦夷(えみし)、そして現代までつづく岩手の豊かな歴史・文化の魅力を、発信・展開していくプロジェクトです。今年の春以降、状況を見ながらツーリズムやスタディツアー、そして自分たちが学ぶため&仲間を集めるためのフィールドワークを実施しようと考えています。
富川「岩手は歴史の表舞台には出てこなかったエリアですが、昔から脈々と継がれた文化こそ現代の人にとって学びがあると感じる。」
袴田さん「富川さんの取り組みは、アップデートよりも翻訳に近いね。」
今ここにある豊かな素材を活かすことに存在意義を感じる。これがお二人に共通する「遠野にいる意味」なのではないかと感じました。
③僕たちのこれから
「ゆくゆくはビール会社ではなくなってもいいかな」と袴田さん。ビールはこれまで通りつくるけど、文化や教育など他の分野とも緩やかにコラボして、「気づいたらビール会社だけどビール会社じゃないよね”という姿にできたらと思っています」。
別軸に染み出すことで、クラフトビールへの入り口がさらに広がる。今までビールに興味を持っていなかった層も関わる始めることでビール文化がより豊かになる。このような未来を思い描けるも、ビールの自由さと多様性、そして袴田さんの前向きな姿勢があるからです。
お二人とも、ビールや歴史・文化に限らず、遠野で活躍するプレイヤーがどんどん増えて欲しいと願っているので、地域にプロデューサーを増やすためにバックアップをしていきたいそうです。富川はローカルプロデューサー育成事業「考えて動かす学校」も行っており、「育成する側がプレイヤーに試合を用意できるかが大事。一回打てば勝手がわかり自分で動けるようになるから。」と言います。
富川「袴田くんは経営者タイプ。中長期的な目標のもと、ロジカルにすすむ。全方位のスーパーオールラウンダー。」袴田さん「岳さんは文化やカルチャーに体重をかけている。1つのことを突き詰められるスペシャリスト。」
相思相愛でリスペクトに溢れているお二人。今後も遠野醸造と富川屋のコラボレーションを見ていきたいです。イベント中も「夏のホップ畑を想起させるようなアロマスプレー が欲しい!」というアイデアが出ました。遠野が香るアロマスプレー Sense of Tonoの香りが増えて、シリーズ化していくと面白いですね。今後の両社・両者の展開にもご注目ください!
「遠野発!地域資源とものづくり」をテーマに行われた本イベント。そこから見えてきたのは、地域の人とチームになる姿勢があるからこそ、眠っている地域資源との接点が新しく生まれ、ものづくりに対して大きく影響するのだということでした。
過程を丁寧に発信し、周囲に対して常にオープンであること。
相手へのリスペクトを忘れず、同じ熱量を持ってフラットに向き合うこと。
もしかすると自分の身の回りにも「地域資源」との接点はあふれているのかもしれないと、日常を捉え直してみようと気づきを得たイベントとなりました。
ここまで富川屋スタッフ・菊地が「Sense of Tono誕生記念イベント vol.2 遠野発!地域資源とものづくり」の様子をレポートしてきました。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【次回予告】
次回のイベントは来週2/16(火)19:00からスタートです。ゲストは、福岡八女の地域文化商社「株式会社うなぎの寝床」代表・白水高広さんと、焼き物の町・有田の「日用品店bowl」店長・高塚裕子さんです。アロマスプレー商品開発のきっかけとなった九州視察で、富川がお会いしたお二人。それぞれの地域でどのように文化と向き合って活動されているのかお話を伺います。
イベントページは公開次第お知らせいたします。
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【概要】
日程:2月16日(火) 19:00-20:30
会場:オンライン(Facebook Live配信)
お時間になりましたら、イベントページ>ディスカッションからご覧いただけます。
料金:無料
対象:どなた様でもご参加いただけます。
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