こんばんは。監督の富田です。さて、今日は「キャラクター」について書きたいと思います。皆さんは最近どんな映画やドラマを観ていますか?僕は基本的に、映画は「体験」だと思っています。時間を調整し、映画館に行って、遮光・遮音された空間で、大きなスクリーンで、他の観客と一緒に、いい音響で、身体ごと「体験」するものだと思っています。その体験の記憶はずっと残っています。『クリード』の最後のタイトルマッチも、『この世界の片隅に』の終戦後のすずの叫びも強烈な体験でした。どの映画をどこの劇場で観たかも結構覚えていたりします。それと同時に昨今では動画サブスクでの「ドラマ一気見」というすごく楽しいことも出来ます。動画サブスクのドラマは予算も潤沢で、各話のクオリティも映画と肩を並べます。先週末にNETFLIXで『クイーンズ・ギャンビット』というドラマを一気見したのですが、アニャ・テイラー=ジョイ演じる主人公が、男性社会のチェス界をズバズバ駆け上がっていく物語で、これがまあ面白いこと面白いこと。映画とドラマ、どちらにも素晴らしい体験をさせてもらっています。どちらも要はキャラクターだと思うのです。一度観た映画をもう一度観たいと思うのもキャラクターにもう一度会いたいのです。生活の中で、あの映画のあいつだったら毅然とした態度でこんな問題すぐ片付けちゃうだろうな、なんてことまで考えたりもします。そして実際に彼ら彼女らに励まされるのです。映画やドラマの魅力的なキャラクターが好きなのです。そして映画を作るとなれば、やはり魅力的なキャラクターを描きたいと思います。では魅力的なキャラクターとはなんでしょうか。記憶に残っている魅力的なキャラクターを思い返してみると、「何かに異常に傾倒している人」は観ていて面白いです。必ずしもそれが正しい方向に傾倒しているとは限りませんが。短編映画『秘密のフレグランス』の主人公・水野琴も「香り」に対して異常に傾倒している人であってほしい。琴を訪ねてやってくる三人の客たちも「香り」に惹きつけられてしまった人間でやっかいなお願いごとを持ちかけてくる訳ですが、それもその中心にいる主人公が相当な「香りオタク」だからこそ。その傾倒っぷりがキャラクターの魅力であり、面白さだと思います。このキャラクターたちがどんな形となって映画に現れるのか、とても楽しみです。【制作状況について】前回の投稿でも書いたとおり、現在は土台づくりをしています。先日、「香り」に近しい会社さまにZoomで映画のプレゼンをさせて頂きました。固い表情でプレゼンする富田の様子はしっかりとカメラに納めましたのでぜひ監督Vlogでお楽しみください。顔が非常にオイリーなのが分かりますでしょうか...シナリオについて面白いご指摘を頂きました。香水・化粧品香料である「フレグランス」と食品香料である「フレーバー」の関係性について。話の中にこの「フレーバー」が関わる部分があり、頂いたご指摘が大変参考になりました。11月中に一度、実際の調香師さんにお話を伺いたいと思っているので、こういった考証の部分も詰めていければと思います。11月半ばにはキャストのスタッフィングを始めていきたい!引き続き進めていきます。ではまた、宜しくお願いします。
ご支援頂きました皆さま、誠にありがとうございます。監督の富田です。夜分遅くの更新失礼致します。個別のメッセージ欄の存在に気づかず...各支援者さまへのお礼のメッセージが遅れてしまい申し訳ありません。さて、短編映画『秘密のフレグランス』の制作支援プロジェクトが公開して一週間が経過しました。怒涛の一週間だったので体感はもっと経っている感じなのですが...多くのご支援を頂き、励まされるコメントを頂き、この一週間で今まで感じたことのないような感情をたくさん味わいました。個人的な話になりますが、現在務めている会社を11月いっぱいで退社し、12月以降はフリーランスの映像監督として活動していくこととなりました。コロナもあり先行き不安定な状況ではありますが、今しかないと思い決断致しました。クラウドファンディングを始めたことはかなり大きく影響していると思います。やりたい!と思って声を上げたことに共感してもらって形にするのをサポートしてもらえるというのは貴重な経験であり、新しい発見でもありました。そして覚悟が決まりました。この短編映画を名刺に自分を売り込んでいこうと思っています。ここまで何かに全身全霊になるのは初めてかもしれません。みなさま、引き続き宜しくお願い致します!▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼プロジェクトの状況としましては、シナリオをブラッシュアップしながら映画の製作体制の土台固めをしているところです。予算の中でどういう表現が出来るかを考えることになるので、出来るだけ具体的な制作に入る前にこのベース作りに力を入れたいと思っています。撮影は12月の半ばを予定しているので、11月前半も引き続き土台固めに動きつつ、11月半ばにはキャスティング、スタッフィング、ロケーションなど具体的な制作を始めていきたいと思っております!https://camp-fire.jp/curations/mirrorliarfilmsプロジェクトがMIRRORLIAR FILMSの特設ページに掲載されました!撮影機材も貸して頂けるとのことで、非常に助かります。もっともっと広まれ〜〜!!(出演者の話をすると言っておきながら全然関係ない話ですみません、次回こそは、、!)ではまた、宜しくお願いします。
こんにちは。監督の富田です。今回は短編映画『秘密のフレグランス』にも深く関わる「香りの不思議」について書きたいと思います。メインページでは、なぜ「調香師」に惹かれるようになったかを書きました。それとは別に、以前から「香りの持つ力」には興味を持っていました。きっかけになったのはこの本を読んだことです。『動物たちのセックスアピール』マイケル・J・ライアン 箸 東郷えりか 訳 河出書房新書(2018)動物は異性(他者)の何に魅力を感じ、性選択を行っているのかということについて書かれた本です。章ごとにトピックスが分かれていて、視覚、聴覚、嗅覚はそれぞれに章が割かれています。嗅覚の章では、フェロモンをはじめとして、においが動物の性行動にどう影響を及ぼすのかについて書かれています。表題の「ヒトにフェロモンはあるのか」については実はまだ議論が分かれているとのことです。フェロモンは「ある動物個体が体の外に発し、同種の他個体に受容され、特定の反応を引き起こす物質」と定義されており、例えばカイコガの性フェロモンであるボンビコールは、メスの個体から発せられ、受容したオスの誘引行動を誘発します。フェロモンは「におい」とは区別される情報物質で、多くの両生類、爬虫類、哺乳類の口の中にある鋤鼻器(ジョビキ)にて認識されます。ヒトにはこの鋤鼻器が欠如していると思われていますが(確かではない)、フェロモンの影響と考えられる現象は様々な実験で確認されています。ヒトの場合、共同生活をする女性の性周期が揃う「寮効果」という現象がよく知られています。以下、引用です。"五感のなかでは、嗅覚だけが記憶と情動だけでなく、〜〜 中脳辺縁系の報酬系に司られる「好き」と「欲しい」の快楽に関連する脳の部位と直接に結びついている。その他の感覚は、視覚と聴覚を含め、いずれも脳内の末端にある中継局を通過してさらに処理されたのちに、ようやく快楽中枢へと伝えられる。においは時間を無駄にせず、そそくさと要件を伝える。嗅覚と情動のこの直接的な結びつきが、この感覚をそれほど原始的なものに思わせるもう一つの特性だ"嗅覚と情動が直接的に結びついているというのは、感覚的に分かるような気がします。嗅覚における性選択について、同書の中で面白い実験が紹介されていました。"主要組織適合遺伝子複合体(MHC)は、われわれの免疫反応で機能する一連の遺伝子で、さまざまな敵から味方の細胞型を正確に見分けるために変化に富んだものでなくてはならない。「味方」とは、われわれ自身の細胞のことだ。だからこそ、MHC遺伝子は脊椎動物において最も多様なのだ。これだけ多様であるため、われわれはどちらの親よりも病気にうまく対処できる子孫を生んでくれる相手を選ぶことができる。ただし、選択者が自分のMHC遺伝子とはできる限り、異なる遺伝子をもつ求愛者を選ぶ限りは、ということだ。だが、われわれ脊椎動物には、パートナーがそうしたMHC遺伝子の基準に見合うかどうか、どうしてわかるのだろうか?""MHC遺伝子をよく観察できる表現型の「窓」はある。それは動物のにおいだ""クラウス・デーキントと同僚は次のような実験を行なった。ヒトに関する多くの実験と同様、参加者は男性の学部生で、同じTシャツを二晩連続で着る役目を買ってでた。この間、彼らは入浴もせず、香水、コロン、体臭防止剤などの香りは一切使わないこととする。この試練のあと、そのTシャツをビニール袋に入れて研究所にもってきてもらい、そこで女性たちがTシャツのにおいを嗅いで、そのにおいにどのくらい惹かれるかを評価する。さらに、男女とも全員がその前にMHCタイプを判別する検査を受ける""女性たちは自分自身の体臭と異なるMHCタイプの男性の体臭を、MHC遺伝子がより似通った男性の体臭よりも魅力的だと感じていた。体臭の魅力は絶対的なものではなく、状況に(受け手側のMHCタイプに)影響されるものだった"ヒトは無意識にうちに、嗅覚から得られる情報に選択・行動を左右されている。話はさらに、嗅覚から受ける影響を利用した「香水」へと移っていく。最後に、もう少しだけ引用を紹介して終わりにします。"人類の性的な美の歴史における最大の技術的快挙は香水であり、人の恋愛で香水がはたした役割は伝説となっている。一部の香りは性を司る脳にじかに働きかけ、脳内で即座に「好き」と「欲しい」の感情を引き起こす。われわれ自身の芳香を改良するにはどんな香りを作り出すべきか、何が決めるのだろう?""この50億ドル市場を考えれば、香水の理論はさぞかしよく解明されているだろうと思う人もいるはずだ。だが、その反対だと(ルカ)トゥリンは主張する。〜〜 トゥリンは香水産業が嗅覚の生態についてもっと学べば、若干のリバースエンジニアリング〔完成品を分解して原理や製造技術を知ること〕を利用することで、その成功率を上げることができると主張する"最後の引用は短編映画『秘密のフレグランス』の内容に大きく影響を与えています。「香り」×「嗅覚の生態」の可能性を探るそれこそがこの映画の始まりなのだと思います。主人公・琴の店にやってくる三人の客たちが持ちかける「秘密の仕事」とも深く関わっています。次は短編映画『秘密のフレグランス』の出演者について書きたいと思います。ではまた、宜しくお願いします。
ご支援頂いているみなさま、本当にありがとうございます。短編映画『秘密のフレグランス』監督の富田です。今日、初めて街でティッシュ配りをしました。笑どうやったらこのプロジェクトを広められるだろうと考えた結果、確実にリーチ出来るこの方法を試してみようと、amazonで販促用ティッシュをポチり、キンコーズでチラシを印刷して、プロジェクトのQRコードを入れたティッシュを500個作りました。500個のチラシ入りティッシュが入った段ボールをかついで、六本木へ。なぜ六本木かと言うと、先日10月22日に六本木ヒルズ内のハリウッドホールにて「ATP賞テレビグランプリ」の受賞式があり、奨励新人賞受賞者として参加しました。このティッシュはもともとこの受賞式で業界関係者に配ろうと思って用意していたものなのですが、クラウドファンディングの準備に手こずり、プロジェクトのリリースが22日に間に合わなかったのです。笑リベンジ?のつもりで六本木に乗り込みました。初めてのティッシュ配り。もそもそと「クラウドファンディングやってま〜す」「よろしくお願いしま〜す」と言いながらティッシュを差し出す。ああ、これか。話には聞いていたけど、これだったのか。確かに、無視されるのはつらい。というか、無視されたあとどういう顔していればいいのか分からない。受け取ってもらえるとすごく嬉しい。映画好きな人にアプローチした方がいいだろうということで映画館の近くで配っていたのだけど、しばらくすると周りに人が全然いなくなる...ティッシュを持ってると人が避けていくように見える...今思えば単に上映プログラム的に人が落ち着いただけだったと思うけど、なんだか落ち着かなくなって場所を変える....ダンボールをかついで電車に乗り込む。次に目指したのは、「映画の街」こと有楽町。ここだ、と場所を決める。もう逃げまい。道が狭い場所だと、人との距離を詰めやすい。すっと腰を落とし、さっと出す。受け取ってもらえる。また受け取ってもらえる。受け取ってくれる人は、歩きながら少しこちらに寄ってきてくれたり、バッグを持つ手を変えてくれたりするので、だんだんと分かってくる。そんなこんなで2、3時間配ってたと思うんですが、全然減らない、、自分の顔を印刷したティッシュを配っているということもあって変な気疲れもする...(誰もそんなこと気にしちゃいないんですが)日が暮れてきて人もまばらになってたので、今日のところは退散しました。まだまだあるな。10月31日から六本木で始まる東京国際映画祭、乗り込むか!?そもそも、ティッシュ配りは効くのか!?というわけで、みなさまぜひ、ぜひとも!SNS等でこのプロジェクトをシェアして頂けると嬉しいです!▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼https://camp-fire.jp/projects/view/338458▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲リターンの監督Vlogではこんなことやあんなことなど富田の奮闘を追いかけております。ではまた、よろしくお願いします。