クロサイとシロサイの違いを徹底解説!
今回のプロジェクトを行うにあたってクロサイとシロサイの違いについての質問をいくつか頂きました。
なので今日はサイのこの2種の違いを説明させていただきたいと思います!
かつては50万頭いたサイですが、現在はシロサイがおよそ21,000頭、クロサイは5000頭しかいないと言われています。
特にクロサイはIUCNレッドリストでCritically Endangered「絶滅寸前」というカテゴリーに入ってしまっています。
このように数も大きく異なる2種のサイですが、そのほかにはどんな違いがあるのか見ていきましょう!
口の形が違う!
名前とは裏腹にシロサイとクロサイ、実はどちらも同じ茶色がかった灰色のような皮膚の色をしています。
ではなにが違うかというと、それは口の形です!
以下の写真からも見て分かるようにシロサイは四角く広がった平な口をしていて、クロサイはとんがったおちょぼ口のような形になっています。
このように口の形が違うのにはれっきとした理由があります。
それはそれぞれ食べるものが異なるからです!
食べるものが違う!
シロサイもクロサイも大型草食動物ですが、食べている植生に違いがあります。
シロサイは草をたべる一方で、クロサイは木の枝や葉っぱを食べています。
そのためシロサイは地面に生えている草に届きやすく、効率よく食べられるように、頭の形は縦長で口の形も平らになっています。
一方クロサイは木の枝や葉っぱに届きやすいようにとんがった口の形をしています。
このように食べ物が違うため、サイのうんちを見ただけでどちらの種か判別もできるのです。
うんちの中に枝の切れ端が見えたらそれはクロサイの証拠!
大きさが違う!
食べ物や口だけでなく、体の大きさも違います。
シロサイのオスはおよそ2,300 kg、 メス:は1,700 kg。
一方クロサイのオスは1,350 kg、メスは900 kg。
シロサイの方がクロサイよりもひとまわり大きいです。
足の大きさも同じくシロサイの方がひとまわり大きいため、足跡を見ただけでどちらのサイが判断することもできます。
習性も異なる!
シロサイは群れでいることが多いのが特徴です。
逆にクロサイはまだ子供が小さい時や、交尾の時以外は単独行動をしていることが多いです。
なので大きなサイが何頭か一緒にいるところを見かけたら、シロサイの可能性が高いと言えるでしょう。
またクロサイはシロサイよりも気性が荒いと言われています。
これは私がサファリガイドとして活動する中でも感じる違いです。
サファリ中もしクロサイに出会えた時には、より慎重に安全な距離を保ちながら近づかなくてはなりません。
シロサイの名前の由来とは?
もともとシロサイという名の歴史は1690年代まで遡ります。
東インド会社が南アフリカ南部のケープに入植しだした当時、多くのハンターたちがやってきました。この時代のハンティングジャーナルにすでに「シロサイ」として狩猟の記録が残っています。
ではなぜ「シロサイ」と呼ばれるようになったのでしょうか?
それはサイが泥遊び大好きなことに関係しています。
サイは水場を見つけると、そこで転がりながら体中に泥をつけます。
これはダニやノミなどの寄生虫を皮膚から除去したり、日差しから守るのに役立ちます。
北ケープ地域は炭酸カルシウムを多く含む石灰質の地層が広がっています。そのためこのエリアにいたシロサイはこの白い色をした石灰質の泥沼を体中につけて泥遊びをしていたため、当時最初にこのサイを見た人々はこの種のサイを「シロサイ」と呼び始めたと言われています。
今回クラウドファンディングを通して角処置を行うのは「シロサイ」です!
南アフリカではシロサイの方が見つけやすいこと、そして角の大きさもシロサイの方が大きいことから、密猟事件の多くはシロサイが犠牲となっています。
そのため今回はシロサイに角処置を行います。
また、やはり気性が荒いクロサイに処置をするのは、シロサイに処置をするよりもかなり大変です。そのためバーチャル保護活動として生放送でお送りする今回の角処置は生放送中の事故を防ぐためにもシロサイにすることになりました。
いかがでしたか?
この活動報告の記事を通して、よりサイへの理解を深めることができたでしょうか。
3月に行う角処置のバーチャル保護活動、ぜひお楽しみに!