[誰もが打てるコンパクトな碁盤の誕生! No.4]
この碁盤は、MDFと言って、木の粉末を固めたもので作られています。
手触りや材質的りは段ボール紙のようですが、かなりしっかりしている板です。
この素材で碁盤を作れるのではと発想した山口さんは素晴らしいです。
作業は、精密な設計図をデータ化します。
次にレーザーカッターでライン部分を網のように切り取ります。
これを、土台になるもう1枚のMDFに貼り合わせます。
その後、カットした所を紙やすりで丁寧に処理します。
これに、星などの印を付ければ完成です。
さて、星は指先で触って分かるようにしましたが、材料は何を使ったと思いますか?
それは、女性たちがネイルに使っているスワロフスキー社のクリスタルビーズです。
ここに至るまでには、あちこちからいろいろなものを取り寄せ、
やっとこれにたどり着いたのです。
星には2,5ミリのビーズを、外側の印には2ミリのびーずです。
こうしてできた9路盤、13路盤、19路の携帯型碁盤は、
ブラインドの皆さん方にとても好評でした。
ところがです。
これを使っているうちに、不都合な点がいくつか明らかになってきました。
それは、繰り返し使っているうちに、破損しやすいことがわかったのです。
また、水分に非常に弱く、お茶がこぼれればもちろんダメですし、
夏場の暑い日など、手に汗をかくと、汗が染み込んで柔らかくなってしまいます。
紙のような素材ですので、これはやむを得ないことです。
特にかみ合わせ部分が破損しやすい携帯型の碁盤を、製品として世に送り出すことは
できませんでした。
(つづく