期間は残すところ1週間となり目標の37%で14人の方からご支援を戴きました。新しい出会いと前回に続けての支援に感謝申し上げます。
先週に続けて佐々木こけし工房の新型こけしの魅力を紹介したいと思います。今回はアマビエ人形です。写真のだるまは張り子達磨です、サイズが似合うので使いました。
はじめに
オミクロン株により第6派の流行が拡がってきています。まだまだ新型コロナウィルスの影響は続くのでしょうか? 私は外出することがほとんどなく、地元の白石市における罹患率は県内でも最も低いほうにあるので、幸いにも不安な状態にはありません。それでも気を緩めずに充分に気を付けるようにはしています。今年は雪が降ることが多くてほぼ毎日雪かきをしています。異常気象が当たり前になっていく地球環境の方がむしろ不安であります。なので、そんな現代環境においての「こけしの価値」を探りたいと思うようになりました。癒しをくれるこけしと向き合うだけでなく、もっと広く人と木の関係性をいろいろな木工人形を通して深く探していきたいと考えています。
まえおきはこのぐらいにして、新しい創作されたアマビエ人形を見て戴きたいと思います。
1.功セレクション アマビエこけし
功工人が作るアマビエは2年前に創作されました。サイズは2種類ありましてリターン品にはサイズの小さいほうを出しています。世の中には実に多くの種類のアマビエがお目見えして、多くの方が終息を願ってそれぞれに感じ取り自分に合うものを選んでいると思います。日本のこのような精神性の文化は様々な工芸品に影響を及ぼしますが、一方で国民性にも及び世界の感染状況と比較すれば感染は抑えられているようです。ですから、アマビエをかわいいと言っていいのか、怖いであってほしいのか、良くわからなくなってしまうときがあり困っていました。でもこの作品を見て思ったのは、感染は怖いですが、アマビエはカワイイでよいのでしょう。それだけでこころが落ち着きますものね。
原作のアマビエの絵には色がありません。ですから想像して色を載せていくことになります。2色になったのは他の工人さん達も同じようです。決まりはありませんから好きに塗れるのですが、逆に似たものにならないようにした色を選ぶことになります。色選びにあったては終息を願ってこの色にしたそうです。うろこと思える部分の縁取りに金色が使われています。ウイルスを跳ね返そうとしてるように思えます。体と顔は緑に青。どちらかと言えば寒色系ですが、アマビエは海に生息しているかのようにも思えたので、ワカメ好きかもしれないと想像してしまいます。そういえば功さんのこけしで人気のある「むすび丸」は大のワカメ好きですしね。もう一方のピンクのアマビエ人形は、ともかくカワイイのが好きな工人ならではの色づかいです。ほっぺたも赤くなっていて癒されます。
2.美穂セレクション アマビエこけし
今回のクラウドファンディングに出品て欲しいとお願いして制作してもらった作品です。女性らしいアマビエ人形を意識して創作された作品です。美穂さんのこけしに「セピアな季節」と題名したこけしがありまして、その技法が盛り込まれているように見えます。セピアですから黒い縁取りはセピア色になって描かれています。一見すると功工人と同じラインなので気付きにくいかもしれません。
単に線を引くのではなくて、微妙な「ゆれ」と「濃淡」が見られます。これらから筆を扱っているときの息遣いが感じ取れるのです。さらには顔に丸みをつけて優しい顔立ちにしています。わざとではなくて自然な感じにできているところがとても好きです。また色づかいは同じような配色であっても、独自の特徴を活かせるように工夫してくださいました。薄墨効果と表現するのが適当かはわかりませんが、やわらかな「にじみ」は季節ごとの花を描いてきた経験を盛り込んでくれているようです。一見してカワイイには、それを表現できるだけの確かな技があることを、この小さなアマビエ人形から見てもらえると嬉しいです。
職人技は自分で描いてみてはじめてわかるもの、なので自分でも描きたくなるのですが、平面の絵ならまだしも曲面ですし、一回描いたら消せないし、そう思うと尻込みしてしまいます。
お知らせ
前回の活動報告で案内しましたこけし展ですが、諸般の事情により中止することにしました。開催に向けて応援して戴いた方、ならびに楽しみにしていた皆様ごめんなさい。
今後またお見せできる機会を企画してみたいと思います。