期間は残すところ1日となってしまいました。プレミアムの支援者は5名となりました。想いを込めて「たったひとつのとっておき」の猫の似顔絵こけしをお届したいと思います。佐々木こけし工房の新型こけしの魅力を今一度紹介して期間中の活動報告を締めたいと思います。
メイン画像に「ジェンダーレス」の現代用語を入れたのは、こけしの制作は昔から男性女性区別なく作ってきた様子があったように思えたからです。
はじめに
写真左側の茶色になったこけしは、別の工人の作品です。いつどこから我が家に来たのか思い出せないのです。調べてみたところ「鉄園型こけし」であることがわかりました。昭和16年ごろから八城鉄園工人が制作したこけしは、新型・旧型の区別がされる以前の時代のこけしであったため「鉄園型」と言われ、独自の位置づけがされたようです。写真は2代目鉄園と称した浜津千代子工人の作品で、八城鉄園工人の作品を受け継いで制作したのだそうです。このこけしを見ていると伝統の描彩から離れて独自の描彩を施したところから新型こけしが息吹き始め、あわせて自由な形が生まれてきたのではないかと思われるのです。
今回は美穂作家のこけし人形を紹介します。木地師にロクロ挽きをしてもらい描彩をするのは「工人」でなく「作家」と称するほうがふわわしいのかもしれない、との美穂さんのこころ配りある発言を受けて、ここではあえて「美穂作家」との表現をしてみました。
1.美穂セレクション 散もよう
形は伝統的なこけしの形です。頭が大きくて胴が長いこけしです。木地は夫の功工人が挽いて、それにオリジナルの描彩をします。美穂作家らしい個性を生み出すまでの苦労を教えてもらうことがありました。こけしの制作を始める前に書道の経験を持ってはいたけれども、筆の扱い方は別もの。まして手本をもとに文字を書くのではなくて、自由に絵柄を描くセンスが必要となるため、絵心があまりないため厳しかったと仰ってしました。ロクロを使って描く独特の模様がロクロ線です。このこけしでは、ピンク色でリズムよく当ピッチで描かれています。後ろ側を見た方がより分かりやすいです。一周回ってもずれることなく、どこから始まっているのかも見てとることすら出来ないぐらい精巧に描かれています。(絵付体験をされた方は頷いて戴けていることと思います。)さらなるうえに、このろくろ線はグラデーションのように幅を少しずつ変えていってます。胴体中心の線から数えて上に7本、下に7本、鏡を置いたかのようです。そこに今となっては得意とする桜の花びらたちを丹念に散らして魅せてくれます。顔の表情はこれも今となっては得意とする「ぼかし」の色付けにより柔和さを感じさせてくれるのであります。
もっとも桜が綺麗な頃を思い出させてくれます。
2.美穂セレクション コスモス
このこけしでは秋を映し出します。そのために選んだ花がコスモス。この季節を象徴する花を探してコスモスがもっとも相応しいから決めたのだそうです。コスモスの花をたくさん見て欲しいと思って胴体を太めにして描くことを思いついたとか。つぼみも含め10本のコスモスの花からはもっとたくさんのコスモスが咲いているように感じ取れます。平面ではなくて立体に描いたからこそのマジックなのかもしれません。だって、その証拠に後ろ側にはまったく描かれてはいないのです。少し横を向けるとその先にもコスモスが咲いていそうな表情。頭の中までコスモスでいっぱいのようです。
さいごに
新しいこけしを創作していく過程を経験していく中で、工人達からは数々の貴重な想いを教えてもらいました。こけしについては若輩者なので失礼な物言いをしたことがあったにも拘わらず、いつも優しく接してくれます。興味を持たれたら勇気をもって工房を訪れて工人と触れ合うことをお勧めします。
このプロジェクトはAll-In方式です。目標金額に関わらず、2022/01/26 23:59:59を過ぎましたらすぐにリターン品の準備に入ります。こけしの耳かきが出来上ってきました。かわいいこけしたちが届く日を楽しみにしてお待ち戴けると幸いです。