「父島の宝物といえる自慢とは? 」をテーマに話し合いを重ねました。 そこで出てきたフレーズは 「ボニンブルー」「ビーチ」「南島」「固有の植物」「島食材」などでした。囲まれていると当たり前すぎてその魅力を改めて感じることは新鮮でした。こんな素敵な島に住んでいる幸せを再認識できた瞬間でもありました。次のテーマは、「その素敵な島に来て欲しいのはどんな人物像か」。 独身?性別は?どんな仕事をしていて、どんな生活スタイルの人?その人は何を島に求めて来島するのか。 そしてまとまった人物像が「小笠原に、家族になりに来る人」です。ブランディングのプロがその人物像をこんな風に表現してくれました。 「私たちが愛してやまないこの島を、 同じように愛してくれる人。 自然と共に生きること。」 父島に誇りを持って暮らすこと。 愛している島を大切にしたい、 そして守り続けたいと想うこと。 「私たちの想いに『共感』してくれる人 そんな、父島ファンを増やしたい。」 改めて文章になるとすとんと腑に落ちる人物像です。「そうか、こうやって沢山出た意見を分析していくとみんなの思い描いたものが結晶化していくんだな」と納得した瞬間でした。 島についている名前も家族を表しているこの島にぴったりの人物像です。 そう、私達は心から小笠原を愛してやまない。そんな気持ちを共有してくれる人達に小笠原を父島を心から楽しむ為の仕掛け作りをするんだ!と参加者の気持ちが一つにまとまりました。 24時間の船旅をしないと辿り着けないこの島。24時間かけてくる別世界。父島にくると時には家族のように賑やかで、時には人の気配を感じられないほど静か。そんな父島に来てくれる人達にどんなアプローチがいいのか少しずつみんなの頭の中にイメージが出来て来ました。つづく。
最初に村役場の会議室に集まったのが2019年の6月。東京都主催の島を良くする会議に参加しませんかとお声かけいただき、全てが「?」なまま参加しました。大手企業の人たちが島に来ている事自体、とってもレアな事。緊張しつつ話を聞くと「島民の手でもっと島を良くする方法を考えてほしい。それを実現するお手伝いをします」との事。壮大で漠然とした提案に更に「?」になりつつもその後も定期的に会議に参加することにしました。総勢20名ほどが集まって、その後も会議に参加するうちに、プロの手腕によって自分たちの住み生活している、小笠原の良いところ、もっと良くした方がいいところが次第に明確になってきました。まず「どんな人に島に来てほしいか」その人物像をよりクリアにイメージしていくことで 「どんな時に、どのように、どんな気持ちでこの島のサービスを利用したくなるのか」を突き詰めていきました。 ずっと昔に、内地にいたときに受けた会社の新入社員研修でやったようなホワイトボードを活用してのディスカッションを重ねていきました。 島民同士の顔は知っていても、きちんと話をする事の無かった人たちと意見交換するのが新鮮でワクワクする楽しい時間が、そこにはありました。 島民のそれぞれが民宿経営、土産物店主、居酒屋経営、公務員、自然保護関係、など色々な立場の人たちが一つの父島の理想系を作り上げていきました。これが小笠原の魅力再発見からスタートした宝島事業です。次回は魅力を文章にするまでをお伝えします。つづく文:福田 真琴