【徳之島の自然の恵みの象徴】
野山を駆け回り、沢を行き交い、時には砂浜まで訪れる徳之島の山の主”ヤマシ”(=徳之島の方言で「リュウキュウイノシシ」のこと)
古くから島民のごちそうとして有難く食べられていた食材であります。が、農家の厄介者として問題視もされています。 ただ、この問題は「人とヤマとの暮らし方」(耕作・山の木材としての利用・薪としての利用など)が変わり、里山(山と人里の中間地域)が荒れ、耕作放棄地が増え、人の生活圏と近くなった結果生じた課題です。そして、徳之島町では近年イノシシの農業被害がすさまじく、喫緊の課題となっています。
私としても、耕作放棄地解消としてのカラギ・サネン・コーヒー栽培やミツバチの導入、伝統の炭焼き復活のほか、観光・エコツアーとしての利用でこの課題解決に少しでも貢献しようと構想しているのですが、今回は人里に現れたヤマシの捕獲とその命を精肉として有難くいただく現場を体験させていただきました。
ご案内いただいたのは「山猪精肉 ししまる」様(徳之島町ふるさと納税サイトでの紹介)←クリック
Instagramで「shishimarutokunoshima」として発信されています⇜クリック
代表の秋丸さんは自ら狩猟~処理~精肉も行っています。当日もヤマで捕獲~すぐ施設で手際よく精肉しながら説明もいただきました。(私の長男・次男と同級生のお父さんなのですが、いつもの優しい顔とは違った、男の顔・真剣な表情を見させていただきましたよ)
伝統食とはいえ、ヤマシの肉=「猟師飯」「野性的」なイメージ(「固い、独特の臭み」のような)でしたが、今回伺うことで、島人としても調理師としても今までの概念が覆るような、感動的な経験になりました。
まず、整備された施設で丁寧に処理されたイノシシ肉は全くと言っていいほど臭みを感じません。「さっきまで野山を走っていたからね」との言葉に納得しきり(…畜舎で清潔に飼育された家畜であっても匂うので驚き、もちろん「ししまる」様が新鮮なうちに丁寧に処理されているからです。)
また私が感動したのは~里に下りた個体のみを捕獲するように罠の場所を決め「人とヤマの境界」を意識、お父様の協力も得て毎日仕掛けをチェックして、かかったイノシシが暴れ・自ら傷つくのを最小限に抑える努力~猟師としての矜持・命をいただくという覚悟を見せていただきました。
徳之島の山の幸が濃縮されたヤマシ肉は、健康的な赤色でうま味が濃厚。脂身は驚くほどさっぱり。 本土のイノシシ肉の印象とはまた違います。 もちろん栄養価も高い
【島内コラボレーションでの新商品の予感】
ふるさと納税での発信のほか、友人や地元飲食店・島外の料理家などと更なる味わいの追求もされているそうで、「ボタニカルアイランド構想」の一環でも商品作りや消費喚起、美味しさ追求に協力したいと考えています。
具体的には➀「アスリート食」としてのイノシシ肉の新規分野開拓、②カラギの材の部分のチップ・コーヒーやシークニンの剪定枝のチップ・カフェ等で提供されたコーヒーの抽出カス・コーヒー脱穀後の外果皮・内果皮などを「燻製材」として商品化、ヤマシ精肉にその他カラギの葉(ローリエの代わりになる)や島の調味料をそえて、「ヤマシベーコンセット(仮称)」の提案を考えています。
「ししまる」様には”ヤマシベーコンセット”共同開発への了承を得ました。 急ピッチで研究を進め、このクラウドファンディングの返礼品でもご案内したいと考えております。
今後も「オール徳之島」のようなブランド創り、島の”生態系やおかげさま”でつなげたコラボレーション商品など、応援の輪が広がるような活動を目指したいと考えています。