タチキカラ 杉野賢治です。昨日から始まったクラウドファンディング、早速ご支援いただきまして、ありがとうございます。今日は、クラウドファンディングを始めるにあたって、プロジェクト本文には書ききれなかった思いを書きます。 北三河(愛知県豊田市北部 旧旭町)で、木こり・炭やき・木挽きを生業としています。1962年生まれの魚座B型です。原生林ガイドなど、グリーンツーリズムに関すること、炭やき体験イベントなどもやっています。今回、クラウドファンディングをしようと思ったのは、本業である「炭やき」の、最も重要な道具である「炭窯」を作るためです。去年まで使っていた恵那市にある窯も、自分で作ったのですが、場所の事情で使えなくなってしまい、現在所有している工場内に新たに作ろうと考えたからです。自己資金で何とかしようと考えていましたが、モモの理事さんたち、友人たちから勧められた形でクラウドファンディングを始めてみます。炭窯を作る理由は、炭をやくためが一番ですが、炭を使う暮らし、火を使う暮らしを絶やしたくないという理由が大きいのです。広く炭のことを知っていただくことで、私の後継者に出会うチャンスも広げたい。炭は「火の文化」そのものです。山の恵みを、人の知恵で炭素「C」の塊にする。それはいわゆる炭素固定でもあるし、エネルギーの塊を作り出すことでもあります。炭の原料にするのは樫やナラの広葉樹です。何十年と光合成を続け、その幹に太陽エネルギーを炭素という形で蓄積するのが植物です。還元状態の中、熱化学反応による熱分解で炭素の塊にするのが「炭化」です。炭を作るのに使う熱エネルギーは、木を燃やすことによって得ます。木を燃やすことで排出されるCO2は、地球上のCO2を増やすことにはなりません。何故なら、元々森林にあったCO2を木々が光合成のために吸収し、その結果蓄えられた炭素だから、それを酸化燃焼させることで出たCO2は、元々森林にあったCO2だからです。これをカーボンニュートラルと言います。何百年も前から、日本人が積み上げてきた知恵です。炭火は暖かく、人の心を癒します。それは、炭や木々が燃える時に出る光や熱の源になっているのが、先ほど書いた光合成によって蓄積された炭素が、酸素と結びついて出しているエネルギーだからです。つまり、炭や木々が燃える時の様子は、太陽そのものだからなのです。太陽は、全ての命の源です。そのエネルギーを、私たちは直接取り込めない。だから、光合成をした植物か、その植物を摂った動物を食べて身体に入れるのです。炭とは、太陽エネルギーをギュっと凝縮した塊です。それを作り出すには、やはり伝統的な窯と、修業によって身につけた技術と知恵が必要になるのです。今回のクラウドファンディングで集めた資金は、窯を作るための材料に使わせていただきます。具体的には、耐火レンガ、耐火セメント、耐火モルタルなどの購入費用です。私は炭窯を作ることも修業で身につけていますので、窯は自分で構築します。その窯で、「北三河炭やき人」として、愚直に仕事を続けてゆきたいのです。どうか、ご支援お願いいたします。