2021/04/29 21:11
信州大学名誉教授、特任教授の井上直人先生。
十割どうづき蕎麦の開発者です。
蕎麦の美味、栄養価を求め、そして手打ちそばの労働過多を減少するため、井上先生は研究を続けてきた。それが十割どうづき蕎麦です。
新しい蕎麦の世界を切り拓いてきた。
2008年に井上直人先生が特許申請。
2010年特許成立と共に実用に。
導入1号店となった、長野県茅野市の、「そばきり道玄」さんで、井上先生とオーナーの吉田道成さんにお会いできた。
驚いたのは、親から蕎麦屋を引き継いだ吉田さんが同時期に同じような突き蕎麦を研究していたこと。
同じエリアでもあり、両者が出会うのは必然だった。もちろん、導入1号店になる。
製粉しない蕎麦。
丸抜きの蕎麦実に水を含ませて叩き潰して粉にして蕎麦麺を作る。
それがどうづき蕎麦。
「蕎麦丸ごと美味しい」、とはこのことでしょう。
蕎麦実は水を含むと栄養素が変化を起こしGABAが40倍に増加するという。その瞬間を捉えて蕎麦粉に処理する。
GABA?
また一つ、僕の勉強課題が増えました。
そうしてできたどうづき蕎麦。
蕎麦の持つ素朴さ、力強さ、甘さを存分に味わえる。まさに蕎麦の新しい世界なのです。
地場のために、現場のために。
井上先生はその考えに満ち溢れています。
それでもまだ導入している蕎麦屋さんは3軒しかありません。もう開発してから10年も経つのに。
井上先生曰く、「職人には必ず師匠がいます。師匠から教わったことが絶対なのです。ですから新しいことはまず、入る余地がないのです」
僕が提唱するマシン打ち十割蕎麦の応援団が、なかなか集まらないのは、師匠からマシン打ちは教わらないから。そう取れます。
マシン打ち十割蕎麦の普及の壁は高い。
皆さんのご支援に改めて感謝です。