ハザードマップを置いてくれたAさんのご紹介で、すぐに町内の元消防署、現防災士のKさんのところを尋ねました。
Kさんのお話はこうでした。
「バザードマップでは、災害における被害は絶対大丈夫とは言い切れない。あくまで目安である。防災に絶対はない。特に、警戒区域、特別警戒区域のある地域では、ソーラーパネルのようなものは作ってはいけない。作るのであれば、住民が安心安全に暮らすために、設置する側と住民がコミュニケーションを取った上で、【みんなのルールづくり】が必要だと思うので、事前の説明会が大切。」
本当にそうだと思いました。説明会をしないで建設しようとしていた事業者に対して、不安と不信感だけが募って行きました。
しかし、今の社会はやったもん勝ち。つくったもん勝ち。だれかの利益のために誰かの暮らしが犠牲になるというのは、原発の構造と同じです。それが、再生可能エネルギーという耳ざわりのいい言葉で置き換えられているように思えることばかりが全国各地で起こっていました。
実は、地権者さんは平林に住んでいる方です。もし、地権者さんの事業ならこの小さな地域で反対するのは難しい。しかし、事業主体がソーラパネル事業者なら全力でぶつかっていける!そう思いました。
そして、原発やリニアなど、国という大きな力が働いていいると、いくら反対運動をしてもなんの手応えもなく疲弊していくだけというのは経験上わかっていました。ソーラーパネル事業者という全体像が見える相手なら、もしかしたら可能性はあるかもしれない。なんとなくそう感じていました。
一番大事なのは、住民が安心安全に暮らせるかどうか。
人が作ったものは必ず壊れるということを前提に話し合い、土地を大事にしてくれる事業者に設置してもらえるとわかっていたら、やり方は違っていたかもしれません。
つづく
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【追記】
設置後に問題が起きないように、あらゆる場面を想定しての話し合いが大事です。そして、問題が起きないように対策をする。それが「防災」です。
例えば
●土砂災害警戒区域の川が氾濫したとき
●強風で飛ばされたとき
●道路封鎖のときにパネル火災が起きたとき
・火災は条件が揃えば起こるもの、思いがけず発火することはある
・平林は連続降水量80mmで道路が通行止めになる
・二次災害が起こる可能性があるときは緊急車両も通れない
・平林は、法面が道路に面しているので行けなくなる可能性はある
●パネルが飛んで来て家が壊れた場合、保険はどこまで適用されるのか?
・当事者と保険屋の仲介をきちんとしてくれるのかどうか?
・どんな保険に入っているのか契約内容を事前に確認する必要がある
●住民が生活する上で、今後暮らしがどうなっていくのか?
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もくじ
~プロローグ~はじまりの日
Episode1 二人だけのミーティング
Episode2 神様からの届け物
Episode3 防災に絶対はない