びわこんファンクラブ会員の皆さまへ暑中お見舞い申し上げます。平素は本プロジェクトを応援いただき誠にありがとうございます。連日猛暑が続きますが、いかがお過ごしですか?こちらは、夏休み前の性教育講演会も無事に終わり、2年間のプロジェクトで集まった2,500名以上の中高生のアンケート集計作業にひと苦労の毎日を過ごしています。読み応え十分のデータから語れることは彼らのほんの一部分にすぎませんが、この貴重な声の数々をどんな形で、どこにどのように届けようか、あと少しの間、考え続けたいと思います。第一報をお届けできる日に向けて、引き続きよろしくお願いします。■びわこん盛り上げ応援Tシャツ/ポロシャツ販売開始のご案内 学校の夏休み、鳥人間コンテスト、夏祭り花火大会、甲子園、お盆帰省などなど、夏のイベントが盛りだくさんのシーズンを元気に楽しく乗り越えるべく「びわこん盛り上げTシャツ/ポロシャツ 」の販売を開始しました。この夏本番の勝負服はこれで決まり!? 是非あなたのお気に入りの1枚で「びわこん推し」の輪を全国の老若男女に広げて盛り上げていきましょうϵ( '◎' )϶♬ ▼「BIWACON.com」ショップ(期間限定) https://biwacon.designstore.jp*選べるサイズ&カラー *3営業日出荷(本日7月29日ご購入で8月2日発送)■びわこんどーむ販売場所(7月29日現在)・彦根観光案内所(JR彦根駅構内)・彦根観光センター(彦根城エリア口・護国神社近く)・トラヤ商事株式会社 本店(彦根商店街) (Yahooショッピング店あり)+詳細はhttp://www.biwacon.com/p/blog-page_19.html
【びわこんどーむREVOLUTION主催イベント開催報告】(協力企業)株式会社 教育と探求社、一般社団法人 ティーチャーズ・イニシアティブびわこんファンクラブ会員の皆さま、おはようございます!プロジェクト代表の清水です。先日ご案内した上記主催イベントが無事に終了しました。今回は開催報告として参加者の方々から届いた感想を紹介いたします。登壇者の櫻井裕子さん、門下祐子さんの著書解説やその後の質疑応答では「対話」という共通ワードが何度も登場しました。「対話」といえば新学習指導要領においても同様に全校種・全教科を横断した「主体的・対話的で深い学び」の実現が記されています。今回のイベントを通じて、それらが実現された学校教育の先にある「性的主体」「性的同意」「自他理解」「対話的コミュニケーション」など、性教育(セクシュアリティ教育)の本来のあり方を垣間見た気がしました。今回のイベントを通じてお気づきになられたことを各現場実践に還元していただけますと幸いです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。<参加者の感想(抜粋)>【性教育講師】家庭・学校・地域で性教育を伝えたい。という想いで昨年から活動を始めたばかりの身でして、私自身も学びの日々です。対話・学び合い・権利ベースの学び・自分で決めていいこと・選びとっていくこと・できるところから・やれることをやり続けること…。自分の中で大切にしてきたことが、今日のポイントと重なっていたような気がして自信になりました。【小学校教諭】とても励まされました。明日からも頑張ります☆この春から小学校ですが、昨年までは長い間中学校勤務でした。教頭になって3年目です。なんとか職場や教育委員会を巻き込んで、性教育を推進していこうと思っています。【高校教諭】保健体育の教師をしています。びわコンドーム、来週授業で使う予定です。今回、このzoomに参加させていただいて、大きく反省したことがあります。すでに生徒の「性教育をどう考えるか」の課題で1人の生徒が気づかせてくれていたのですか、、、脅しではなく、いい所も話してサンドすればいいなぁ、、、と。大反省は、性行為自体を素敵なものだという話を、きちんとできてなーい!ということです。どうしても、リスク管理の方面から話してしまってました。人として自然なこと、触れることで相手に愛情を示すことができる、てのを端折ってたなーーーーって、反省しました、、、、【高校教諭】素晴らしいお話をありがとうございました。支援学校に勤めていた時に、性の学習の大切さを感じ、実践していました。生徒たちは、性の学習の時間が一番好きだと言ってくれました。今は高校に異動し、性の学習を担当できる立場ではありませんが、仲間と知的障害のある成人の性の学びの場を作っています。コンドームの使い方も扱っています。のりの容器を使うのは参考になりました。今日のお話を聞いて、現在勤める高校でも何かできないかと励まされました。養護教諭と一緒に考えていきたいと思います。【元養護教諭】ただただ、そうだよネと頷きながら聴いていました。ユウユウミハルのリラックス感もアリ楽しかったです。正しいことの押しつけではなく、どう思う?と語りかけながら対話で深めていく、人ごとではなく自分ごととして共にと考えていきたいと、常々思っています。やれることをやり続ける・・本当に細々とでも、対話のキャッチボールが出来るうちは、歩みを止めないで行きますね。是非、お二人の本も活用させていただきます。素敵な企画、有り難うございました。【教員以外の教育関係者】貴重な機会をありがとうございました。対話しながら性教育、習うより慣れようコンドームなどなど頭に残るフレーズ満載でした。早速このようなフレーズを実践に活かしていきたいと思います。【教員以外の教育関係者】何となくじゃなくて正しい知識を持つことが大切なんだと思いました。高校生のアンケートを見れたのがとってもよかったです!数のエビデンスって説得力がありました!医療関係者の方は何を期待されて参加されたのか気になりました。性教育って教育関係者より医療関係者の方の方が詳しいイメージがあったので不思議に思いました。【介護福祉士・思春期保健相談士・性教育講師】本当に無料?というくらい、ありがたい講座でした。講座の中でも門下先生が言われていましたが、「論文などで長く文章を書くことは得意だけど、簡潔に要点をまとめるのが本当に大変だと最近より自覚しています。また、講座自体も時間内に必要な情報をまとめるということに今日はとても勉強になりました。実は、この夏休みに親子向けで「コンドーム実験教室」と題した講座をやる予定です。まさしく、今日の櫻井さんが紹介されたような実験などをしてみたくて…。【医療関係者】門下さんも櫻井さんも、プレジャー等の性のポジティブな側面と対話をすごく大事にしていると改めて感じて、私も大事にしていきたいと思いました。来月、びわこんどーむを持って高校に行きます!頑張ります!!【医療関係者】本日はありがとうございました。一方的な教えではなく考える時間、権利としての性、対話が大事、コンドームはエロでなく衛生材料、などたくさんのワードが心に残りました。本日は中学高校あたりにスポットの当たった話であったかと思いますが、幼少期から包括的な性の学びを連続して学べる環境が整っていくと良いなと感じました。性教育は幸せに生きるために持つべき知識と技術、日本性教育の充実と自分や他者が傷つく使い方が少なくなることを願います。【医療関係者】対話をしてそれぞれの個別性を大切にしていることを学べる機会になりました。9月に知的障害のある親御さんへの性教育を行う予定です。対話を大切にすること、わかりやすく話ができればと思っています。【医療関係者】人としての自然な営み、誰もが持っている権利としての性、私はこの大事な部分をどれほど伝えられているだろう・・・と自分を振り返りながらお話を聞きいていました。これからもたくさん学ばせてもらいたいです!【医療関係者】看護師をしながら性教育講師をしております。誰もが学ぶ権利として学校内での包括的性教育を広める活動をしていますが…営業活動が実を結ぶまで苦戦しており、心折れそうになることも。今日のお話で櫻井先生がおっしゃったことがどれもとても心に染みました。コロナ渦で講師になったこともあり、対面での講座は未経験で避けていましたが、私も「対話」から生まれるものを見てみたくなりました。やるしかないと心に誓った今夜でした。【医療関係者】とても良かったです!近日、鎌倉市内学校での講義を予定しておりましたので、お話にでた「対話」をキーワードとして頑張ってまいります!また先生方のお話しがあれば聞きたいです(^^) 【医療関係者】たくさんの同志がいることが、本当に励みになります。本日はありがとうございました。【医療関係者】これから『生と性について知る機会』についてできることを考えていこうとしている私にとって、とても興味深い1時間半でした。櫻井さんの本も、門下さんの本も買わせていただきました。とても読みやすく、どんな風に伝えようか、問いを投げ掛けようか、とても参考になる内容でした。今はまだ、幼児期・学童期にあるお子さんやその保護者様に伝える経験しかありませんが、これからももっともっと活動の場を広げて行けたら良いなと思います。【医療関係者】3人のお話は、性教育を学ぶ場としてめっちゃ入り込めます。学び深いのに、押し付けがましくなく。私でも参加のハードルが低いのに、時々ドキッとするような強烈なワードが取り込まれたりする。会話全部をバイブルとして、いずれ世に送り込んでください。
【びわこんどーむREVOLUTION主催イベントのご案内】びわこんファンクラブ会員の皆さま、こんにちは!プロジェクト代表の清水です。今回は本プロジェクトが企画した無料イベントをご案内いたします。これまで私自身が20年以上にわたり性教育を学んできた中で出会った2人の専門家を講師にお招きしました。お二人それぞれが出版されたご著書を、著者ご本人たちがそのまま解説してくれるという贅沢な内容です。司会を務める私も当日はどんな話が聞けるのか楽しみながら進行しますので、皆さまにも是非この機会に最新の学校性教育や研究領域の知識に触れていただけたらと思います。【6月29日夜8時~イベント申込フォームはこちら】https://forms.gle/uFv1GL3ZXZMTz1tX9*90名定員が即日満席となり大幅増席しました。(申込現在336名 / 定員500名)(協力企業)株式会社 教育と探求社、一般社団法人 ティーチャーズ・イニシアティブ ■櫻井裕子さんのご著書のご紹介"びわこんどーむ" と "習うより触って慣れようコンドーム" もマンガで登場します!『10代のための性の世界の歩き方』https://amzn.asia/d/evehJWh著者の櫻井さん(助産師/びわこんどーむ全国広報会長)は、本プロジェクト報告でもたびたびご活躍をお伝えしておりますが、小中高大学生を対象に年間120回以上の性に関する講演会を行っておられます。櫻井先生のユーモアあふれる大人気の学校講演には、びわこんどーむくんも何度もお供して、この2年間だけでも全国の数多くの高校生に届けていただきました。今回発売された著書は各パートごとに楽しく学べる性の知識はもちろんのこと、漫画家のイゴカオリさんのかわいいイラストで、著者の講演の雰囲気がたっぷりつまった性教育決定版です!【目次】はじめに /パート1 性の世界に興味がある・ない人へ /パート2 安心・安全なセルフプレジャーのために /パート3 性の多様性を知ろう /パート4 対等な関係って知ってる? /パート5 思春期の体のケア /パート6 避妊の話 /パート7 もし妊娠したら? /パート8 よくある10 代の悩み・質問に答えます性的同意YES以外は全部NO/ソロプレイ風呂かトイレか布団の中で/それもあり今すぐ性を決めない選択/身長もチン長も無理やり急には伸ばせない/AVはプロがつくったツクリモノ現代の若者のリアルな性の実情を知るお二人が、子どもたちに必要な知識をまとめました。大人も答えられないテーマが、一冊でよく分かります!■門下祐子さんのご著書のご紹介びわこんプロジェクトも編集チェックで協力させていただきました!『シンプル性教育 いっしょに話そう! くらす・はたらくに活かす「性」のこと』https://amzn.asia/d/31zM26u著書の門下さんは研究者(博士)として、東洋大学福祉社会開発研究センター客員研究員、津田塾大学非常勤講師、一般社団法人“人間と性”教育研究協議会幹事を務めておられます。特別支援学校の教員を経て大学院で知的障害児・者の「性の権利」を尊重した教育支援を専門とし、現在は執筆や講演活動、社会福祉法人等への助言など多方面でご活躍。障害児・者の性教育研究者がシンプルにまとめた本書は、みんなが読める、みんなで読める。「性」についてのわかりやすい本。ご家庭、学校の授業、相談支援の場など、さまざまな場面でご活用いただけます!【内容】からだのことから、生理、マスターベーション、恋愛、結婚、避妊、子育て、SNSのことまで…「性教育」といっても様々な要素がある上、どう教えてよいか分からないという声もよく聞かれます。ご家庭での性教育の入門書として、あるいは、お子さんと一緒に読む本として使える一冊です。【構成】「からだとこころを守る・楽しむ」「人生を選んでいく」「みんな大切な人」に関する13項目のすべてが4ページ構成。1ページ目:項目を象徴するイラストと、簡単な解説 /2ページ目:もう少し踏み込んだ解説 /3ページ目:ワークシート形式の「考えて、話し合ってみましょう!」 /4ページ目:Q&A形式の「こんな時はどうする?」【6月29日夜8時~イベント申込フォームはこちら】https://forms.gle/uFv1GL3ZXZMTz1tX9びわこんどーむプロジェクト事務局biwacon.com
▼立命館大学の情報サイト「ShiRUto」で活動を紹介していただきました。https://shiruto.jp/life/4895/ネットの世界にはさまざまな性情報があふれ、中高生ともなれば自分のスマートフォンであらゆる情報にアクセスできる現代。若者たちが「コンドーム」や「避妊」について、どれほどの理解があるのかを想像するとしたら、あなたの予想はどうなるだろうか?「高校生であれば、ほぼ“わかっている”だろう」…、そんな感覚をお持ちの方が多いかもしれない。しかし、その認識こそが、コンドームの知識を正しく広めることを阻害している可能性がある。〈この記事のポイント〉● 中高生ではコンドームを実際に手にしたことのない生徒がほとんど● 相手の手にコンドームを装着する「自主練」のある講演会● コンドームの実体験で、子どもたちが感じたこと● 避妊だけではない! 感染症への理解を育むコンドーム● 親から子への情報発信はしなくていい!?コンドームの知識 「高校生なら理解しているだろう」は大きな間違い滋賀県の高校で保健体育の教諭を19年間勤めた清水美春さんは、県内を中心とした中学校・高校で生徒たちにコンドームをきっかけに人間関係の大切さを説く講演会を行ってきた。「コンドームのそのものは中高の教科書にも掲載されているので、ほとんどの生徒がその存在を認識しています。ところが、実際に講演会をやってみると、『実物を見たのは初めて』という中高生が75%、『実際に触ったのは初めて』という生徒は87%です。やはりアダルトグッズという認識がまだ強いので、『見てはいけない』『考えないようにしよう』という子どもたちが非常に多く、”初めて触るのが本番”になるのが現状です」(清水さん、以下同じ)「咳・くしゃみにはマスク、勃起・射精にはコンドーム」 講演会では自主練も!清水さん自身も講演会を始めた当初、「自分の認識との差に驚いた」という生徒たちとコンドームの間の深い溝。講演会では、その溝を埋めるための工夫が凝らされている。講演会では、オリジナルキャラクターが描かれた『びわこんどーむ』を生徒が実際に手に取り、体感する時間を設けている。「『びわこんどーむくん』というキャラクターにすることで親しみが生まれ、『コンドーム』という言葉を口にする心理的ハードルを下げる効果もありました。また、コロナ禍でマスク着用が浸透したことが、『咳・くしゃみにはマスク、勃起・射精にはコンドーム』というように、使うことがマナーであり、使って当然だという意識を持ってもらうためのフックにもなっています」講演会の後半、生徒たちの性感染症への理解が深まった頃に行われるのが、講演会のメインイベントともいえるペアワークだ。「講演会の大半を使って『コンドームは性感染予防に必要なアイテムだ』ということを話すのですが、実はコンドームそのものについてはあまり詳しく教えません。講演会の後半で、オリジナルコンドーム教材の『びわこんどーむ』を実際に開封して、2人組でペアワークをしてもらいます」「じゃんけんで勝った人から相手の手に装着してもらいます。正しい使い方や開け方などは一切ノーヒント。ファーストインプレッションがもの凄く大事だと思っているんです。『よーいドン!」で始めるとみんな焦るので、いろいろな失敗例が出てきます。コンドームが濡れていることをまず知りませんから、開けた瞬間にビックリ。ゴムの匂いや、香料に驚く生徒も多いですね。全体の約3~4割が裏表を間違えてくれます。生徒たちは、自分のペアだけでなく、まわりのペアがどうやっていたかも見ています。気まずさが残るペアもいますし、ゴムが破れて失敗したりするペアもいる。それぞれがどこに嫌悪感を示していたか、どんな反応が生まれていたのか、全てが彼らの学びになります。それは、私一人が一方的に話すだけでは決して伝えられないことです。学校教育の一環として、このような経験の場が与えられる価値はすごく大きいと思います」「下ネタじゃなかった!」 コンドームを手にした生徒たちの反応は?初めて触れるコンドームのヌルヌルした手ざわり、独特のゴム臭や、その薄さ。ペアワークは生徒たちにとって、強烈に記憶に残る経験だといっていい。講演会を終えて寄せられた生徒たちのコメントをいくつか紹介しよう。「直接コンドームを見たことがなかったので、少し気持ち悪かったです。でも、使い方を知れてよかったと思いました」「コンドームを付けることは、自分だけでなく相手のことも考えた行動であることがわかりました」「やはり学ぶことで自分の視野が広がるのだと感じた。コンドームに対する勝手なイメージや偏見、空気を読んでしまっている部分もあったので、実物を使いながら正しい知識を学ぶことができてよかった」「性の話を聞くだけで『恥ずかしい』と感じる人が多いと感じています。でも、将来のことを考えると、いつまでも知らんぷりはできません。間違った情報に惑わされないようにしたいです」「ゴムは完全な下ネタだと思っていましたが、一気に印象が変わりました」「今までは少し遠回しな講演が多かったですが、今回は生々しい話を聞けたと思います。もうそういう年齢であり、無関係な話ではないと自覚するにはとてもいい講演だったと思います」「“私のカラダは私が決める”という言葉が一番印象に残りました。自分のことは「空気を読む」「いい印象を持たれたい」ということで決めるのではなく、一時的な感情にまどわされないようにしたいです。」「とにかくやれやれそれがあなたのためだから!と言われるような感覚とは違い、たくさんの知識を与えてくれたうえで自主性を信じてくれるのはすごく嬉しかったし、楽しい講演でした。」主に高校生からのコメントの抜粋だが、講演会の前後で彼らの意識に大きな変化が起きたことが伝わってくる。「コンドームがいかに単純なものかがわかると、このゴムの薄い膜に全幅の信頼を置く怖さに気づく生徒も多いです。『今まではコンドームさえ付けていたら避妊や性感染症の予防になると聞いていたけれども、使うのが人間という時点で危うさがあるぞ』というリアリティをつかんでくれる子が大勢います。『破れることもあるんや』『真っ暗な相手の部屋だった場合に、本当にちゃんと使えるんだろうか』とか、そういうことも含めて想像した上で自分で選択できることが大切だと思っています」避妊だけではない 同性間感染の“真実”が生徒たちの意識を変える清水さんの講演活動の大きなきっかけになったのが、青年海外協力隊として2年間暮らしたケニアでの経験だ。派遣された「HIV感染者ケアセンター」では、売春婦たちにもコンドームを付けるよう働きかけた。しかし、今日を生きるために必死の彼女たちからは「コンドームを付けたら男が自分を買ってくれなくなる」と断られた。そのような圧倒的な貧困格差や死生観の違いを感じる日々の中で、この現状を変えられるのはやはり次世代への教育しかないと確信した清水さんは、現地で「コンドマスター」というキャラクターを考え、ケニアのエイズ対策機関とも協力して子どもたちに向けてコンドームの大切さを訴えた。その経験が、「びわこんどーむ」の活動につながっているのだ。「性感染症、特にHIVが抱えている問題として、同性間の感染拡大があります。『避妊する必要がないからコンドームを使わない』『お互いの感染を疑いたくないからコンドームを使わない』などが理由に挙げられます。その事実を知った時に衝撃を受けました。『一番押さえるべきポイントを、自分は授業の中で押さえられてなかったんや』と思いました。ですから、講演会では肛門性交による同性間感染のエピソードは中学生でも高校生でも必ず入れます。そうすると子どもたちは『ああ、そうか。コンドームは避妊のためだけではなくて、それ以上に性感染症を予防できる重要なアイテムなんだ』という理解をしてくれます」親から教えるのはNG? 学んだ生徒が、次は教える立場になっていくコンドームから始まる、性交渉の周辺知識への広い理解。親の視点からすれば、「ウチの子にも知ってほしい」と思うところだが、すべての親から子に、直接このような情報発信をすることに清水さんは懐疑的だ。「幼少期から性について話す習慣がある家庭であれば自然なことだと思いますが、決して無理する必要はなく、何かトラブルが起きたときに安心して話し合える関係性を築いておくことの方が性教育より大切なことだと思います。手軽な方法であれば、近年は性教育関連の本が多数出版されているので、気に入った数冊をトイレなどの個室にそっと置いてあげることなどでしょうか。」びわこんどーむのパッケージには、講演会内容を凝縮した必須知識がギッシリ。「習うより、触って慣れようコンドーム」は、清水さんのメッセージそのものだ「『びわこんどーむくん』は個人でも購入できます。教え子がつないでくれた縁で、彦根市内で学生服販売も手掛けているトラヤ商事株式会社さんがこの活動の趣旨に賛同して商品化してくれました。パッケージの中に講演会の情報が全部詰まっているような仕様にしてもらっています」最後に、講演会を通じて清水さんが子どもたちに期待することを聞いた。「講演の開始時に、『今日みなさんは聞く側の立場だけれど、明日からは教える側に回ってね』という話をします。特に性的なことは自分に関係ないと思っている生徒たちにも届くように『まだ自分には直接関係ないと思うかもしれないけれども、将来、医者や弁護士や公務員などの職業に就いて、性暴力や性被害にあった人たちを助ける側に回る人たちにも聞いておいてほしい内容ですと前置きすると、みんな『ちゃんと聞いておこう』という顔になります。実際にコンドームに触れる体験を通じて学んだ子どもたちが“何でもない当たり前のこととして”次の世代に伝えていってくれるという手応えを強く感じています」びわこんドットコムhttp://www.biwacon.com/商品販売サイトhttps://store.shopping.yahoo.co.jp/toraya5821/biwacondom.html