『公害スタディーズ;悶え、哀しみ、闘い、語りつぐ』の編集委員8名のメッセージを順に掲載します。
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今、世界は、2030年を目標に、誰一人取り残さない社会の実現に向けてSDGs達成に取り組んでいます。この今こそ、足元の「公害」をあらゆる面から多角的にとらえ、考え、学ぶ絶好の機会です。
その時に、いろいろな立場や状況にあって、出会った「公害」を、自分を棚上げにせずに切実な課題として受け止め、向き合い、関わり続けた人たちの証言を読んだり聞いたりして、自分はどんなことを感じたり思ったりしたかを注意深く観察し、自分の言葉で綴ってみると、「公害」の表面をなぞるのとは全く違った、その深みに導かれていく学びが始まります。
この本には、そのような「公害」の<深い学び>の旅に連れ出してくれる「語り」がいっぱい詰まっています。旅をしながら今の世界に目を向けるならば、SDGsとつながる何かをきっと発見することができるでしょう。
どのページからでも構いません、ぜひその「語り」に触れてみてください。そして、「語り」に触れたあなたが、あなたの心の動きを書いて、この本と一緒に大切な仲間に語り伝えてください。こうして、「語り」が新たな「語り」を生み出し、この本から、出来合いの「公害」とSDGsの「物語」ではないもう一つの「語り」のネットワークが生まれ、誰一人取り残さない人と人との確かなつながりができていくことでしょう。
本が出版されたら、皆さんと一緒に語り合う集いを持ちたいと願っています。