みなさん、動物園などで動物が「オモチャ」で遊んでいるのを見たことありますか?動物たちが使っているのは「オモチャ」ではなく、「エンリッチメント」といいます。
エンリッチメントとは、動物の本能を引き出すための道具です。
ボルネオマレーグマ保護センター(BSBCC)では「動物福祉」に重きを置いています。エンリッチメントは動物が心身共に健康でいることを目的としているため、動物福祉の観点からみても重要です。
BSBCCは主に空間エンリッチメントと採食エンリッチメントを導入しています。
空間エンリッチメント
・ハンモック
・タイヤのベッド 他
マレーグマは木の上で多くの時間を過ごし、高い所で休むことを好みます。
そのため、室内でも野生下同様、高い所で休めるようにハンモックなどを設置することが大切です。
採食エンリッチメント
・ブイの中にエサを入れたもの
・消防ホースで作ったサイコロ状のフィーダー
・バナナの葉でエサを包んだもの
・シロアリの巣 他
マレーグマは長い舌と長い爪を器用に使い、昆虫や果実を食べます。
BSBCCではただエサを与えるのではなく、様々な採食エンリッチメントで舌と爪を活かせるように工夫しています。
エンリッチメントは全てスタッフとボランティアの手作りです。
また、野生のマレーグマが食べるものと同じものをBSBCCでも与えられるよう、森に出て、シロアリの巣や森に実っている果実などを採ってきます。
BSBCCは広大な森林を敷地内にもち、マレーグマたちは森林内を自由に歩けるようにはなっていますが、中には過去のトラウマから森に出ることなく、室内にこもっているクマもいます。
そんなマレーグマにとっては、エンリッチメントが一層重要となります。
皆様から頂いた支援金の一部は、エンリッチメント作成に活用させていただきます。
BSBCCのマレーグマたちの生活をより豊かにするために、引き続きご支援お願いいたします。