もろみの熟成が終わると、次は搾りの作業がはじまります。
最初は、サラサラだったもろみは時間の経過とともに熟成し、
ドロドロとした深い茶色に変化します。
明治屋醤油では、蔵出しは3年。その他の醤油は1年半寝かせます。
その間、微生物の力でジワリジワリと旨味を増して育っていきます。
そして、このタイミングでまたホースが登場します。
熟成を終えたもろみは、2階のもろみ部屋の入り口前に設置された大樽に移され、
そこから、さらに1階のもろみを搾るための船と呼ばれる箱に移動します。
そして、麻袋の中にもろみを少しずつ入れて、重ねていきます。
この作業を繰り返し、まずはもろみの重さだけで出てくる醤油をとり、
それが落ち着いたら、その後機械で圧搾するそうです。
もろみは、トロトロで水分が多いのでいきなり圧力を掛けても
隙間から染み出してしまうのだそう。
だから、この作業も何日か時間を掛けて、行うのです。
こうして搾った醤油は、そのまま生醤油として瓶詰めされるものと
火入れして別れて商品として旅立ちます。
この古い工場からどれだけの醤油が出荷されてきたのでしょう。
明治屋醤油の美味しさは、この工場があってのものなのかもしれません。