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オンラインサロン『ひなのマルシェ』ローンチプロジェクト

『ひなのマルシェ』とは、同じ未来を描く仲間たちがトライアル・アンド・エラーを繰り返し、“クリアな地球”を築いていくオンラインサロンです。今回はクラウドファンディング限定で第一期メンバーを募集いたします。

現在の支援総額

5,345,222

534%

目標金額は1,000,000円

支援者数

400

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/10/28に募集を開始し、 400人の支援により 5,345,222円の資金を集め、 2021/12/31に募集を終了しました

このプロジェクトを見た人はこちらもチェックしています

オンラインサロン『ひなのマルシェ』ローンチプロジェクト

現在の支援総額

5,345,222

534%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数400

このプロジェクトは、2021/10/28に募集を開始し、 400人の支援により 5,345,222円の資金を集め、 2021/12/31に募集を終了しました

『ひなのマルシェ』とは、同じ未来を描く仲間たちがトライアル・アンド・エラーを繰り返し、“クリアな地球”を築いていくオンラインサロンです。今回はクラウドファンディング限定で第一期メンバーを募集いたします。

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【 ひなのマルシェChoice 】01藤野薬膳柚餅子悠久の歴史を食する柚餅子源平の時代から生まれたと伝えられる「ゆべし」。菓子というよりも保存食・携帯食として親しまれてきました。遡ること530年、室町時代。御所に仕える女官たちによって、書き継いだ当番日記『お湯殿の上の日記』に、「ゆべし」の由緒正しい記述が残っています。ここには、製法などは書かれていませんが、加賀藩前田家に仕えた料理頭舟木伝内の息子、舟木安信が書いた料理書『料理物語』には、レシピが記載されています。それは、味噌、生姜、胡椒をよくすり混ぜ、榧(かや)、胡麻、杏仁を加え、身をくりぬいた柚子の中に入れて蒸し、そのあとよく干すという製法。これがオリジナルの「丸柚餅子」レシピとして、包丁侍と呼ばれた料理人らの手によって洗練し伝承され、時代が進むにつれて、甘味を強くした和菓子なども登場するようになります。源平の時代に生まれ、室町時代の古文書に登場し、前田家のお殿様が召し上がったとされる「ゆべし」、悠久の歴史を経て現代に伝えられた「丸柚餅子」をご賞味ください。藤野薬膳柚餅子の作り方▼藤野薬膳柚餅子は柚子の里、藤野にある築150年の古民家でつくられています。▼古民家の側に広がる畑で、無農薬で育てられた柚子を11月ごろに収穫します。▼⼋丁味噌や鰹節、 数種類の⽊の実を⼊れて混ぜ合わせます。▼柚子の中⾝をくり抜き。▼そして、先ほど調合した味噌を入れます。▼蓋をします。▼蒸し上げます。▼陰干しで 約 3 ヵ⽉間乾燥、熟成させます。▼⽊の実と味噌の⾹りが柚⼦に包みこまれ、お酒の肴、お茶の友はもちろん、お粥などにも合う柚餅子の出来上がりです。ビオ市事務局が提供する柚餅子とお茶のセットをぜひ一度、ご賞味くださいませ。


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11/13 藤野まるまるマルシェ2021開催決定!こんな時だからこそ、繋がりたいモノ・人・暮らし。ローカリゼーション・パレード!山と湖,地産地消,オーガニック食品,シュタイナー教育,パーマカルチャー、多様性に溢れる人々…幸せな未来を築く、暮らしのヒントが詰まった町、藤野。里山藤野をもっと知ってもらいたい、という想いからシュタイナー学園保護者有志中心で始まったイベント、藤野まるまるマルシェ。地域のこと、地球のこと、未来のことを考えて有機的に活動している人たちがつながるマルシェです。開催日までの間も、オンラインで藤野で活躍する、いろいろな人の紹介をしています。詳しくはHPやFacebook、インスタグラムをご利用ください。https://fujino-marche.com/★藤野まるまるマルシェBOX藤野の有機野菜やこだわり素材のお菓子など、藤野のおいしいものを詰め込んだ「マルシェBOX」の先行予約も行なっています!https://fujino-marche.com/marketマルシェBOXラインナップは3種類!(内容は画像と異なる可能性がありますことをご了承ください。)(1)まるまる おまかせBIO野菜セット(2)パンとお菓子 ティーセット(3)お酒とおつまみ 晩酌セットマルシェBOXラインナップ詳細はこちらをチェック!


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食で農業をデザインする「株式会社 土とシェフ」代表の五十嵐創さんに聞く。新たな未来につながる食のサスティナブルの可能性と料理人の役割とは?五十嵐さんは大量の食品廃棄物をきっかけに店を親族に譲り、サスティナブルなコミュニティとして有名な藤野地区で就農した料理人さんです。「最終目標は命のある土をシェアすることである」と語る五十嵐創さん。新たな未来につながる食のサスティナブルにおいて“今”料理人ができることとは何か?農大出身の異色の料理人に話を聞いてみました。●五十嵐創プロフィール食で農業をデザインする「株式会社 土とシェフ」代表取締役。東京世田谷の 高級無添加中華レストラン「広味坊」の総料理長として勤続していたが、より有機的な食のあり方を求め、藤野にて就農。循環型の農業を実践しながら、レストランシェフや食品開発を手掛ける。身体を整えるグルテンフリーのヴィーガン商品「ナツメとクコのグラノーラ」。湧水で煮た有機栽培「ビーツの水煮」の他、4cmの分厚い鉄器と炭と薪だけで調理する「究極の”ヒビキグルメ”」 を現在開発中。2021年日本『食のサスティナブルアワード』で金賞受賞。都内で総料理長をしていた五十嵐さんは食品廃棄物(生ゴミ)をきっかけに店を辞め、藤野地区で就農しています。- Q1) 五十嵐さんは、なぜ、総料理長を辞めたのですか?100%自給率で循環型の地球に優しい究極のレストランとは何かを考えに考えた末、電気はソーラーパネル、水は湧き水、野菜は自分で育て、火は薪を使えば起こせると答えが出たのですが、どうしても生ゴミの問題だけは解決できませんでした。レストランで1日に出るゴミの量は大量で、一般的には業者さんに買い取ってもらう仕組みになっています。料理は全て生き物でできているので、料理人は自然界から恩恵を受けて成り立っている職業だと思っています。でも廃棄の問題や、ゴミが行き着く先は結局、海か山か空を汚染しているんです。僕たちはレストランをひとつつくると、どれだけ自然界を壊してるのかと考えたとき、このまま料理を続けていくのは難しいと思いました。それで、何か良い手立てはないのか徹底的に調べ、農大に通っていた頃に授業を受けていた小泉武夫先生のことを思い出し、著書『食の堕落と日本人』を読みました。その本の中に、葉坂勝さんが考案された地域資源循環型のプラントシステム「ハザカプラント」について書かれていました。ハザカプラントとは、バクテリアを用いて廃棄物をわずか25日間で完熟堆肥化、ゴミを命ある土に戻すというシステムで、そのシステムに衝撃を受けたことがきっかけでした。- 五十嵐さん自身が解決できなかった生ゴミの問題を解決する方法が見つかったので総料理長を辞める決意をしたということですなんですね!はい。ハザカプラントに衝撃を受け、思いの丈の全てを綴ったお手紙を葉坂社長宛に送り、後日、電話をいただきました。そして、ついに葉坂さんとお会いできる機会をいただき、自分の想いをお伝えすると、「全ては命の循環。廃棄なんていうとんでもない、人間のおごりを捨てなければいけない。命の循環の大切さに目を向けた君はね、選ばれた人間だっていうことだよ。それはやらなきゃいけないこと。できる、できない、難しい、簡単とか、そういう次元の話ではない。ちなみに五十嵐くん、料理の三大原則って何だと思う?」と問いかけられたのです。僕は20余年、料理のことだけやってきたのに何も答えることができませんでした。すると、葉坂社長が「料理の三大原則は風土、風味、風景だ!」と教えてくださり、また衝撃を受けました。僕はずっと料理をやってきたつもりだったけど、全く料理をやってきていなかったと感じ、もう一度料理をいちからやり直そうと思い、飲食業界というよりも料理人として循環社会を作ることに貢献したいと考えるようになりました。- それで、藤野に移住して、有機農家になったんですね。この話には続きがあって、葉坂社長から「五十嵐くん、あなたが考える風土、風味、風景についてと、あなたがやりたいと言っていることの青写真を次に会う時までに描いてきなさい。」と宿題が出まして、一年半かけて向き合い、自分なりの答えを出しました。「風土とは、そこにある自然だと思います。山があり、川があり、それら全ての環境に風土があります。その自然を活かして育てた作物や命に初めて風味がのります。人がこねくり回して作ったものには風味は無く、ただの味です。農薬、化成肥料を使ってしまっては、風土とは言えませんし、そうやって作った物には風味はのりません。更に添加物を使ってしまっては、風味は消えます。風景とは、目で見る風景だけではなく、生産者や人や自然との命の繋がりを含めて風景だと思います。自然、命の繋がり、それらを器にのせたものが本当の料理と言えるのだと思います。恥ずかしい話、自分は料理人でありながら料理など作っていなかったのです。」と葉坂社長に答えました。すると葉坂社長は「正解。そういうことだね。」と言ってくれたのです。そしてしばらくしてから藤野に移住して就農しました。- ここで、自園で収穫した旬のビーツを使った料理のレシピをご紹介します。五十嵐シェフがこだわる、風土、風味、風景を感じてみてください。- Q2)  今、五十嵐さんが最も力を入れてる活動は?今はナツメとクコのグラノーラという商品ですね。鍼灸院の院長である妻から『妊産婦さんや妊活中の人の身体を支えられる、美味しくて続けやすいものを作ってほしい!』と言われたのがきっかけで、『全身に気血を満たし、めぐらせる』という東洋医学の基本的な考え方を取り入れ、玄米、オーツ麦をベースに、ナツメやクコの実など、オーガニック原料を仕入れ、美味しく食べて気血を補える素材をふんだんに詰め込んだグラノーラを開発しました。余談ではありますが、全国で深刻な問題になっているのが耕作放棄地ですが、普通は農薬を撒いていたりしているので畑の再生が必要です。この土の再生に、オーツ麦が有効という事実を知りました。しかしオーツ麦の国産のマーケット市場のニーズが弱いため、換金が出来ない現状を変える必要があると思っています。そこでグラノーラの原料を、耕作放棄地の土づくり目的のオーツ麦にかえていこうと動いています。まだ耕作放棄地を借りてオーツ麦の種作りの段階ですが、来年、再来年には耕作放棄地の解決方法として面白い結果を出せるのではないかと思っています。ぜひ、日本一エシカルなグラノーラをお召し上がりください!- Q3) 今、「ひなのマルシェ」でもオリジナル商品の展開を考えています。「ひなのマルシェ」を象徴するような商品が良いのですが何か良いアイディアはありますか?オーガニックの廃棄野菜で作る「有機野菜のふりかけ」とか「有機野菜のポタージュ」が良いかと思います。市販のふりかけはオーガニックなものが少ないので、ぜひ実現したいと思っています。- 凄くいいですね!さっそく、ひなのさんに提案してみます。試作品はすぐできますか?できますよ!ゴーサインさえいただければ、すぐに作ります。- ありがとうございます。今後もひなのマルシェが目指す “クリアな地球” を一緒に築き上げていきましょう!五十嵐さん、本日はありがとうございました!


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相模原市相模湖地区で自然栽培で野菜をつくる「ゆい農園」の油井敬史さんに聞く。あなたにとってオーガニックとは何か?急速に浸透していくオーガニックという言葉の意味を改めて見直してみましょう。「畑は僕の人生そのもの」と語る油井さん。油井さんにとってオーガニックとは何か?【番外編】安心・安全で美味しい野菜は、えぐみの元となる硝酸態窒素の量で決まる!油井さんが育てた野菜をはじめ、スーパーで購入した野菜などの硝酸態窒素量を測ってみました。相模湖地区で自然栽培で野菜をつくる「ゆい農園」の油井敬史さんに聞いてみました。●油井敬史プロフィール宮城県生まれ。高校卒業後、アパレル経営や飲食業等を経た後、農の道を歩むことを決意。1年半の研修を終え、2014年、神奈川県・相模原市にて新規就農。『ゆい農園』開設。農薬や化学肥料だけでなく、動物性資材も使用しない無施肥栽培で野菜を育てる。週末に都会で暮らす人たちに農業体験を提供するweekend farmersやビオ市での活動が身を結び、こだわりのスーパーマーケットやオーナーシェフの舌を唸らせ注文が殺到。学校法人シュタイナー学園で子供たちに園芸を教える。- Q1) 有機農業をはじめるきっかけは?都会での生活が嫌になって相模湖に移住し、求職中に農業生産法人の研修生募集の案内が目に留まり、興味半分で面接に行きました。その後、研修生になりましたが研修先の事情により1年半後に突如解雇になった事がきっかけです。その代わりにと、畑と耕運機をもらえることになり就農しました。どの時期に何の種を蒔けば良いかということは教わっていたのですが、その他の知識はなく、最初は手探りではじめてみました。まずは自分が楽しく育てられる野菜は何かを見極め、他とは比べ物にならないくらいの味や鮮度の違いを出すことにこだわりました。試行錯誤の末に完成した1年目の人参とほうれん草がみんなに「うまい!」と言って貰えたことが、「これだ!」という自信に繋がりました。- Q2) オーガニックに関するこだわりは?農薬や化学肥料を使わず動物性の牛や鶏などの糞も使いません。畑の雑草と微生物で土を豊かにしていきながら野菜を育てています。正直言うと、こういう能書きが嫌いで。と言うのも自然と向き合って汗を流しながら畑と地道に誠実に接していれば畑は裏切らないし答えを用意してくれる。つまり畑の耕作はお金だけじゃなく、大自然が相手なので僕のエゴなんか通用しません。自然の中で生かされていることのありがたさを感じながら、謙虚な気持ちや人とのつながりを大切に野菜を育てていると、畑と共に生きているという感覚になります。かっこいいことを言ってしまうと、畑は僕の人生そのものなんです!- 油井さんを見ていると人もエゴを捨て切るとオーガニックになるのだと気付かされますね。大自然を相手に理屈は通用しない。農作業は孤独ではあるが、毎日畑と対話しながら育てた野菜を「美味しい」と言われることに生きがいを感じ、自然栽培を続ける活力になるのだと理解できました。- Q3) ところで、ひなのマルシェではじめたいことはありますか?ぜひ、皆さんに土いじりをしてもらいたいです。週末に畑に来てもらうのも大歓迎ですが、まずは生活に農を取り入れていただきたいと思います。- 家庭菜園のようなものでしょうか。楽しみにしています!油井さん、本日はありがとうございました。今後もひなのマルシェの目指す“クリアな地球”を一緒に築き上げていきましょう!次回、油井さんのご紹介でゲストに迎える方は『土とシェフ』の五十嵐創さんです。彼は農大出身の異色の料理人さんです。【番外編】五十嵐シェフと一緒に、羽村市を拠点とするスーパーマーケット福島屋の代表が『ゆい農園』に立ち寄りました。油井が作ったカブをその場で食べて、「美味い!」と唸ったそうです。その後、油井が作る野菜は、福島屋に並ぶことが決まりました。しかし、この話の背景には、「美味い!」という一言だけではなく、油井が作った野菜の硝酸値を測ったところ、基準値の10分1以下だったことから契約が決まったそうです。- 硝酸態窒素とは。美味しさとかオーガニックとの関係は? ●硝酸態窒素多くの植物は硝酸態窒素を好んで吸収しますが、野菜の中に含まれる硝酸態窒素の量が多すぎると、味に「えぐみ」を感じてしまい、美味しくありません。また、虫も寄りやすくなる為、品質も落ちてしまいます。農作物を栽培する時に、硝酸態窒素を化学肥料として使用すると野菜の成長も早く、色も鮮やかになるので、過剰に与えてしまいがちなのです。有機肥料は土中で微生物分解などが行われながら根から吸収される硝酸態窒素に形をゆっくり変えていきます。大事なのは硝酸態窒素の量です。欧米では、硝酸態窒素の残留量は規制されていますが残念ながら日本ではまだ規制されていません。安心・安全で美味しい野菜を栽培する為に、私たちは様々な条件を見極め、最適な量を考えなくてはなりません。- ビオ市の土屋さんのご協力で測定器をお借りして、ちょっとした実験をしてみました。油井さんの育てた野菜をはじめ、スーパーで購入した野菜などの硝酸態窒素量を測ってみました。 数値が低ければ低いほど、えぐみが少なく安心・安全で美味しい野菜と言えるそうですが、油井さんの野菜は全て基準値以下であることは間違いないようです。硝酸値はひなのマルシェでオーガニック野菜を扱う上での基準のひとつになるかもしれません!今回の結果はあくまでも簡易的な測定による数値のため、今後、より専門的な測定を行い、硝酸値に関する情報を共有していきたいと思います。


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藤野で朝採り野菜市を主宰する土屋拓人さんに聞く東京から一番近い里山、旧藤野町のオーガニック農家の実情そして、農家と消費者をつなぐマルシェの役割とは?日本でオーガニック農家を語る上で、最先端の市民レベルの活動を続ける町が旧藤野町(2007年相模原市に合併)だと語る土屋さん。世界的に有名なドイツのシュタイナー学園やパーマカルチャーセンターの拠点があることで知られるこの町が今なぜ最先端なのか?藤野を移動型マルシェで日本一のオーガニック村を目指すビオ市主宰者、土屋拓人さんに聞いてみました。土屋拓人さん●土屋拓人プロフィール東京都生まれ。ビオ市主宰 大学在学中に制作プロダクションを起業。出版社やテレビ局などと多数のプロモーションを手がける。2009年、神奈川県・旧藤野町へ移住。仕事で培ったコミュニケーション能力と人脈を活かし、藤野地域通貨「よろづ屋」、自然エネルギー「藤野電力」などの地域活性化プロジェクトに取り組む。2014年、「ウィークエンドファーマーズ」設立メンバー。2015年からは地域の有機農家と住民を繋げるビオ市にも注力している。2021年、日本最大の『食のサステナブルAWARD』RED-U35金賞受賞。https://bio831.com- 土屋さんは相模原の藤野に移住され、地元でファーマーズマーケットを主宰しています。ここで藤野をご紹介させていただきます。相模原市旧藤野町(2007年相模原市に合併)は人口9千人弱、町の中央には相模湖があり、ぐるりと山に囲まれた自然が豊かな町です。東京から一番近い里山で、神奈川県最北西端に位置し、JR中央本線や中央高速道路が通り、東京から1時間半、首都圏からのアクセスもよいところです。戦時中に、藤田嗣治ら日本を代表する多くの画家が疎開したことから芸術のまちといわれ、芸術家の移住を推進したり、世界的に有名なドイツのシュタイナー学園の開校だったり、パーマカルチャーセンターの拠点があることなど、様々な思想やカルチャーを積極的に受け入れている町として注目を浴びています。- Q1) 土屋さんは、なぜ、藤野に移住したのですか?ことの始まりは、『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』というドキュメンタリー映画です。「地球はそれ自体がひとつの生命体である」という考え方に基づき、「今」を語るに相応しい人を取材するという映画なのですが、僕は日に日に、自然の中で暮らすことや、スピリチュアルな世界に心を奪われるようになりました。そして、先輩のお子さんがシュタイナー学園に合格し藤野という町に引っ越すと聞き、「藤野...聞いたこともない町だけど面白そう」という直感が働き、藤野を訪れました。中央線に揺られて到着した町は、新宿から1時間とは思えないほど、自然豊かな環境で、「この町に引っ越してきたい」と強く思ったのです。ただ、その時はまだ決断しきれずにいました。本当に今の都会での仕事や生活を捨てて良いものかという迷いもありました。しかしその後、偶然にも、娘が通う保育園に『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』の監督、龍村仁さんのお子さんが通ってらっしゃることがわかり、同学年の娘を持つ親として龍村監督との縁ができたのです。そして、すぐに相談する機会をいただきました。「僕は龍村監督のガイアシンフォニーを見て考え方が変わり、人の縁で藤野という町を知り、青山から引っ越そうかと思っているんです」とストレートに聞いたんです。すると龍村監督の奥様は、「藤野って聞いたことあるわ。パーマカルチャーや、シュタイナー学園があるところでしょ?リトリートセンターのような場所でしょ?良いじゃないの。」と言ってくださったんです。「よし、藤野に引っ越そう。」その時、僕は、これまでの僕からは考えられないようなスピードで意思決定をし、藤野に移住することを決めました。- Q2) 藤野でファーマーズマーケット「ビオ市」を主宰するきっかけを教えてください。友人知人の有機農家の野菜を販売する無人販売所「土屋商店」を自宅前に設置したのが始まりです。一人で頑張っている有機農家が何軒もあることがわかりました。そこで、彼らの野菜を売るための場所の一つとして、地元の空間アーティストに協力を仰ぎ、50cm×2mの棚を創り上げました。そして、地域通貨よろづ屋(地域の情報交換などに利用されている)のメーリングリストに情報を流してみると、毎回瞬く間に完売するようになったんです。少しずつ、そんな場所が増えてきたタイミングで、全部まとめてファーマーズマーケットをやったほうが面白いんじゃないかと思い始め、友人に相談すると「それ絶対やったほうがいい! ていうか、なんで今まで藤野にはファーマーズマーケットがなかったんだろう」って言われたんです。じゃあやるか! となって、農家さん1軒1軒に電話して協力をお願いし、ビオ市を仲間たちと皆で創り上げていきました。- Q3) 藤野の農家の現状を教えてください。ファーマーズマーケットをやっていけばいくほど、農家がどれだけ大変かということがわかってきました。たとえば神奈川県では、新規就農した農家は5年間、交付金を受け取ることができます。しかし、それをもらってなんとか生活が成り立つ、という人がほとんどで、交付金が打ち切られたあと、農家として生計を立てていくのはかなり大変だという現実があります。ちなみに、月10万円、年収100万円を超える有機農家は、全体の1割程度で、これは有機農家の「100万円の壁」と言われております。だからこそ、少しでも力になれるように、販路開拓をしていきたいと強く思うようになったんです。藤野では、ビオ市などでの売り上げで、10万円の壁を突破できる人が増えています。ビオ市でのつながりから、個人に直接宅配している人もいます。そういう意味で、販路の拡大には、少しは貢献できたのかなと思っています。
しかし今度は100万円を超えたら、次は300万円の壁がある。ある農家が言ってました。月20万円稼ごうと思ったら、休みもなく、1日中仕事するしかないと。- Q4) ひなのマルシェではじめたいことありますか?僕たちが今、次の段階として、話し合っているのはCSAです。CSAとは、「Community Supported Agriculture」の略称で、日本では「地域支援型農業」と呼ばれています。簡単に説明すると、消費者が生産者に対して野菜などの購入費用を前払いするシステムです。代金を前払いすることにより、不安定になりがちな利益を安定させることができます。例えば、1年の前払い契約をし、その農家の会員となった消費者が、毎週季節の野菜セットを受け取ることができる、などの例が挙げられます。さらに、複数の地域の農家と契約、連携することにより、売れ残りや、値下げの危険性が減少し、所得が安定するのです。消費者は農家との交流が密になり、新鮮な野菜をいつでも手にすることができるようになります。ただ、このシステムを始める前に大切なことがあると思います。それは農家をはじめとする生産者と消費者との関係です。藤野は、農家が持っているこだわりを楽しそうに聞くお客さんばっかりなんですよね。もともとそういう土壌が、あったんだと思います。野菜を買うだけでなく、農家との交流も楽しむ。つまり、ファーマーズマーケットは生産者と消費者を繋げ、コミュニケーションがとれる場としての役割も担っています。農家って実は孤独なんです。畑を耕しても、雑草を丁寧に一つ一つ抜いても上司に褒められる訳でもなく、とにかく美味しい野菜を作ることをストイックに追求する仕事です。そういった意味で、コミニケーションを取れる場はすごく大事だし、美味しいって消費者から直接言ってもらえる環境は、農家にとってもお金に換えられない価値を感じられる場所なんです。土屋さん、本日は貴重なお話をありがとうございます。撮影:袴田和彦写真提供:ビオ市次回、土屋さんのご紹介で、相模湖地区で自然栽培の野菜をつくる「ゆい農園」の油井敬史さんのインタビューをお届けします。