2021/12/27 13:55
中村氏:技術的なことでは、元々手間の掛かる手仕事ですから、如何に効率よく、早く、破綻なく仕上げられるかということを念頭に作業します。
破綻なくというのは、端正な見た目とか、細部へのこだわりのことで、
結局エンドユーザーの方々が、安心して気持ちよく使って頂ける仕様になっているかどうかということです。
特に、細部へのこだわりという点では、修業時代から師匠に大分厳しく指導されました。
例えばそれは、ぐい呑みなどの飲み口のところで、最後の最後もしかしたら0.1mmにも満たない糸くずほどの切り子が出る程度に軽く削って仕上げますが、出来上がりを指先でなぞって少しでも角があるような感触があれば、全て突き返されました。
使う人の身になって細かなところへも気を抜いてはならないという無言の戒めであったと思います。
ひとつの製品に込められた、ものづくりへのおもいや背景を感じることで、より身近に感じ器への愛着もわきます。