脚本の第一稿が完成しました!
クラウドファンディングページの物より詳しいシナリオを公開します。
【『スパイア 蠱毒の妖姫』ストーリー】
山陰と山陽の間にある人形峠には、古来より巨大な虫の化け物が出るという伝説があった。
昆虫と植物、民俗学の研究者である三崎玲花は二人の助手と共に、人形峠付近で目撃される新種の虫について調査していた。
しかし国の調査規制区域に指定されており、思うように進めることができない。
人形峠には他にもいくつもの民話が伝わり、現代でも都市伝説や心霊現象の噂がある。
夜な夜な現れる女が人を食い殺すという「人喰い女」あるいは「蜘蛛女」の噂もその一つだった。
人形峠にはウラン鉱山がある。
心霊スポットと呼ばれる場所は磁場が乱れていることが多く、それが人体に影響を与えているのではないかと言われている。
人形峠も、ウランの放射能が磁場に影響を与え、それが心霊現象の正体ではないかというのが通説となっている。
しかし一方でこの付近では江戸時代から定期的に、犯人不明の殺人事件や行方不明事件が発生していた。
それ故に、ここには妖怪や物の怪の類が本当に住んでいると信じる住民も多い。
三崎玲花も、妖怪や幽霊かはともかく、国の過剰な規制も含め、ここには何かがあると確信していた。
玲花がここに固執するのは、彼女の祖父が人形峠と新種の虫について研究していたからだった。
規制区域に指定され、長らくウラン鉱山も閉鎖されているているはずの人形峠で、月光工業がウラン採掘事業を行うことが発表される。
月光工業は鳥取り発祥でありながらアメリカ、中国とも繋がっている大企業だった。
ウランを材料にした、安全で半永久的に使える新型バッテリー「シルバームーン」を開発し、それを量産する為にウラン鉱山の再開発をすると。
月光工業の社長は慈善事業なども行っており、放射能に対する人々の不安にも真摯に対応した。
自ら表に立って安全をPRし、世間的な人気も高かった。
玲花と助手は独自に調査すべく、人形峠へと向かい放射線の数値等を測定する。
その夜、玲花たちは地域の祭りへと足を運ぶ。
土着の信仰で、伝説の蟲を鎮めるために年に一度、行われている祭りだった。
不気味な雰囲気を醸し出す祭りの中、玲花たちは「これ以上、首を突っ込むな」と住民に警告される。
祭りの帰り、夜道で都市伝説にある「人喰い女」に遭遇。
女は人の身の丈ほどある蟲に姿を変え、襲い掛かって来る。
古代中国には毒虫を共食いさせ生き残った蟲を用いる『蠱毒』という呪術がある。
人形峠から現れた無数の蟲たちは、さながら蟲毒の様に殺し合い、生き残った物が巨大化していく。
放射能と人間、同種を喰らい、数十メートルまで巨大化した蟲は「スパイア」と命名される。
山から都市へ降りてきて暴れるスパイア。自衛隊はスパイアを捕獲する為に作戦を展開する。
果たして人類は生き残ることができるのか? スパイアに隠された秘密とは……!?
作品の公開をご期待ください!
※谷山龍監督のシナリオ執筆メモ