皆さまこんにちは、稲川です。多大なご支援ご協力、ありがとうございます!本日は、最近のジュマ・ネットが考えている視点をご紹介させてください。ジュマ・ネットはこれまで、チッタゴン丘陵地帯をはじめ、南アジア地域のエスニック・マイノリティや、差別や抑圧の対象とされる人々の支援・平和促進活動を行ってきました。その活動は現在も続けています。そしてジュマ・ネットはチッタゴン丘陵地帯を中心としながらも、コインの表裏のように点在する南アジア地域の民族を包括的に視野に収めることで、その解決を図ろうと考えています。しかし、そこにも一つの落とし穴が存在します。それが民族主義による政治的アイデンティティ・主張の獲得です。世界を眺めると、国家と集団の不具合は混乱を極めているように見えます。その表象が人種・宗教・そして民族などの衣装をまとって語られます。エスニックな文化を尊重し、それぞれの言語を尊重することは、大切なことです。しかし、民族的なアイデンティティが政治利用に転じたとき、そこには敵を作りだし、土地や権利にゼロサムゲームが成立します。そこでジュマ・ネットは、もちろんこれまで通り南アジア地域を包括的に視野に収めて俯瞰的にバランスや政治の流れを追いながら各地で支援を行います。そしてさらに、同時に対立や暴力を生み出す構造の輪郭を捉え直すことを目標にしています。国家という、概念的な枠組みによって作られた敵と仲間の区別、そしてその主要な要素である民族主義を超えた共生のあり方を模索していきます。次回は、ジュマ・ネットが現在取組んでいる活動のご紹介をさせていただきます。すぐには解決が難しい課題は多く残っていますが、こうした理念のもと、芯の通った活動を地道に行っていきます。最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さまこんにちは。稲川です。多大なご支援ご協力、ありがとうございます。本日は、ジュマ・ネットの足跡についてご紹介いたします!2002年の設立以来、ジュマ・ネットはさまざまな活動を展開して参りました。現在進行形のもの、既に終了したものもございますが、今回はそのプロジェクト事例をいくつかご紹介いたします。①国連先住民族常設フォーラムへの参加ニューヨーク国連本部で行われた先住民族常設フォーラム(UNPFII)第12回会合への参加のサポート、関連する国連機関へのロビー活動を行いました。②チッタゴン丘陵委員会の再結成下澤共同代表がヨーロッパ各国を回り、CHT委員会で中心的な役目を果たしたデンマークのNGO、IWGIA(先住民族問題国際作業グループ)やオランダのOCCHTC(CHTキャンペーン組織化委員会)などを訪問しました。その後も話し合いが進められ、デンマークに事務所をおくIWGIAを中心にCHT委員会を再結成する動きが始まり、ジュマ・ネットもCHT委員会の3ヵ年活動を一部資金支援することになりました。③チッタゴン丘陵白書の発行ジュマ・ネットはバングラデシュの現場訪問も多かったことから、世界に向けて情報を発信することへの要望も多くありました。また、チッタゴン丘陵地帯の政治状況を把握し、中立的な立場から分析を加えたチッタゴン丘陵白書を作成することの重要性も高く、その必要性を強く感じるようになり、2006年度からこれまでの活動を通して集積した情報の整理や分析に着手することになりました。これまで2度出版を行っています。④日本政府への提言活動日本政府は当時バングラデシュに対してODA(政府開発援助)の最大の拠出国であったことから、チッタゴン丘陵問題への解決に向けた積極的な提言や関わりも求められていました。そのために、外務省南西アジア課および外務省バングラデシュODA担当者やODA実施機関であるJICAそして研究機関等の関係者への定期的な情報提供を行い、必要応じてチッタゴン丘陵問題に関する情報交換、意見交換会を開催しました。⑤ドゥルバル・ネットワークを通した女性支援活動チッタゴン丘陵地帯では内戦期から今日に至るまで、襲撃事件や土地収奪に伴う女性に対する暴力事件が多発しています。その多くはほとんど正当に裁かれることがありません。貧しく、立場の弱い人々は報復を恐れて、犯人を訴えることが出来ずに泣き寝入りする 場合が多く、特に法的アクセスが難しい遠隔地の場合は被害そのものが表に出ることなく慢性化しています。多くの被害者は精神的、肉体的な ダメージを十分回復できないことが多く、裁判に訴えると報復に遭い、ジュマ社会からも疎外的に扱われるなど、社会の中で正当な形での支援活動が成り立ちに くく、支援が十分に届いていません。こうした日の当たらない被害者への支援を展開するため、2010年7月からバングラデシュの女性ネットワーク組織「ドゥルバル・ネットワーク」を通して、女性たちのネットワーク強化と被害者支援活動を支援してきました。(〜2016年まで)⑥緊急支援活動支援・平和促進活動を行う地域における襲撃事件や自然災害など、緊急を要する事態が発生した際に、人道支援活動を展開しております。最近では、2017年にバングラデシュランがマティ県にて土砂災害が発生した際に緊急支援活動を行いました。⑦ロヒンギャ難民支援活動2016年から2017年にかけてロヒンギャがバングラデシュに難民として大量流入した際には、食料をメインとする緊急支援活動を実施しました。これまで、チッタゴン丘陵地帯の少数民族(多くは仏教徒)を中心に支援活動を行っていたジュマ・ネットにとっては大きな転機となりました。しかし、隣国における抑圧の状況はバングラデシュの少数民族との共通点も多く、根底にまたがる課題には似たものが存在します。そうした問題意識から、コックスバザール県の難民キャンプにおいて支援活動を実施いたしました。⑧紛争被害児童への支援活動今回ページ内でもご紹介しました通り、調査チームとしても活動している紛争被害児童への支援活動を行っております。バングラデシュ・ランガマティ県の寄宿舎学校「モノゴール」で学んでいる生徒のうち、11名を支援しております。ホームページでは、実際に支援をしている生徒のライフヒストリーもご紹介しております。ぜひご覧ください。ホームページこの他にもSNSでの情報発信や支援者様向け会報記事の発行なども行っております。ぜひご関心をいただいた方は、メッセージをお送りいただけましたら幸いです。ありがとうございました。
皆様こんにちは。本日は、ジュマネットの歴史についてお話いたします。ジュマ・ネットはバングラデシュ、チッタゴン丘陵地帯の紛争解決と平和促進のために、関心のある有志や団体が集まり2002年3月に設立されました。チッタゴン丘陵地帯の弱い立場に置かれた先住民族の人々が平和な社会に暮らし、基本的な人権が守られ、開発の恩恵を十分受けられるようになることを目指して活動している非営利団体です。 もともと下澤共同代表は、NGOで19年間勤めてきました。しかし、民族的な差別や弾圧、政府に対する活動は制約も大きく、ジュマ・ネットでなければできないことでした。これが立ち上げの大きな理由でした。 また同じくトム共同代表は、1990年代に他の先住民族の活動をする中で、チッタゴン丘陵地帯で襲撃事件の報道を知りました。そして1994年にインドに逃げていたジュマの難民キャンプを訪問しました。リーダーとの出会いもあり、その後プロジェクトも行いました。そうした経緯の中で二人が出会い、協力してイベントを行ったことが、ジュマ・ネット創設の大きなきっかけになっていきました。 ちなみに、一番最初はボイサビという現地の祭りを日本で行いました。蓋を開けてみたら、100人を超える参加者が集まる結果となりました。そうして、ジュマ・ネットはスタートしていきました。本日は以上です。毎日少しずつですが更新して参りますので、今後もぜひ活動報告をチェックいただけましたら幸いです。ありがとうございました。
皆さま、こんにちは。ジュマ・ネット事務局長の稲川望(のぞみ)と申します。この度は、開始わずか1日で28,500円のご支援をいただき、ありがとうございます!このプロジェクトは、私にとっても大きな契機になると確信しています。昨年の4月に事務局長という大役をいただきました。23歳の私に、です。経験と私の稚拙さとはかけ離れた役目に、不安になることもありました。私は大学生の頃から、何度もインドやバングラデシュに足を運んでいました。1年間、大学を休んでバングラデシュで活動もしてきました。確かにちょっとした自信はありましたし、”学生のわりには”頑張っていたかもしれません。しかし、こうして組織を代表し、活動することのプレッシャーは全く異なりました。正直に言えば、弱気になって逃げたくなってしまうこともありました。しかし、任せていただけることへの喜びと、それに応えたいという気持ちも日に日に強くなっていきました。その一つのカタチとしての挑戦が、このクラウドファンディングです。これまでジュマ・ネットが力を注いできた、チッタゴン丘陵地帯の平和促進活動、そして未来を見据えたライフスタイルの提言を結びつけるという、これまでにない試みです。まだまだ未知数なこともあります。特に私の経験からでは、想像も及ぼないことはたくさんあります。でも、挑戦してみたいのです。市民が手を取り合って、社会を変える。これまで頭の中だけで終わらせていたことを、実現させたいです。そんな最初のこの機会に、チャンスをいただけましたら幸いです。誠心誠意、取り組んでまいります。皆さま、どうか応援お願いいたします!2022.2.13 稲川望
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