アラを使った新商品で福島から循環型の水産業を発信したい
皆さんはじめまして。いわき市の老舗鮮魚店「おのざき」の四代目、小野崎雄一です。持続的な循環型社会を目指し、鮮魚店から大量に生まれる「魚のアラ※」を活用した新しい商品づくりのプロジェクトを始めました。商品化にあたり、皆さんからご支援をいただきたく、今回クラウドファンディングにチャレンジしました。よろしくお願いいたします。
※魚を2枚、3枚おろしなどにした後に残る、頭、中骨、かま(頭の下のえらからひれにかけての部分)、尾などのこと。骨付きで旨味が多い部位。
<All-in方式>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
改めまして、老舗鮮魚店「おのざき」の四代目、小野崎雄一です。6年過ごした東京からUターンし、2020年1月に家業に入りました。外の世界から水産業界に入ってみて、改めて感じたことがあります。それは、魚屋からは大量の「アラ」が出るということです。
弊社は、鮮魚店だけでなく、寿司屋や食堂といった飲食店も2店舗運営しており、日々大量の魚をさばいていて、とにかくアラが出てきます。これまでは、そのほとんどをお金を払って捨てていました。あまりにもモノの流れが一方的で、時代に反して循環的なものになっていないな、と感じています。
この問題は、弊社に限った話ではありません。漁業は、そもそもが「獲れた魚を獲れた分だけ売る」という業態です。計画的な水揚げも難しく、獲れすぎて売れ残ったものはそのまま廃棄されていました。弊社の課題は水産業の課題そのものだったわけです。大量の食品ロスは、SGDsの観点から見ても持続性に欠けますし、なんとかできないものかなと、もどかしく感じていました。
そこで考えついたアイデアがアラの商品化です。ひとつは、アラや内臓、骨を瞬間冷凍して粉末にし、だし製品として販売するアイデア。もうひとつが、県内で廃棄されている規格外の野菜とアラを合わせたアラ汁を商品化するアイデアです。どちらも循環型社会に適応した商品であり、福島から新しいビジネスモデルを提示することにもつながります。
私を中心に、これまで商品化に向けてリサーチを続けてきましたが、壁にぶち当たっています。瞬間冷凍したアラを粉砕して粉にする「粉末機」や、商品をパッケージに詰める「包装機」を新たに購入する必要がでてきました。そこで、皆さんからのご支援を募り、機械の購入代金やパッケージの制作費に当てさせていただければと考えております。ご支援、よろしくお願いします。
おのざきの歴史
具体的な計画をお知らせする前に、まずは、私たち「おのざき」について説明いたします。おのざきは1923年に創業されました。その後1955年に、祖父にあたる小野崎英雄が引き継ぎ、その後の1973年に法人化されました。町の魚屋として、鮮魚や刺身、干物、煮魚などを販売してまいりまして、現在は、4つの鮮魚店と、「潮目食堂」、「海鮮寿司おのざき」の2つの飲食店を経営しています。
4つの店舗を持つ鮮魚店というのは東北地方でも珍しく、売上ベースで言えば東北の鮮魚店のなかで2番目、売り場面積でいえば東北一の規模です。いわきの水産業、台所を支える魚屋として、地元の「常磐もの」の魚のおいしさを伝えるべく、社員一同、品揃えとたしかな技術の提供を第一に、お店を運営してきました。
2つある飲食店の経営にも力を入れています。私が実家に戻ってきたのに合わせ、妻も東京からIターンして私と二人三脚で働くことになりました。
妻の提案で、寿司おのざきでは、より地元感、いわきの良さを打ち出すことにしました。寿司の盛り合わせに使うお皿を、いわきの粘土でしか出せない常磐ブルーの「常磐白水焼」に変えたり、いわき市を代表する魚・めひかりの握りを塩で食べる食体験を代表メニューにしたりしました。おかげさまで多くの方に、私たちの料理をご賞味いただいています。
私には姉が二人おりますが、小さな頃から母に「いずれはあなたが会社を継ぐんだ」と言われていました。自分はいつか魚屋を継ぐんだろうなと思ってきましたが、若いうちに自分で起業したくて、もともとは海沿いの街・小名浜で台湾スイーツとカレーの店を開くつもりだったんです。
ところが、開業準備の真っただ中で、父に「会社がピンチだから戻ってこい」と言われました。突然家業に入社せざるを得ない状況になったことに戸惑いもありましたが、断腸の思いで開業準備をしてきた店を投げ出し、目の前に困っている人がいるのなら、という想いで流れに身を任せ、家業に入社することにしました。
家業の魚屋に入り、老舗企業ならではの様々な課題が山積していることに驚きました。それだけでなく、福島の水産業に対しての課題にも気づかされました。これらの課題に対して、自分が早めに課題解決に向けて着手しないといけないな、自分の代でこれらの課題をクリアしなければと、そんな強い社会的使命感を覚えるようになりました。
現会長・小野崎英雄と妻・晟子の人情溢れる接客に多くのお客様が殺到した
それぞれの課題
私たちの前には、大きな課題が3つあります。ひとつは水産業全体の問題です。先ほども紹介したように、水産業はこれまで循環を意識してきませんでした。ただただ一方通行の「獲れば獲っただけ」というスタイルで安売りを続けてきてしまったことで、漁業資源の正しい活用、分配が行われず、全国的な漁業資源の枯渇という問題にも見舞われ、それを長期化させてきたように思います。
じつは、世界では、この数十年で魚の生産量は2倍に増えました。一方、日本の魚の生産量は、この数十年で半分になってしまっているんです。生産量だけではなく、消費量も減り、かといって魚の値段が上がっているわけではありませんので、業界全体が地盤沈下してしまったようなかたちです。世界では水産が盛り上がっている一方で、古来から魚を食べてきた島国・日本の水産業は衰退している。このギャップを埋めなければなりません。
2つ目の課題が、私たちおのざきの課題です。自店舗での販売に重きを置きすぎてしまい、時代のニーズにあったオンライン販売や、卸売り販売を拡大することができておりませんでした。販売する商品も、鮮魚や干物、煮魚などがほとんどで、時代の変化にマッチしていません。オンライン販売や卸売り販売を拡大するためには、鮮魚・干物だけではなく、循環型社会に対応するオリジナル商品を開発することが初手として必要だと考えております。
そして3つ目の課題が、福島の水産業が抱える課題です。原発事故により、漁業の形態、水揚げなどが大幅に制限されただけでなく、賠償金など恵まれた金銭的支援を受け取ることで、かえって自立の機会を失ってしまったように感じています。自力で立て直せるような新しいビジネスモデルを確立するということができていません。これが3つ目の課題です。
これらの課題を解決するには、持続可能な漁業、水産業のあり方を現場から示していくことだと思っています。私たちの代で資源を食い尽くすのではなく、次の世代、さらに次の世代を見据え、漁業資源を守りながら持続可能なビジネスモデルを確立しなければなりません。そんな問題意識から「アラを使った商品化」というアイデアが生まれました。
新しい船出のカギを握る「アラ」
アラを使った新商品開発として、まず予定しているのが「だし製品」の開発です。アラや骨、内臓を急速冷凍し、それを粉砕して「だし」を作ろうというものです。普段のお料理などに使っていただくだけでなく、ラーメン店をはじめとする飲食店などでも使っていただくことで消費を増やせれば、その分、循環型の水産業が根づいたことになります
もうひとつが、「アラ汁」です。いわきは漁業だけでなく農業も盛んで、特に夏になると野菜が取れ過ぎてしまったり、廃棄処分になったりしています。そうした野菜をアラを組み合わせ、アラ汁を商品化できないかと考えています。おいしさだけでなく、環境に対するメッセージを発信することにもつながるはずですし、栄養成分を意識し完全栄養食として商品化できれば、忙しいビジネスパーソンや、栄養が足りなくなりがちな高齢者にも使ってもらえるのではないか、と考えました。
そしてなにより、環境に配慮した循環型の商品は、原発事故を経験し、多くの皆さんからのご支援をいただいた福島県の水産業だからこそ取り組むべき新しいビジネモデルだと感じます。一旦は環境を深く傷つけられたからこそ、回復した豊かな海を、大切に引き継いでいきたいと思いますし、環境に配慮した循環型の商品を作ることは、福島県の水産業者の責任だとも感じています。
循環型の社会にしていくためには、アイデアや理念を、広く消費者に訴えていくチャンネルも必要です。私たち鮮魚店も、単に商品を販売するだけでなく、自社で製造し、付加価値をつけ、ストーリーとして伝えていく必要が出てくるということです。製造業・販売業ではなく、いわば「情報発信製造小売業」へと変化していくことが求められていると感じます。
一方、今回のプロジェクトで新たな設備投資が必要になってきました。購入を考えているのが新たな包装機、粉末機(60万円ほど)の購入です。また、商品に込められた理念や、商品の魅力をパッケージに落とし込む必要があり、みなさからのご支援をデザイン費や資材費(20万円)にも回したいと思っています。支援金の使い道とスケジュールは、以下のように考えています。
支援金の使いみち 合計100万円
包装機、粉末機など設備投資 60万円
包装デザイン、包装資材購入費 20万円
ブランディング、情報発信などの経費 20万円
大まかなスケジュール
2022年1月 商品開発をスタート
2022年3月 クラウドファンディング終了
2022年4月 プロタイプの完成、さらなる磨き上げ
2022年5月 商品の本格リリース
リターンについて
ご支援いただきました皆さんには、アラだしのプロトタイプや、既存の商品の詰め合わせ、商品券、定期便のようなサブスクリプションのようなサービスも組み込みました。また、弊社で使っているジャンパーやエプロンなどのグッズも取り入れてみました。実用的なものですので、ぜひ着用いただき、おのざきファミリーの一員になっていただければと思います。
課題だらけの水産業ですが、下ばかりを向いているわけにはいきません。今回のプロジェクトを皮切りに、これまで以上に、いわきの皆さん、県外の皆さんにいわきの水産品の魅力をお伝えしてまいりたいと思います。今回のプロジェクトは、都内に拠点を置く合同会社YOBOSHIさんと合同で進めています。東京と地方の人材の交流や発信などにも力を入れてまいりますので、ご支援、よろしくお願いいたします!
【合同会社YOBOSHIとは?】
私たちは、地方企業と人材の想いを繋ぎ、本質的な価値を追求する為に伴走するスローコーディネーター集団です。大量な消費社会における効率性。ファストフード、ファストファッションは私たちに幸せをもたらしたのでしょうか?地域での複業がトレンドになりつつある今、私たちはあえて立ち止まりたいと考えております。非効率の中にある効率こそが、地域における複業に求められられていると考えています。地域に効率よく 複業人材を提供する仲介業者をコーディネーターと仮定するとした場合、私たちは地域の本質的価値を追求する為に伴走するスローコーディネーターとして、安易に効率性を求めず持続可能な資産を地域に残すことを目指します。
この度はおのざきさんの循環型プロジェクトの企画、実行を担っております。どうぞ応援をよろしくお願いいたします!(合同会社YOBOSHI代表:神谷哲治 WEBサイト:https://www.yoboshi.co.jp/)
【企業・ひと・技 応援ファンドとは?】
いわき市、いわき産学官ネットワーク、いわき信用組合、いわき商工会議所などが連携し、次世代に継承していく技術やサービス、商品を持つ事業者や、新型コロナウイルスを乗り越えるための新しいビジネスモデルを構築し、市民の安全・安心に取り組む事業者をサポートするために企画されたものです。新しい時代に、残したい・伝えたい。そんな企業を、ぜひ、みんなの力で支えましょう。応援よろしくお願いいたします。(事務局・いわき商工会議所 創業・承継委員会)
■特定商取引に関する記載
・販売事業者名:株式会社おのざき
・代表者名:小野崎 幸雄
・事業者の所在地:〒970-8026 福島県いわき市平字鎌田町38番地
・事業者の電話番号:0246-23-2259
・送料:送料込み
・対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり
・ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし
・その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal )をご確認ください
■通信販売酒類小売業免許
名義/番号:株式会社おのざき 税務署名:いわき その他:平成24年11月20日免許(いわき法第9183号)
最新の活動報告
もっと見る今後の方向性
2023/07/27 19:00みなさま、ご無沙汰しております。(株)おのざきの小野崎雄一です。本日は、このプロジェクトの今後の方向性をお伝えさせてください。結論から申し上げますと、開発ペースを大幅に落とし、1年後くらいから本格的に動いていこうと思います。2022年2月にクラウドファンディングを立ち上げ、ありがたいことに138人の支援者様から約160万の資金が集まりました。それからというもの、魚のアラを粉末出汁にしようと1年以上にわたり何度も実験を重ねてきました。設備投資も実施し、乾燥させた魚のアラを粉末状にする粉末機も購入しました。しかし、カツオなどの油分が少ない赤身魚のアラは、さらさらの粉末にすることは容易にできるものの、白身魚のアラに関しては、油分を多く含んでいるので、いくら乾燥をかけても、さらさらな粉末にすることがどうしてもできません。カツオのアラの粉末だけでは美味しい出汁になりません。どうしても、白身魚のアラの粉末がもつ豊かな風味が必要です。油分を多く含む白身魚のアラの粉末化を実現させるためには、もう少し化学的な実験が必要になってくると思います。そのためには、知見をもった大学との連携や、外部のフードテクノロジストと呼ばれる専門家と協業しなければいけません。当然お金がかかってきます。現在の(株)おのざきの事業ポートフォリオを加味すると、今、魚のアラの出汁開発事業にお金や時間などを大幅に割けず、優先順位は低いです。ただ、魚のアラのもつ可能性は大きく、商品化に成功した暁には、業界にも大きなインパクトをもたらすと私は確信しています。そこで、開発ペースを大幅に落とし(魚のアラを使った出汁開発に割く時間やお金を減らす)、腰を据えてこのプロジェクトと向き合っていきます。終わるわけではありません。諦めるわけでもありません。期待していただいている中で大変申し訳ないのですが、ペースを落とさせてください。 最後に、アラの開発を本格的に再開したタイミングで、こちらの活動報告内で改めて皆様にご報告差し上げます。引き続き、おのざきをよろしくお願いいたします。 もっと見る
【進捗共有⑤】ついに!アラ出汁の完成!
2022/09/21 13:27みなさんこんにちは!アラ出汁プロジェクトも2022年1月に開始してはや8ヶ月が経過しました。次から次へと障壁があらわれては乗り越えていく、それの繰り返しでした。そして9月、ついアラ出汁が完成しました! まずはクラウドファンディングでご支援いただいた方々へ返礼品として発送し、フィードバックを集め、必要があれば更に改善させていこうと思います。今回の活動報告では、アラ出汁完成の直前までたちはだかった【乾燥】【調味】の2つの課題を乗り越えた軌跡をお伝えします。課題①「乾燥」我々おのざきのお店から排出される大量の魚のアラの乾燥を依頼するべく、日本中の乾燥メーカーをあたりましたが、衛生上の理由で全社に断られました。どうやら魚自体の加工を各社嫌がる雰囲気があります。それでも諦めずに、乾燥メーカーさんに他の乾燥会社さんを紹介いただけないか打診するなどして探し続けましたが、全滅でした。どの乾燥会社さんも、アラを自社の乾燥機にいれることで乾燥機が汚れることを嫌がるのです。私たちに残された選択肢は、「自社乾燥」しかありませんでした。新しく乾燥機を購入するために、様々なメーカーさんとやり取りしましたが、初期投資が大きくリスクがあります。どうしたものかと頭を抱えていた時に、お世話になっている冷凍機器の社長さんから「スチームコンベクションを活用したらどうか」との助言をいただきました。スチームコンベクションならば、おのざきで複数台持っています。試しにスチームコンベクションで乾燥をかけてみると...数十分で焼き上がりました。乾燥直後はまだ表面に水分があるように見えます。乾燥後、数分経つと表面の水分が抜けてこんな感じに。いい感じにカリッと水分が抜けている!!!しかし、どうも油が気になります。写真の通り、鉄板を傾けると魚の油が流れ出ています。特に白身の魚から滲み出る油分が多く、このまま強引に粉末化をしても、さらさらした粉末にならなそうです。またしても、魚の油が私たちの前にたちはばかります。困っていると、お世話になっている冷凍機器の社長さんが再び登場!「まずは低温でスチームコンベクションにかけ、その後高温で一気に水分を抜くと脂がより落ちると思うよ」なるほど。さらには、他の乾燥会社さんからも、「魚の骨の中に油が詰まっているので、5~10cm四方に細かくカットすればより油が外に逃げやすくなる」との助言もいただきました。早速やってみると....しっかり水分が抜けている!!!!明らかに違います。乾燥前の生のアラの重さと、乾燥後のアラの重さを比較すると、乾燥前の重さよりも約40%ほどにまで軽くなっていました。この状態でしっかり粉末化できるのかチェックするために、業務委託契約をしている岩手県の加工会社シャインさんに早速送りました。数日後、シャインさんからの連絡があり「粉末化は問題ない」との返答。うぉー--!なんと、あれほど障壁だった乾燥工程を、自社でコストをかけずに既存の設備で内製化することに成功したのです。灯台下暗しというか、既存の資源を有効活用するために創意工夫をこらすことは大切ですね...。課題②【調味】乾燥の課題を乗り越えた私たちに待ち受けていた次なる課題は、「調味」です。魚のアラから抽出した出汁は、上品な割烹料理のような香りが溢れ出るものの、口に含んだ時の旨味がやや弱いのです。旨味を出すために、どうするか悩んでいた時に、いつもお世話になっている栃木県の調味メーカーさんの社長に、「酵母パウダー」を使用したらどうかと助言いただきました。酵母エキスは、添加物ではなく食材扱いでして、たんぱく自己消化物、デキストリン、酵母エキス、昆布エキスなどから作られる魚介エキス調味料です。捨てられてしまう魚のアラを活用し、添加物は使わないで循環型の商品を作りたい、という我々の思想に外れない形での旨味の添加です。我々おのざきにぴったり!ということで、酵母パウダーを使用することにしました。さらには、岩手のシャインさんが普段製造している昆布パウダーをブレンドすることで、「グルタミン酸」を、おのざきで普段販売しているどんこ椎茸をパウダーにしてブレンドすることで「グアニル酸」を加え、旨味をパワーアップさせることにしました。早速調合してベストな配合を実験。趣味でスパイスからカレー作りを6年くらいやっているので、粉ものの調合はなんだか自分の性に合いますwこんな感じで様々な配合でブレンドしては、何度も何度も出汁を抽出してはテイスティングしての繰り返しで、胃がきつかったです...。そしてついに!!!ベストな配合にたどり着きました。数十種類の配合でテイスティングしましたが、一口飲んだ瞬間に、「これだ」と確信しました。たくさんの社長さんの知見をお借りして、乾燥と調味の課題を乗り越え、この度、ついにプロトタイプを完成させることに成功しました。こちらを、クラウドファンディングでご支援いただいた方々に返礼品として郵送し、反応や感想を集めてみます。そこで、更に改善する余地があれば、パートナーである岩手のシャインさんと協力してブラッシュアップをしていきます。次なる課題は、「量産化」ですかね。みなさま、お楽しみに! もっと見る
【進捗共有④】障壁だらけの3ヶ月間の軌跡
2022/07/31 11:00こんにちは!前回の活動報告からおよそ3ヶ月経ってしまいました。今回の活動報告では、この3ヶ月の間に起こったことをレポートしていきたいと思います!【5月】魚のアラの粉末化に成功魚のアラから出る油に邪魔され、アラの乾燥にかなり苦戦するもなんとか粉末化に成功!シャイン桑野社長から第一弾のプロトタイプが届き、まずはヒスタミン検査へ。一週間で検査は終わり、品質に問題がないことが分かりました。緊張の中、いよいよ試食へ。香りは凄くよいのですが、若干の魚由来の臭みが感じられました。そこから我々の次の課題は「いかにアラの臭みを消すか」へと変わりました。【6月】魚のアラを塩素水で洗浄アラの粉末化には成功したものの、新たな課題として魚の臭みが浮上。悩んでいる中でおのざきのベテラン従業員Wさんから貴重な証言が!「アラを塩素水で洗うと臭みが取れっかもよ。おいら達は昔、煮魚にする魚を塩素水で洗ってたんだ。塩素水で洗った煮魚は臭みがなくてうめぇんだよ。」こちらが塩素水を生成する機械。なんとおのざきの鮮場やっちゃば平店にあったのです!早速電源を入れ、塩素水を生成し、シャバシャバとアラを洗浄してみました。※塩素水は食品にも問題なく使用できます。また、私たちは魚のアラの臭みの原因は、魚種にも関係があるのではないかという仮説のもと、赤身と白身で魚のアラをわけて乾燥し、どの魚種が臭みの原因になりうるのかを特定することにもしました。【7月】塩素水で洗浄し、赤身と白身で分けたアラを乾燥ベテラン従業員Wさんからポロッと出た貴重な証言を信じてアラを塩素水で洗った我々は、早速それを乾燥メーカーへ発送して乾燥を依頼。こんな感じで、塩素水で洗浄した赤身(写真の下段)と白身(写真の上段)を分けて乾燥させました。乾燥メーカーさん曰く、魚の油が多く乾燥に十数時間もかかってしまったとのこと。乾燥に時間をかければその分の電気代や灯油代などのコストもかさみます。やはり最後まで魚の油に悩まされる私たちです、、。刺身とかにおいては魚の油は大歓迎なのに、いざ乾燥加工しようとすると一転して邪魔者になるのです。そして7月中旬、ついに乾燥された魚のアラたちが届きました。高温で乾燥かけたアラは少し焦げて黒くなっているのが分かります。さて、次はこの乾燥させたアラ達を粉末化させます。シャイン桑野社長に乾燥させたアラを粉末状にしていただきました。まるでスパイスのよう!赤身より白身の方が油分は多く、若干白身の粉末はさらさらというよりかはネトネトしている印象です。いよいよ運命の試食。だしパックに手作業で粉末を詰め、水から丁寧に出汁の抽出を試みました。時間が経つとともにじっくりと柔らかな魚介の香りが立ち上ってきました。まるで割烹料理屋さんの厨房の香りです。赤身と白身でそれぞれ出汁を抽出し、いよいよ味見。スプーンの先に集中し、ゆっくりと舌ですすって風味を確認しました。率直な感想は「臭みが一切ない!!!」です。間違いなく塩素水が効いているのです!!!赤身はカツオ節のような王道の風味、白身は上品で深みのある魚介の風味。ブレンドすれば間違いなくおいしいはずです。ついに商品化に成功か!と思いきや、なにか引っかかるのです。出汁としての風味が弱いのです。粉末の粒度を更に細かくし、粉末量を多くすればよいのでしょうが、それでも何か物足りないのです。そこで、今回試作したアラ粉末と一緒に昆布と椎茸を鍋にいれて出汁を抽出してみました。めちゃくちゃ美味しいです。。魚のアラだけでももちろんいい香りは出せるのですが、出汁として幅広いお客様に手に取っていいただくには、「旨味」がもっと必要です。そこで次の課題は、いかに旨味を出すか、に切り替わりました。次から次へと課題がうまれる私たちの挑戦。決してあきらめません。この業界にイノベーションをおこし、多くのお客様に喜んでいただくべく、私たちの挑戦はまだまだ続きます。 もっと見る
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