こんにちは!
前回の活動報告からおよそ3ヶ月経ってしまいました。今回の活動報告では、この3ヶ月の間に起こったことをレポートしていきたいと思います!
【5月】魚のアラの粉末化に成功
魚のアラから出る油に邪魔され、アラの乾燥にかなり苦戦するもなんとか粉末化に成功!シャイン桑野社長から第一弾のプロトタイプが届き、まずはヒスタミン検査へ。一週間で検査は終わり、品質に問題がないことが分かりました。緊張の中、いよいよ試食へ。香りは凄くよいのですが、若干の魚由来の臭みが感じられました。そこから我々の次の課題は「いかにアラの臭みを消すか」へと変わりました。
【6月】魚のアラを塩素水で洗浄
アラの粉末化には成功したものの、新たな課題として魚の臭みが浮上。悩んでいる中でおのざきのベテラン従業員Wさんから貴重な証言が!「アラを塩素水で洗うと臭みが取れっかもよ。おいら達は昔、煮魚にする魚を塩素水で洗ってたんだ。塩素水で洗った煮魚は臭みがなくてうめぇんだよ。」
こちらが塩素水を生成する機械。なんとおのざきの鮮場やっちゃば平店にあったのです!早速電源を入れ、塩素水を生成し、シャバシャバとアラを洗浄してみました。
※塩素水は食品にも問題なく使用できます。
また、私たちは魚のアラの臭みの原因は、魚種にも関係があるのではないかという仮説のもと、赤身と白身で魚のアラをわけて乾燥し、どの魚種が臭みの原因になりうるのかを特定することにもしました。
【7月】塩素水で洗浄し、赤身と白身で分けたアラを乾燥
ベテラン従業員Wさんからポロッと出た貴重な証言を信じてアラを塩素水で洗った我々は、早速それを乾燥メーカーへ発送して乾燥を依頼。
こんな感じで、塩素水で洗浄した赤身(写真の下段)と白身(写真の上段)を分けて乾燥させました。乾燥メーカーさん曰く、魚の油が多く乾燥に十数時間もかかってしまったとのこと。乾燥に時間をかければその分の電気代や灯油代などのコストもかさみます。やはり最後まで魚の油に悩まされる私たちです、、。刺身とかにおいては魚の油は大歓迎なのに、いざ乾燥加工しようとすると一転して邪魔者になるのです。
そして7月中旬、ついに乾燥された魚のアラたちが届きました。高温で乾燥かけたアラは少し焦げて黒くなっているのが分かります。さて、次はこの乾燥させたアラ達を粉末化させます。
シャイン桑野社長に乾燥させたアラを粉末状にしていただきました。まるでスパイスのよう!
赤身より白身の方が油分は多く、若干白身の粉末はさらさらというよりかはネトネトしている印象です。
いよいよ運命の試食。だしパックに手作業で粉末を詰め、水から丁寧に出汁の抽出を試みました。時間が経つとともにじっくりと柔らかな魚介の香りが立ち上ってきました。まるで割烹料理屋さんの厨房の香りです。赤身と白身でそれぞれ出汁を抽出し、いよいよ味見。スプーンの先に集中し、ゆっくりと舌ですすって風味を確認しました。率直な感想は「臭みが一切ない!!!」です。間違いなく塩素水が効いているのです!!!赤身はカツオ節のような王道の風味、白身は上品で深みのある魚介の風味。ブレンドすれば間違いなくおいしいはずです。
ついに商品化に成功か!と思いきや、なにか引っかかるのです。出汁としての風味が弱いのです。粉末の粒度を更に細かくし、粉末量を多くすればよいのでしょうが、それでも何か物足りないのです。そこで、今回試作したアラ粉末と一緒に昆布と椎茸を鍋にいれて出汁を抽出してみました。
めちゃくちゃ美味しいです。。魚のアラだけでももちろんいい香りは出せるのですが、出汁として幅広いお客様に手に取っていいただくには、「旨味」がもっと必要です。そこで次の課題は、いかに旨味を出すか、に切り替わりました。次から次へと課題がうまれる私たちの挑戦。決してあきらめません。この業界にイノベーションをおこし、多くのお客様に喜んでいただくべく、私たちの挑戦はまだまだ続きます。