『漢字の話 キラキラネームの秘密』を出版したい

キラキラネームとは、一言で言えば、日本人には読めない名前の事です。でも、日本人には読めない名前が、何故、これほど広がっているのでしょう?おかしいとは思いませんか?本書では、漢字の歴史を振り返りながら、その秘密について解説しています。

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このプロジェクトは、2022/01/22に募集を開始し、 2022/02/18に募集を終了しました

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皆さん、今晩は。「Kitty」の意味は、御存知ですよね。体重はリンゴ3個分、身長はリンゴ5個分のあの人気者のことです。今回は、昨夜に続いて、第3位の「姫星」についてです。○「姫星(きてぃ)」3位の「姫星(きてぃ)」も奇妙です。一見、サンリオのキャラクターの様ですが、「Kitty」は子猫、社名のサンリオは、同社のホームページによれば、「スペイン語のSan Rioに由来しています。Sanは地名にサンフランシスコSan FranciscoやサンディエゴSan Diegoとあるように、英語のセントsaint(St.)、日本語の「聖らか」という意味であり、Rioは河沿いの街の地名にリオデジャネイロRio de JaneiroやリオグランデRio Grandeとあるように英語のリバーRiver、日本語の「河」という意味です。ですからSanrioとはSaint River「聖なる河」を表す言葉なのです。」と紹介されており、社名も(きてぃ)も「姫星」とは無関係なのです。誰が何の目的で、「姫星(きてぃ)」という名を作ったのでしょう。更に、この1位から30位の名には、奇妙な共通点があります。日本語が含まれておらず、漢字と読み仮名との辻褄が合っておらず、外国語とアニメーションのキャラクターの名が多い事。また、1位の「泡姫(ありえる)」や18位の「愛保(らぶほ)」が示すように、名付けの場に卑猥な言葉を持ち込んでいる。大衆から募ったアンケート結果であるにも関わらず、似た性質の名が並んでいるのです。しかも、より重要な事には、これらは、その異常な内容から話題になりましたが、ここに挙げられた物は極端な例に過ぎず、これらの名を見て笑っている人も、実は「キラキラネーム」を付けられているかもしれません。この名の流行には、そんな底意地の悪さがあるのです。それでは、今夜はこの辺で失礼します。本日が皆様にとって、好い一日でありますように。


皆さん、今晩は。ところで、皆さん、ディズニーのあの熊は何色だと思いますか?「黄色」に見えますか?○「黄熊(ぷぅ)」の秘密2位の「黄熊(きぐま)」という熟語は、日本にも中国にもあります。しかし、ディズニーの、あの熊の事を「黄熊」という日本人には会ったことがありません。だいたい、私達には、あの熊の色は「黄色」には見えません。せいぜい「橙色」か「黄土色」です。しかし、中国人はあの熊を「黄熊」と言います。例えば、この様な言い方をします。迪士尼小黄熊叫什么?(ディズニーの小さな黄熊はなんて名前?)迪士尼维尼小熊(ディズニーの小熊のウィニーだよ)迪士尼(díshìní)はディズニー、维尼(wéiní)は原作の『Winnie-the-Pooh』の「Winnie」の音訳です。中国では、「プーさん」よりも、「 ウィニー」が使われています。実は中国のインターネット上では、「熊のプーさん」は政治的な意味を持っています。始まりは、2013年6月7日から、米カリフォルニア州で開かれた、オバマ習近平会談での事。8日、両首脳は並んで庭園を散策し、習氏は太ってにこやかで、オバマ氏は長身で痩せており、とても良い雰囲気の中で交流が行われた、と報じられました。中国で最初のプーさん騒動が起きるのは、この会談の直後の事です。6月14日の「sina全球新聞」は、次のように伝えています。「(総合外電報道)中国国家主席習近平は、先週土曜(8日)、カリフォルニア州の別荘で、オバマ大統領と会談した。二人が肩を並べて歩き、くつろいで別荘を散歩する姿は、ネットユーザーに、アニメの小熊のウィニーと友人のティガーの同行する場面を連想させた。二つの画像を対比させ、人々は意味を悟って笑った。ユーザーはひとめ見るなり「体つきも、顔つきもそっくりだ。」、と驚いた…。英国のBBC中文網の報道によれば、北京Sinovation Ventures取締役社長 李開復は、一昨日ミニブログ上で、「新浪は、昨日、多くの小熊のウィニーとティガーが削除された、と報じた。ポジティブエネルギー(原文「正能量」)を持つ漫画だ、何がいけないんだ、悪だくみでもしたのか?」、と…。」(「sina全球新聞」『オバマ習近平の別荘での散策 新たな工夫のkusoコラは結局削除された(欧习庄园漫步 创意kuso图竟被封杀)』2013年06月14日 06:45)オバマ大統領をティガーに見立てても、米国から苦情は出ませんが、中共首脳部は、国家主席を侮辱する画像として、習近平主席を熊のプーさんに見立てる事を禁止しました。大陸では非常に熱心に削除されたようで、最も盛んな時には、画像を貼り付けてから一分後には削除された、と台湾のメディアが報じています。ただ、これで習主席と「プーさん」の関係が切れたわけではありません。2015年9月3日、北京天安門で「中国人民抗日戦争及び世界反ファシスト勝利70周年記念大会」と題する式典が開かれました。日本は負けた覚えはありませんが、兎も角も、国家を挙げての式典の様子は、ユーザーに投稿を促し、早速、習主席が検閲車に乗った写真と、同車に乗ったウィニーの写真とを並べた画像がアップされました。これはミニブログ上で瞬く間に広がりました。15年に、中国で最も削除された書き込みは、熊のプーさんの人形が、車に乗っている物でした。何故、「熊のプー」さんが、国家主席を侮辱する画像になるのかと言えば、それは恐らく、以下の様な理由であろうと思います。「中国新聞社網11月21日電、海外メディアの20日の報道によれば、´熊のウィニー´(Winnie-the-Pooh)は、深く子供達に愛される漫画のイメージがあり、多くのおもちゃ・書籍・ゲームが、この赤い服を着た小熊を主題としている。しかし、あらゆる人が皆´熊のウィニー´ を愛しているわけではないようだ。ポーランド中部の小さな町トゥシン(Tuszyn)の地方当局は、´ウィニー´が子供の遊び場で使用されることを禁止する決定を下した。原因は、その服が´不適切´で、しかも性別に疑問があるからだ。報道は、次のように述べている。もしデザインだけを見るならば、´熊のウィニー´は一枚の赤い上着しか着ておらず、下には何もつけていないように見える。しかも、´ウィニー´という名前は英語圏では一般に女児の名前として使われるが、´熊のウィニー´の動画は男性の声優を使っており、ポーランド当局がこの様な決定を下すのも無理もない事だ、と。トゥシン地方当局の報道官の説明では、問題は´ウィニー´の衣装ダンスの中身が不足しており、彼は´半裸´状態でいるので、子供にとって完全に相応しくないんだ、と。報道官は更に一歩進んで、ポーランドでは、熊の玩具は一般的に全て頭から足まで完全に服を着ているんだ、と述べた…。」(「中国新聞」『ポーランドの小さな町で゛熊のウィニー゛を禁止:服が整わず 性別不明で(波兰小镇封杀゛维尼熊゛:衣着不整 性别不明』2014年11月21日10:26)これはポーランドでの話ですが、中国では「黄色」は、最も尊い皇帝の用いる禁色である一方、嫌らしい・堕落した物を表す色でもあります。例えば、中国語の「黄話」は「猥談」、「掃黄」は「ポルノ一掃」、「黄色小説」は「ピンク小説」と訳されています。つまり、国家主席に対して、ズボンをはいていない「黄熊」となると、非常に無礼な事になるのです。さて、13年に2位になった「黄熊(ぷう)」は、14年には1位に輝きますが、中国で「熊のウィニー」が盛んに削除される15年には、30位から外れています。不思議な事に、この名は、中国情勢に呼応しているように見えるのです。そもそも「黄熊(ぷう)」と言うのは、日本人の感性ではありません。この「ランキング」に携わっている人物は、少なくとも中国で「黄熊」が「プーさん」の事を指し、しかも、習近平氏を揶揄する意味を含んでいる事を踏まえて、この名を作った可能性が高いのです。それでは、今夜はこの辺で失礼します。本日が皆様にとって、好い一日でありますように。


皆さん、今晩は。今夜は、拙著の題名にもなっている、キラキラネームについてお話ししたいと思います。次に挙げるのは、2011年2月28日に、実際に、マタニティ関連の大手出版社から発行された、子供に付ける『名付け本』に掲載されている名前ですが、読むことは出来るでしょうか。・希亜・希杏・希空・希歩・希明・乃蒼・和杏・希海・心愛・叶愛・希彩・望亜・望歩・希愛・希綾・和愛・音愛・望彩・望愛・望蒼・野愛これらは同書によれば全て「のあ」と読むそうですが、「のあ」が何かも分かりません。常用漢字の音訓から逸脱しているので、第三者には読むことができません。子供の人生に対する配慮の欠けた、非常識な名前であると思います。幾ら大手企業から出版された物でも、人様の子供に、デタラメな名を付けるよう紹介する事が、許されてよいはずはありません。そもそも、「名付け」「命名」と言う物は、子供が授からなければ、特に注意を払うと言う事もありません。それに、奇妙な名前は昔から幾らもあったので、これまで特に注意を払うという事もありませんでした。しかし、読めない名前に「キラキラネーム」と言う呼び名が付けられ、また、実際に、その様な名を持つ子供達が、新聞やテレビで取り上げられる機会も増えてきました。そこで、試しに調べてみると、大手出版社の「名付け」に関する辞書から、育児書を出版している会社の冊子に至るまで、世の中に通行する多くの「名付け」に関する書物に、大量の悪例が掲載されていました。奇妙な名を持つ子供達が、媒体で盛んに取り上げられるようになるのは、2012年から13年にかけての事です。インターネット上で、株式会社リクスタ(リクルーティングスタジオ株式会社)が運営する「赤ちゃん名付け実績No.1、無料 赤ちゃん名づけ」というサイトが、「2013年 ベスト・オブ・キラキラネーム」を発表すると、その異常な内容から、インターネットのみならず、地上波でも取り上げられ、一気に注目を集めるようになりました。例えば、「日刊ゲンダイDIGITAL」には、「1位「泡姫」、2位「黄熊」、3位「姫星」。スマートフォン向けアプリ「赤ちゃん名づけ」を手がけるリクルーティングスタジオが、「2013年 ベスト・オブ・キラキラネーム」を発表した。利用者の投票で反響が多かったものだ。1位は、泡姫と書いて「ありえる」と読ませる。黄熊「ぷぅ」、姫星「きてぃ」なのだ。なるほど!と思わず膝を叩いてしまったが、これらは曲がりなりにも人の名前。連想ゲームでもペットの名でもない。泡姫と名付けられた女の子は、中学ぐらいできっと「ソープ嬢」というニックネームで呼ばれることになるに違いない…。」(「日刊ゲンダイDIGITAL」 『「泡姫」「今鹿」…親しか読めない「2013年 キラキラネーム」』 2013年12月25日)「2013年 ベスト・オブ・キラキラネーム」の1位から30位までの順位は次の通りです。1位、泡姫 ありえる2位、黄熊 ぷぅ3位、姫星 きてぃ4位、宝物 おうじ5位、希星 きらら6位、心愛 ここあ7位、美望 にゃも8位、今鹿 なうしか9位、姫奈 ぴいな10位、皇帝 しいざあ11位、男、あだむ12位、本気、まじ13位、昊空、そら14位、七音、どれみ15位、姫凛、ぷりん16位、琉絆空、るきあ17位、希空、のあ18位、愛保、らぶほ19位、奇跡、だいや20位、匠音、しょーん21位、祈愛、のあ22位、大大、だいだい23位、天響、てぃな24位、夢露、めろ25位、火星、まあず26位、夢希、ないき27位、頼音、らいおん28位、緑夢、ぐりむ29位、杏奴、あんぬ30位、雅龍、があるこの順位は、作為的で偶然の投票によって選ばれた名前などではなように思います。更に言えば、29位の「杏奴」を除いて、その他は、好い名を授けようという目的とは真逆の意図が感じられます。○「泡姫(ありえる)」の秘密さて、キラキラネームとは何かを考えるために、ここに挙げられた幾つかの名前について考えてみたいと思います。先ずは1位の「泡姫(ありえる)」について。この名(?)は、「キラキラネーム」によくある、本来の漢字の音訓を無視した、全くのデタラメの読み方を付けた物です。「泡」に関係があり、30位までの多くの名が動画に関係があるので、これはディズニー映画「The Little Mermaid」の主人公「アリエル(Ariel)」の事と考えがちですが、全く違います。そもそも、原作の『アンデルセン童話・人魚姫』の主人公には名前がありません。この物語の主人公に「アリエル(Ariel)」という名前を付けるのは、ディズニー映画「The Little Mermaid」だけです。しかし、ディズニーの動画は、米国の理想を表現する目的をもって製作されるので、原作の人魚姫が異種・身分を越えられず、声を失い、恋に破れて泡となって消えるのとは違い、主人公の人魚姫「アリエル」は、魔女に勝ち、声を取り戻し、王子様とめでたく結ばれ子供まで授かります。つまり、ディズニーの「アリエル」は、「泡」とは無関係なのです。では、「泡姫」とは何でしょう。これは、ソープランドでサービスに従事する女性を意味する隠語です。ソープランドとは、浴室で風俗嬢が男性客に対して性的なサービスを行う風俗店の事なので、「泡姫(ありえる)」とは、せいぜい「ありえる」という名の風俗嬢という意味にしかなりません。この名は、2012年にアクセス数の多かった名前のランキング、「2012年 赤ちゃん名づけ年間トレンド」の中には全く登場せず、13年にいきなり1位に輝いている。また、奇妙なことに、13年には、動画の登場人物から取ったような名前が増えています。しかし、冷静に考えて、自分の娘に風俗嬢のような名前を付けたい親がいるとは思えません。そもそも、水面に浮かぶ気泡の意味である「泡」は、はかない物の代表で、好い字ではありません。誰が作ったのかは知りませんが、この名付けの根底には、「悪意」が含まれていると言はざるを得ません。  今夜はこのへんで。本日が皆様にとって、好い一日でありますように。


皆さん、今晩は。今夜は前回に続き、「六書」の「会意文字」についてのお話です。楽しんで読んでいただければと思います。(三)会意文字会意とは、「意を会する」という意味です。象形や指事の既成の文字を二つ以上組み合わせて、各文字の持つ意を合わせて、新たな意味を表した文字の事です。例えば、「二」は、指事文字の「一」を二つ並べて「二」を表しました。一説に、上の「一」は天、下の「一」は地を表していると言います。万物の根本をなす天地の気が始めて別れたとき、軽く清い物は天となり、重く濁った物は地となりました。そこで、「一」は天の数、「二」は地の数とも言います。「三」も会意文字です。「一」と「二」を合わせた文字で、『説文解字』には、「三」とは数の名、天地人の道、と説明されています。では「四」とは何でしょう。「四」は、会意文字でもあり指事文字でもあります。実は、大篆(=籀文、ちゅうぶん)では、この文字は、横棒四つで表現されており、「二」を二つ重ねた会意文字でした。しかし、小篆で書かれている『説文解字』では、四方の形に象る「口」と、これを分かつ意を表す「ハ」とからなり、四方や四隅をそれぞれ四つの部分に分けた形を表す指事文字、と説明されています。※『説文解字』に掲載されている、小篆・古文・籀文の「四」。小篆古文籀文この他にも、「鳥」と「口」を合わせて「鳴」く。子の辞の本義は、鳥のなき声です。或いは、「分」は、わかつという意味の「ハ」と「刀」で、刀で物を分別する意を表す等々が、この文字に分類されます。古代中国人の考え方や生活を、よく表現している造字の方法です。※『説文解字』に掲載されている、小篆の「鳴」「分」の原文です。鳴鳥聲也 「鳴(めい)は鳥の声なり」分別也  「分(ぶん)は別つなり」(四)形声文字形声は、『周礼注』では諧声(かいせい)、『漢書芸文志』では象声と書かれています。諧は合わせるという意味で、意府に音符を合わせると言う意味です。二つを合わせて一文字とし、半分は形義(意味)を表し、半分は音声(音符)を表すので「形声」と言います。会意文字と同様に二つの部分から成りますが、音符のあるのが形声文字です。唐の学者 賈公彦(かこうげん)は、『周礼疏 地官 保氏』に出てくる「六書」についての説明で、形声文字を次の六つに分類し、例を挙げています。()の中が声の音です。①左形右声、江(こう)・河(か)の類②右形左声、鳩(きゅう)・鴿(こう)の類③上形下声、草(そう)・藻(そう)の類④下形上声、婆(は)・娑(さ)の類⑤外形内声、圃(ほ)・國(こく)の類⑥内形外声、問(もん)・衡(こう)の類※合には(こう)の音、或には(こく)の音があり、波には(は)・婆には(は・ば)の音があります。要するに、氵さんずい、草冠・木偏・虫偏等々の意味を表す部分と、音符によって造られた文字の事で、造りやすい方法であったらしく、漢字中これに類する文字が最も多く含まれています。(五)仮借文字仮借と転注は造字ではなく、使用方法の説明です。「仮借文字(かしゃもじ)」は、仮も借も「かりる」の意です。漢字の文字数が少なかった時代に、言葉があって文字が無かった場合に、音の同じ文字を借用する方法、或いは、他の字の音義っを借りる方法です。例えば、「北」、この文字は、『説文通訓定声』によれば、左を向いた人と右を向いた人が背中合わせに立っている指事文字で、もともとは「背く」の意味でした。二人が同じ方向を向いて前後に従う「从(從う)」に対して、背くのが「北」でした。人は座っても立っても、闇に背いて明るい方を向きます。そこで、南の反対側を借用して「北」と言うようになりました。「北」の「背く」という本義が消失すると、「北」に「月(にくづき)」を加えて「背」の文字が造られました。※小篆の「从(從う)」「北」「背」从(從う)北背或いは、「其(き)」は「箕」(音き、訓み、穀物を乾かす道具)の原字で「箕(み)」の形に象った象形文字でした。しかし、「其」は、人、または物事の指示代名詞「その」「それ」として借用されるようになったので、「み」は竹で造るので、「其」に「竹冠」がついて「箕」の字ができた等々が仮借文字です。しかし、「仮借」と「転注」は混同されていて、上記の「北」の説明は、実は「転注」の説明である、という説もあります。※次に挙げるのは、全て「其(箕)」です。この文字は「竹」と「其」の象形と、「箕」を乗せる台とからなります。「其」の象形「箕」を乗せる台(音き)もともと「其」は「箕」の象形なので、時代の古い籀文の「箕」には「竹冠」はありませんが、小篆には付いています。古い籀文の「其」小篆の「箕」※以下は全て「其(=箕)」の古文で、二つ目は箕を手で動かしている象形。三つ目は口の大きい箕の象形です。  この他、「仮借」とは「当て字」でもあります。例えば『三国志』に掲載されている倭国のヒメコを「卑弥呼」、仏典の中の「南無阿弥陀仏」「菩薩」、国名の「埃及(エジプト)」「希臘(ギリシャ)」、都市名の「倫敦(ロンドン)」等々、中国では、現在でもこの方法を行っており、既に紹介した米大統領の名前以外にも、「陀思妥耶夫斯基(ドストエフスキー)」「海涅(ハイネ)」等々、枚挙にいとまありません。長くなりました。今夜はこの辺で失礼します。本日が皆様にとって、好い一日でありますように。


皆さん、今晩は。皆さんは「六書(りくしょ)」というのを御存知でしょうか。今から二千年前に、漢字の造字の方法について考えた人々がいました。今夜は、そのお話です。〇六書漢字の音は、丁寧に積み重ねられた研究によって定められている、という事は既に述べました。漢字は、よく表意文字であると言われますが、読み書き以外に、会話の時にも思索の時にも使われます。言語の本質は、音と意味の結びつきにあるので、当然、漢字もまた音と意味が深く結びついています。私は、漢字は表意文字であるとともに、表音文字でもあると考えています。そこで、表音文字であることを、造字の方法から説明したいと思います。漢字の成り立ちについては、昔から六種類に分けた造字の方法があり、これを六書(りくしょ)と言っています。六書が初めて漢籍に登場するのは、周公旦(しゅうこうたん、殷を滅ぼした武王の弟)が周代官制を記したと言われている『周礼(しゅらい)』の「地官篇・保氏」の条ですが、そこには「六書」の名が挙げられているだけで説明はありません。細かな説明がなされるのは、後漢(25年~220年)に入ってからです。班固(はんこ、32年~92年)の『漢書芸文志(かんじょげいもんし)』には、「象形・象事・象意・象声・転注・仮借」とあり、『周礼註』に引用された鄭衆(ていしゅう、後漢の学者)の説には「象形・会意・転注・処事・仮借・諧声」とあり、許慎(きょしん、30年~124年)の『説文解字(せつもんかいじ)』の『叙』には「指事・象形・形声・会意・転注・仮借」と書かれています。『漢書』に注釈をした顔師古(がんしこ、581年~645年)によれば、「象形・象事・象意・象声・転注・仮借」 とは、即ち「象形・指事・会意 ・ 形声・転注・仮借」の事である、と述べています。文字の分類なので、名称は違っても、これらは同じものなのでしょう。『説文解字』によれば、「指事・象形・形声・会意」は造字の方法であり、「転注・仮借」は、転用や借用の使用方法です。『説文解字』とは、「小篆(しょうてん)」に基づいて、漢字の字義と字形を説明した字書で、形の上から五百四十部に分け、9353文字の字形・意義・音声を解説した、最初のまとまった字典です。ここでは、『説文解字』に書かれている「六書」について、説明したいと思います。(一)象形文字象形とは、自然物の「形に象って(かたどって)」、絵をかくように書いた文字の事です。現在使われている楷書(かいしょ)からでは何の事なのか想像できませんが、篆書(てんしょ)にまで遡ると、何故、象形文字と言われているのかが分かります。ここで、甲骨文字以降の文字について、少し触れておきます。始皇帝の二十六年(前221年)、戦国の七雄(韓・魏・趙・燕・斉・楚・秦)の中で、陝西省(せんせいしょう)の僻地にあった後進の秦が、天下を手中に収め、同年、文字を統一しました。秦国が強大になる事ができたのは、孝公(在位、前361年~前338年)の時代に、商鞅(しょうおう、?~前338年)を登用して、徹底した富国強兵政策を採用した事にあります。商鞅は、道端に灰を捨てただけでも死刑とし、それにともなう連座制をしき、農業を本務として、食料の備蓄と兵力の確保に務めました。秦では、古くから周の太史籀(たいしちゅう)の作った籀文(ちゅうぶん=大篆、籀の作った書体)が使われていましたが、これをもとに、丞相の李斯(りし)が簡略化した文字を作り、全国にひろめました。そのため、それまで使われていた文字を大篆(だいてん)と言うのに対して、李斯が作った文字を小篆と言います。ここで紹介する『説文解字』に掲載されている文字は小篆で、篆書は現在でも「篆刻」と言って、印章に使われています。「篆(てん)」とは『説文』に「引き書きするなり」と書かれていて、毛筆を上から下に引くようにして書く書体の事です。『漢字小百科事典』によれば、篆書を書くのに用いた筆は、洋画に使う絵筆のようなひら筆で、それゆえ一つの筆画に太い細いの変化が無い、と紹介されています。さて、文字は統一されましたが、その後、政務繁多となると、金文の流れをくむ小篆は、曲線が多く実用には不向きとなりました。伝説によれば、その頃、罪を犯して獄中にいた程邈(ていばく)という人物が、隷書(れいしょ)三千字を作って始皇帝に献上し、許されて御史の官に任命された、と。隷卒(れいそつ、下級役人)が書きやすいように、篆書の筆画を省略し。実用に適するよう造られた文字なので隷書と言います。隷書の省略体として使われていた行書を整理した物が楷書(かいしょ)で、隋唐時代に完成しました。中国では、何に刻まれるかによって、文字を分類します。甲骨に刻まれているので甲骨文字、殷・周時代の青銅器に鋳込まれた文字を金文、石刻に残された文字と青銅器の文字を合わせて金石文と言います。甲骨文字を含めて隷書以前の書体を総称して、篆書というのだという説もあります。さて、話を象形文字に戻すと、「日」「月」「木」「馬」等がこれにあたります。※以下は小篆の「日」「月」「木」「馬」です。「月」は欠けた象形、「木」の下の「⋂」の部分は根を表しています。,※以下は小篆よりも古い時代の「日」の古文と「馬」の籀文です。「日」の中の横棒は「烏」を表しています。中国には太陽の中に三本足の烏が住んでいると言う伝説があります。また、「馬」は、馬の頭とたてがみ、尾と四足に象っています。『説文解字』に収められている文字は9,353字、現代の『大漢和辞典』はおよそ五万字で、時代の流れと共に文字数は四万字以上も増えていますが、実は、象形文字は殆ど増えていません。象形文字は、最も基本的な、古い時代につくられた文字なのです。(二)指事文字象事・処事とも言います。数量や方向のような、象形文字では表現のできない、抽象的概念を示すために作られた、符号的な文字です。例えば、「一」は指事文字で、数の始めの意。この文字をもとに、二、三、百、千等の数を表す文字ができました。また、一定の位置を示す横棒「一」に、その位置より高い場所を示す「l」を付けた文字が「上」です。小篆では「⊥」と書きます。同様に、一定の位置を示す横棒「一」に、その位置より低い場所を示す「l」を付けた文字が「下」で、小篆では「⊤」と書きます。ものを切るはもののの形に象った「刀」に「、」を付けて、そこが刀のはの部分となることを示した「刃」や、象形文字の「木」の下の「⋂」の部分にしるしを付けて、根本を表した「本」等々がこれにあたります。※小篆の「上」「下」「刃」「本」 少し長くなりました。明日の晩に続きます。本日が皆様にとって、好い一日でありますように。


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