いつも多大なるご支援をいただき、本当にありがとうございます。 このたび、拙著『海のシンバル』が、同人誌版に大幅な改稿を加え、全国出版が正式に決定しましたことをご報告させていただきます。以下の日程にて、全国発売および予約開始を予定しております。全国発売:2026年2月18日(予定)予約開始:2026年1月 8日(予定) 『海のシンバル』書籍化プロジェクトは、2022年8月にクラウドファンディングで募集を開始し、261名様のご支援により1,727,500円の資金を集め、2022年11月に募集を終了いたしました。 まずは、この3年間、変わらず私を見守り、支え続けてくださった支援者の皆様に、改めて感謝いたします。 この3年間、筆を折りかけたときや、言葉が一文字も進まなかった日もありました。それでも物語を書き続けることができたのは、変わらず本作を信じ、待ち続けてくださった読者の皆様、そして背中を押し続けてくださった支援者の皆様の存在があったからです。画面の向こうでページをめくってくださった一人ひとりの方に、心からの感謝を捧げます。 また、私にとって初めての全国出版という、未知で不慣れな作業の連続のなか、原稿の一行一行と誠実に向き合い、根気強く導いてくださった担当編集者様にも、深く御礼申し上げます。作品を「本」として世に送り出す責任と覚悟を、共に考え、支えていただき誠にありがとうございました。 一方で、プロジェクト終了から三年という長い時間を要してしまい、楽しみにお待ちくださっていた皆様には、大変お待たせしてしまったことを心よりお詫びいたします。作品に向き合う時間が必要だったこと以外にも、出版に至るまで多くのハードルがあったことも事実です。出版までに時間がかかった経緯や、支援金については改めて整理し、2026年1月に詳細をご報告いたします。 『海のシンバル』は、多くの方々のご支援とご協力によって、ここまで形にすることができました。本書の刊行は、その積み重ねの結果であり、決して私一人の力によるものではありません。これまで関わってくださったすべての皆様に、改めて深く御礼申し上げます。 全国発売まで引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
大変お世話になっております。クラウドファンディング「海のシンバル書籍化プロジェクト」の久々原仁介です。 日が暮れるのが少しずつ早くなってきましたね。冷たい風が、どこか記憶を連れてくるようで、こういう季節は、物語のなかにいるみたいな感覚になります。 現在、書籍化に向けての作業は、静かに、けれど確実に進行中です。本文の最終調整、加筆修正など……ひとつひとつ、目と心を使って選び抜いています。 命って、なんだろう。 ずっと、考えながら書いていました。 ページの余白ひとつとっても、「Rの言葉がちゃんと息をしている余白があるか」「磯辺の孤独と寂寞が欠けてはないか」を何度も確認しています。印刷物って、ただのテキストじゃなくて、空間を届けるものだと感じていて――。読んでくださる方が、どこかで震災を忘れないでいてくれる何かの部品にしてほしいと思っています。 先日の文学フリマ東京で同人版の「海のシンバル」も在庫もとうとう数えるばかりとなりました。1000部を超えたという数字が、実感としてはまだピンと来ないのですが、ひとつひとつの読者との出会いが積み重なったものなんだと、改めて噛みしめています。 焦らず、でも丁寧に。今この時間も、誰かのための言葉になっていきますように。 進捗としては小さな一歩かもしれませんが、これからは継続的にこちらで共有させていただきます。 大きな発表まで、残り少しだけ命を削る時間をください。 どうか、見守っていただけたら幸いです。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
大変お世話になっております。 クラウドファンディング「海のシンバル書籍化プロジェクト」の久々原仁介です。 東日本大震災から、今日で14年という月日が経ちました。 喪われた命と、波に呑まれた多くの声を、忘れることがないように、ひたすらに書いてきました。この14年という年月は、僕にとって文字と命と、奪われた時間を理解したいともがき続けた日々でした。 岩手へ訪れ、切り立った海の冷たさを知ったとき、どうしたって消えた命は返ってこないことを知りました。山肌に連なる、倒れたままの墓石を直す家族は誰もいないことを知りました。綺麗に舗装された海岸沿い道路を走る車はもういないことを知りました。 怖いくらいの平地に建てられた建物に住まう人は誰もいないことを知りました。フェンスの脇に括られた小さな浮き輪は、もう一度津波がきたときに助かりますようにという儚い祈りだと知りました。 命を書くということは、人の生死に対し焦点を定め続けなければならないと思います。一度ズレてしまえば、僕の書くことはただの虚構で終わってしまからです。 海のシンバルに登場するRという存在は、確かに実在する人物ではありません。彼女の痛みも、心も、そこにある時間も、文字の上でしか生きることはできない。 それでもRは読者の心に、震災を刻み込んで生きている。 僕はどうあっても、Rを生かすことができなかったというのに。彼女の言葉だけが多くの人の支えとなり、震災を忘れないための栞となり、寄り添うための手となって息づいている。 14年です。 僕の人生の半分を占めたこの時間を、ひたすらに想う。 その資格など、僕にはなくて、これは一種の冒涜と受け取られるかもしれないという恐れもあります。 だからこそ、一つの答えを出さなくてはなりません。それが僕の生きている意味だと思うからです。 弱くて愚かなこの僕の、手のひらに落ちた文字たちをどうか見ていてください。 更新がずいぶん時間を途絶えてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。 「海のシンバル書籍化プロジェクト」は今年度中に大きな節目を迎えます。 最後まで、何卒よろしくお願いします。
大変お世話になっております。 クラウドファンディング「海のシンバル書籍化プロジェクト」の久々原仁介です。 東日本大震災から、今日で14年という月日が経ちました。 喪われた命と、波に呑まれた多くの声を、忘れることがないように、ひたすらに書いてきました。この14年という年月は、僕にとって文字と命と、奪われた時間を理解したいともがき続けた日々でした。 岩手へ訪れ、切り立った海の冷たさを知ったとき、どうしたって消えた命は返ってこないことを知りました。山肌に連なる、倒れたままの墓石を直す家族は誰もいないことを知りました。綺麗に舗装された海岸沿い道路を走る車はもういないことを知りました。 怖いくらいの平地に建てられた建物に住まう人は誰もいないことを知りました。フェンスの脇に括られた小さな浮き輪は、もう一度津波がきたときに助かりますようにという儚い祈りだと知りました。 命を書くということは、人の生死に対し焦点を定め続けなければならないと思います。一度ズレてしまえば、僕の書くことはただの虚構で終わってしまからです。 海のシンバルに登場するRという存在は、確かに実在する人物ではありません。彼女の痛みも、心も、そこにある時間も、文字の上でしか生きることはできない。 それでもRは読者の心に、震災を刻み込んで生きている。 僕はどうあっても、Rを生かすことができなかったというのに。彼女の言葉だけが多くの人の支えとなり、震災を忘れないための栞となり、寄り添うための手となって息づいている。 14年です。 僕の人生の半分を占めたこの時間を、ひたすらに想う。 その資格など、僕にはなくて、これは一種の冒涜と受け取られるかもしれないという恐れもあります。 だからこそ、一つの答えを出さなくてはなりません。それが僕の生きている意味だと思うからです。 弱くて愚かなこの僕の、手のひらに落ちた文字たちをどうか見ていてください。 更新がずいぶん時間を途絶えてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。 「海のシンバル書籍化プロジェクト」は今年度中に大きな節目を迎えます。 最後まで、何卒よろしくお願いします。
大変お世話になっております。クラウドファンディング「海のシンバル書籍化プロジェクト」の久々原仁介です。10月になり、寒暖差が激しい季節となって参りました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。9月には文学フリマ大阪にてたくさんの方とお会いすることができました!足を運んでいただいた皆様、誠にありがとうございます……!大阪の雰囲気というか、どこにいてもみんなが温かく迎え入れてくれる感じが本当にいいなぁと思います。活気があるけど殺伐としていないというか。なんば駅周辺はまじで「なんでこんな設計にしたの???」って感じで迷路でしたが……。とにもかくにも、素晴らしい時間を過ごせたことを本当に嬉しく思います。それではプロジェクトの進捗報告をしていきたいと思います!! 合計金額→2,004,000円とうとう!!!!200万円の大台まで到達いたしました!!!!!わーーーーー!!!やったーーーーー!!!最初はリターンの経費やクラファンの広告費で諸々差っ引かれてしまって泣きそうでしたが、ようやくここまできました……。そしてこれらのほとんどが「海のシンバル」の売上によって積み上がっていると思うとほんとに感無量といいますか……お手にとって頂いた皆様……本当に、ありがとうございます……。実は「海のシンバル」の同人版について、先日も在庫が切れてしまったため発注しました。海のシンバルはカラーカバー付きの印刷のため、ちょっとお高め……。冊数をそれなりに印刷すると余裕で8万円くらいは飛んじゃうため、調整が難しい……。そのせいで合計金額がなかなか伸びない部分もあるため、何か対策を練らないと……。と、苦心しております。これは余談になってしまいますが……。「海のシンバル」同人版を書いてからどれくらいの冊数の同人誌を印刷所さんに頼んだかなと思って調べたところ、発行部数は今回の発注でちょうど1000冊を超えていました……。同人誌で1000冊売れる小説って、きっと素晴らしいことなんだろうなと思います。このプロジェクトの目的が、海のシンバルという作品を「あの日を忘れないための一つの部品にする」ことであるとするなら、その階段を一つ一つのぼっている最中なのかもしれません。叶うならひとりでも多くの人に届きますように。 今後ともよろしくお願いいたします。






