春と言えば「パンまつり」
最近はクライアントレストランに「味噌に生まれ変わらせて返すから、残ってるパン出しやがれ、コラ。」と春らしいイエローやピンクの着物でフレンドリーに押しかけていました(今はちゃんと料理長に「この日にお邪魔します!」と連絡はします笑)。レストランのシェフの皆さんだけでなく、ホテルのスタッフさん達も(ホテル内にあるレストランさんもあるので)、久しぶりなのに笑顔でキッチンに招待してくれました。
現在星付きレストランを含む8軒から協力を頂いて、あれよあれよという間に大量のパンが(写真の倍以上はあります)集まりました。「エリカの為に取っておくから、欲しかったらいつでも言ってよ!」と皆さん言ってくれて、さすがパン主食の国。パンプキンシードやクミンシードの入ったパン、サワードウのパン、全粒粉など色々なパンをゲット成功。
「頂いたパンは無駄にはせずに、1ヶ月後にはお味噌に変えて持って帰ってくるから! パンから出来た味噌の味かあなたの好みなら、味噌風発酵調味料キットで自分たちでも作る事ができるよ。日本では4歳の女の子もキットでパンからお味噌が作れたんだから、 まぁ星付きレストランのシェフが作れないはずないと思うわ、うふふ。」
「今移動式のエコ味噌蔵を私の地元に作ろうとしていて…色々大変なんだけど(笑)。でも出来たら皆んなで遊びに来てよ!」
とお伝えすると、シェフの方たちは「おぉ、いいね。行く行く!味噌も蔵もめっちゃ楽しみ!」と言っていました。お味噌を作っていなかったら、一生出会うことのなかったであろう彼、彼女達と短い時間でも実際に会えるて、話せるのが嬉しいです。
今はコロナ禍も含めて、戦争にしても様々な物事が国や人を分断しようとしている様に感じます。私からすると本当に意味の無い分断。だからこそ、ただ「廃棄パン」を味噌に変えて救う!だけよりも、多様なパン達から(特にパンは様々な文化を象徴する食べ物でもあります)、あえて「一つ」のお味噌を作りたいのです。様々な方から頂いた、様々なストーリーのあるパンが 一ヶ月という時を経て、最後は一つのお味噌になる。
それが証明できる事は、
「No separation, but together we taste better.」
「分断はいらない。私達は共にあるからこそ、もっと味わい深い。」
これから数週間かけて、様々な人からパンを集めてみようと思っています。キットで最後はどんなお味噌になるか楽しみ!
そして、そのお味噌からどんな一皿達が生まれるのかが、もっと楽しみ!
そうそう、知ってます?素敵なキッチンって、どこも良い空気が流れ、良い雰囲気、良い香りがそこを包んでいます。それは、まるで春の心地よい陽だまりみたいなんです。
「Gezellig」
オランダに住み始めたら「korting」(割引)の次くらいによく聞く単語なんですけど(これはあくまで私個人の感覚です笑、誤解のないように。)、「Gezellig」はオランダ人からしても、英語に適する単語がないらしく、経験や心で学ばなければいけない単語なのかもしてれません。一度オランダ人の友人が説明してくれたのは「今日があなたの誕生日だとして、疲れて家に帰ったら、おばあちゃんが手作りのケーキで出迎えてくれた。それがGezellig。」と言っていたんですけど(笑)、なんとなくわかるようで、わからない様な。日本語だと、うーん、「心地いい、ほっこり、ほっとする、良いバイブス。。」とかでしょうか?
素敵なキッチンは正にGezellig。
パン達と交換に、去年裾野で集めた八重桜を使用して作った、「Sakura味噌」をシェフの皆さんに渡してきました。裾野の桜がお皿の中で咲いて、ちょっとでもGezelligに感じてくれたら良いです。