2022年夏頃より行ってきたクラウドファンディングがついにクライマックスを迎えました。今回は作業終盤から完成まで、そして発送の様子を活動報告として公開いたします。ぜひ最後の奮闘の様子をご一読ください。前回の活動報告でお伝えしていた各パーツへの切り出し以降、日を追うごとに平面だった革が鞄の形へと形成されていきました。マチ部分の糸目を表に出さないデザインのため、裁断された革は裏返った状態で縫製され鞄の形に形成されます。そしてそれを裏返す作業が待ち受けているのでした。今回の製品で使用している「NAKASEN」さんのロロマの革は染料仕上げのヌメ革にロウ引き加工が施された大変タフな素材です。蝋(ロウ)でコーティングすることで、革の表面や繊維を保護したり、使い込むうちにそのロウが馴染むことで、革本来の持つ表情が楽しめるという特徴があります。ですが、製作者倉持の手が触れるのは、使い込まれる前のロウがしっかり付いた段階。裏返す作業には力と根気が必要な作業でした。時折叫び声を上げ、握力を失わせながら一つ一つと向き合うように裏返していきました。(1日2つまで、応援する人がいると4つくらいできていました)糸目にほつれや不備がないか確認しながら革を裏返されていきました。ざっくり裏返すと、右手に「モデラ」という道具を手に角を出していきます。(珍しくカッターで切り、指がお米のような形になっていました)革が硬過ぎて空を見つめる倉持氏をご覧になりたい方はぜひインスタへ!https://www.instagram.com/p/CnzHYoSDapA/並行して製作されたのは生地素材の内装部分。金具を一切使用しない製品にこだわったアイテムながら、機能性を高めるために内装にもポケットが4点つけられています。工房の作業風景ではお馴染みの腕ミシンから平台ミシンに作業場を変えながら一気に縫い進めていきました。作業は進み、ついに外側の革と内装の合体の工程。今回の鞄は、口元にスマホなどの収納に便利なポケットを付属しています。ポケットの向きとそれを塞いでしまわないよう、工程を気をつけながら縫製が行われていきました。内装の生地も同様ではありますが、革は一度ミシンの針を通してしまえば、穴が空きその穴は塞がることはありません。そのため一発勝負と決めて縫製が進められていきます。作業の積み重ねで疲労も垣間見える中でも鞄の顔を仕上げる際には職人である倉持の顔つきも失敗を許さない顔つきに変わっていました。最後の工程は口元のポケット部分強化のための縫い合わせとトコクリームによるコバの処理。いずれも機械を使用せず手で作業が行われました。学生時代からレザークラフトを嗜んでいた倉持はミシンを持っていない時代は自分の持つ手ひとつで様々なアイテムを試作、製作してきました。そうしてたくさんの歴史と技術そして想いが刻み込まれた職人らしい手によって仕上げられ、オーダートートの製作はフィナーレを迎えました。おまけで特典としてお付けするコードホルダーも瞬時に仕上げ、オーダーバッグ11点キーホルダー12点コードホルダー14点+αが仕上がりました。お買い上げいただいた皆様へこの度は、我々のプロジェクトにご参加いただきまして誠にありがとうございます。プロジェクト終了からお届けまでお時間を頂戴いたしました。製作期間へのご理解、誠にありがとうございました。順次お手元に届いた頃かと思います。お手元に届いた際、下記の点ご確認ください。・革の特性上、ロウによるムラが見られる場合があります。そちらは使い込むことで馴染んでいきますが、万が一使い始めの際に衣服などにロウがついた場合はブラッシングや洗濯をしていただければ目立たなくなります。・発送の際、通称「あんこ」と呼ばれる梱包材を鞄の中に詰めた状態でお送りいたしました。革は環境に準じて形が変形することもあるため、毎日中身を出す必要はございませんが、多少の期間使用されない時間がある場合は、あんこを詰めて保管いただくことをお勧めいたします。あんこを破棄されている場合は柔らかく丸めた新聞紙などでも代用いただけます。・今回使用している革は経年変化のある素材を使用しております。使用頻度に準じてブラッシングによるツヤ出しやデリケートクリームによる保湿などのケアを行なっていただけますと幸いです。詳しくはこちらをご覧ください。動画・製品に関してご質問や気になる点等ございましたら、先にお伝えしてあります連絡先にご連絡ください。--作業の結びに倉持はお一人ずつに向けて手紙をしたためることとしました。画面上のやり取りが多い昨今、どうしても手書きがしたいとこだわった部分でもあります。制作を終えた倉持は今回のプロジェクトを振り返り下記のような言葉を残しました。「これまで多くのものづくりをしてきましたが、このレベルの鞄を限られた期間の中で一定数製作することは初めてで、難しさとともに大変学びの多い機会となりました。オーダーいただいた皆様にはお時間を頂戴してしまいましたが、ワークショップの開催やInstagram、campfireのメッセージなどを通して、オーダーアイテムをお使いいただく皆様と製作者としての我々でやり取りを続けられたこと、その中でいただく言葉に励まされながら本プロジェクトの達成および終了を迎えることができました。改めて多くの方々に支えられながらkissoraというブランドが育ってきたことを感じることもできました。これからも我々のものづくりは続きます。ぜひまた皆様のお声を聞けたらと思っております。皆様にとって、そしてkissoraにとってより良い制作ができるよう努めて参りますので今後ともkissoraを何卒よろしくお願い致します。この度は誠に有難うございました。」今回の活動報告をもちまして、本企画の活動は終了とさせていただきます。初の試みの中でチーム一同不慣れな点も多く試行錯誤の日々でしたが、たくさん話し合いを行い、皆様へより良いものをお届けすることに一生懸命になることのできた企画でした。プロジェクトの達成以上に多くの学びを得ることができた機会だったように思います。お付き合いいただいた皆様、陰ながら支えていただいた仲間の皆様に感謝申し上げます。またどこかの機会でお会いできることを心より楽しみにしております。今後ともkissoraを何卒よろしくお願い申し上げます。投稿している写真などはダウンロードしてご自由にお使いください。拡散なども大歓迎です。またどこかの機会でお会いしましょう!
皆さま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。今回の活動報告では本格的に進行し始めたオーダーバッグの製作風景を公開いたします。ぜひご一読ください。本プロジェクト製作担当の職人 倉持は、年末年始にかけてオーダーバッグの本格的な作業に取りかかり始めました。今回のクラウドファンディングでオーダーいただいたのは11点のバッグ。いずれも同じ組み合わせは一つとしてなく、全てがオンリーワンのアイテムとなっております。オーダーいただいた数に合わせて新たに革を仕入れることからスタートし、まずはパーツごとに裁断を行っていきました。始めに切り出したのは手紐のパーツ。約110cmほどの長さをまっすぐ同じ幅で手作業で切り出す工程を前に「これが一番苦手なんだよね」と一言。「全集中!」と言葉を続けて黙々と切り出しが始まりました。弱音を出しつつも学生時代を含めると15年以上のキャリアを持つ倉持は慣れた手つきでスムーズに作業を進めていきます。手紐が重なる部分は「粗裁ち(大まかに切り出すこと)」を終え貼り合わせ作業の後「本裁ち(実寸に合わせて正確に切り出すこと)」を行い、縫い合わせていきます。今回のオーダーでは本体、手紐のお色味に加えて糸の色も選択可能なため組み合わせは64通りあります。オーダーいただいたパターンを間違えることのないようにダブルチェックを重ねながら慎重に革と糸が組まれていきました。ミシンがかけられ集まった22本の手紐を前に次の工程を待っていると、倉持が手にしたのは再び手紐。縫い合わせた後にコバ(木端、裁断面の意)を処理すると言います。裁断時に角が立った部分削ぎ落とし、TOKO艶クリームで断面を処理していきます。広い工房の中で手先を細やかに動かす動作を前に「地味な作業でしょう」と一言。革の質感を魅せる画やミシンのテクニカル的な技が光る場面ではないから…との配慮の言葉でしたが、その華やかな一面以上に鞄を持ち運ぶ上で最も手が触れる部分だからこそ、このようなひと手間が使う人に寄り添うのであろうという作り手の想いを感じることができました。手紐の作業を終えると続いては本体の革の切り出しへと進行していきました。職人 倉持が運営するYouTubeチャンネル「kissoraの中の人」ではオーダーバッグの構成や製作工程をさらに詳細にご覧いただける動画も公開しておりますので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください。私たちが普段使用するアイテムにはどれもその裏側には製作者がいます。その作り手や工程。こだわりを知ることでさらにアイテムに対しての親近感や愛着を持ってもらえると嬉しいです。そして作り手もまた、生産時にはそれらをいつか使う方達のことを浮かべながら作業をしています。活動報告ではものづくりの裏舞台で勤しむ職人の姿をよりリアルにお届けできればと思っておりますので、こんなところを見てみたいなどございましたら、SNSやYouTubeなどでコメントお願いいたします。次回はオーダーいただいた皆様へお届け直前の様子とともに製作の進捗を活動報告として投稿いたします。早いもので1月も半ば。ご支援いただいた皆様へ1日でも早くお届けするべく製作を進めておりますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
本日はクラウドファンディングのリターンとしてスマホポシェットワークショップ第2回目を開催いたしました。前回同様、革のパターンを選ぶことからスタートし、道具の説明を踏まえながら工程ごとにものの仕組みを伝えながらワークショップが進行していきました。ご参加いただいたのは学生時代からkissoraに触れてきたという方で、クラウドファンディング、ワークショップ参加共に初めての体験とのことでした。こういった機会でなければレザークラフトにチャレンジすることもなかっただろうと仰りながら、職人・倉持レクチャーのもとレザークラフトのいろはに触れていただきました。ものづくりでしか味わえない指先を使っていく感覚や処理される前の革の状態などもご覧いただけたことで、ものの成り立ちにも触れていただけたのではないかと思います。糸を通すための穴の開け方やそこに針を通すだけのように思えたものでもさまざまな工夫の上に成り立ち、わたしたちが普段目にしている製品のような仕上がりになることも肌をもって感じていただけました。現在、倉持は本格的にオーダーいただいた商品の製作にも取り掛かっており、ワークショップの合間にはリターンの一つ、キーホルダーの途中経過をご覧いただく場面もありました。この日のためにYouTubeなどもご覧いただいていたとの嬉しい言葉もいただきながら実際手を動かしてみると力加減など難しいですね、との体験してみた感想に加え、普段から革物に触れるのが好きではあるものの既製品を持つだけだったので、自分で作ることができてさらにそれを使えるのが嬉しいですと言葉も残してくださいました。全2回の開催となったワークショップも無事に終了。次はオーダーいただいた皆様の元へお届けするべく製作の日々を残すのみとなりました。実際このようにワークショップを開催して生の声を聞いてみると我々の活動がお店や画面を通して皆様と共有できていることを実感します。クラウドファンディングは夏頃より駆け抜けた半年でしたが、完了するまで全力で気合を入れて参りますので、引き続き活動の様子など見守りいただけますと幸いです。2022年の活動報告は本日がラストとなります。お世話になった皆様、誠にありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。次回はバッグの製作風景をお届けする予定なのでぜひお楽しみに。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは、kissoraの倉持です。昨日、キーホルダー作製を始めました。パターンオーダーということで革と糸のカラーパターンが様々あるため一つずつ確認しながら製作をしていきました。キーホルダーに使用されるのは鞄を生産する中で生まれた革の端切れ。鞄の本体で使用するものと同様の素材、価値があるにも関わらず、サイズの関係上で余ってしまう部分を最大限に活用して製作しています。革素材そのものが食肉の副産物であり、その廃棄されるものを利用することが「究極のエコ素材の活用」と捉える上で、端切れを活用することもサスティナブルと考えています。鞄の本体で使用する革素材も無事に納品され、いよいよ本格的な生産に入っていきます。オーダーいただいた皆様にはお時間を頂戴しておりますが、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。次回はワークショップ第2弾の様子をお届けする予定です。お楽しみに!
今回の活動報告はリターンの一つ、スマホポシェット製作ワークショップについてです。本日、12月13日(火)第1回目のワークショップが開催されました。バッグをオーダーいただいた方と対面でお会いできる喜びとともにスタートしたワークショップは、パターンの色選びから始まりました。今回製作していただいたスマホポシェットでは、本体の表裏、肩紐を通す耳部分そして糸の色をお選びいただける形となっております。同じ色でも部位や傷によって異なる表情を見せる革を前に「ワークショップでしか作れない配色を」との思いで選んでいただきました。ホックの取り付けや菱目打ち、手縫いから手紐の取り付けまで、工程ごとにポイントを伝えながら進行していきました。レザークラフトやワークショップへの参加は初めてとのことでしたが、講師 倉持のレクチャーを受けながら順調に製作されていました。工程の中では製作方法の説明だけでなく、革にまつわる知識やものづくりにおける工夫なども伝えられました。ワークショップの講師経験が豊富な倉持は、少しでもレザークラフトを好きになってもらいたいとの気持ちも強いため、形式的な手法を伝えるだけでなく、自分自身の経験を踏まえながら、「こうするともっと良くなる」や「これだけでなく別の方法もある」など作り手が自分の技量や好みに合わせて作っていくことができるように幅を作りながらレクチャーを行っていました。『ひたすらに縫う』工程に入った際には、お手入れマスターの血が騒ぎ、kissoraを実際にお使いいただいている参加者の方のバッグを拝借し、お手入れをする場面も見られました。今後も機会があればレザークラフトをとの思いも込め、これからレザークラフトを始める方におすすめの道具もご紹介し、ワークショップは和やかなまま終了。初めて製作したポシェットを前に大変喜んでいただき、我々も嬉しい気持ちで終えることができました。そして最後にはおまけとして、オーダーいただいているバッグに使用する革の裁断前の様子をご覧いただきました。CAMPFIRE内の写真でしかお披露目することができなかった革の状態のため、興味深く拝見してくださいました。この革がバッグになりお客様の手で育てられた先を思うと我々も楽しみな気持ちでいっぱいです。インスタグラムを通して本プロジェクトを知ってくださった今回の参加者様。画面を通したやり取りを超え、こうして一つの空間で実際にお話ししながら時間を共にすることができ大変佳き日となりました。ご足労いただき誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。バッグをオーダーいただいた皆様、今しばらくお時間を頂戴しておりますが、引き続き楽しみにお待ちいただけますと幸いです。次回はオーダーバッグ製作の様子などをお届けできればと思っております。お楽しみに!