3月12日。
北九州平和ミュージアム主催の戦跡ツアーに参加しました。
午前中は門司区。
200万人もの兵士が出征したと言われる門司港。
私は、旧北九州平和資料館で、フィリピン戦に従軍した体験を話してくださった中村さんのことを思っていました。
「門司港に兵士が出征したことを印した所があってね、毎年必ず行っていたんですよ。」
「それがね、ある年行くと、なくなっていたから、役所に問い合わせたんですよ。そしたら、『もう、出征した人は居なくなったので』と言うんですよ。まだココに居るのに!」
穏やかな中村さんが、声を荒げて話してくださいました。
「立派な碑ができていますよ。」中村さんに語り掛けました。
中村さんは、この地から輸送船に乗り込み、戦地へと向かったのです。15歳でした。
その後、バシー海峡(台湾とフィリピンの間辺り)で乗っていた船が撃沈され、大海原に投げ出され…
助けられた中村さんは、フィリピン戦に従軍し、何度も死にそうな目に会いながらも、何とか命を繋ぎ、気付けばたった一人でジャングルをさまようことに。
終戦後もフィリピンのジャングルの中に一人で潜んでいました…
そんな方が、今の日本に、自分と同じように生きていらっしゃるのです。…
戦争がどんなものなのか、知らなければならない。想像しながら、知らなければならない。そこに生きた人たちに思いを馳せなければならない。そして、国家権力の暴走により、二度と同じ過ちを繰り返すことのないように、行動することが、国民のしなければならないことだと思う。
必死で戦争の時代を生きた人たちを悲しませたくない。
改めて、強くそう思いました。