戦争中に国民学校(小学校)で使われていた教科書です。
これを読んで、どのように思いますか?
「歌」にまでなっていたということは、このことを子ども達に浸潤させようとした国の意図が見える気がします。
私は、来館した子ども(高学年~)に、どう感じるかをよく尋ねます。
「『神の国』というのは変な感じです。」
「『えらい国』というのがよく分かりません?」
さすが!現在の教育の真価が伺えます。
きちんとした教育を受ければ、子ども達は「おかしさ」に気付くことができるようになるんですね。
この「おかしさ」に気付く目が、「差別する心」を許さない力を生んでいくのだと私は考えています。
(差別する心が、戦争をつくります。平たく言えば、「あんな国なら、奪ってもいいんだ。あんな人々なら、殺したっていいんだ。」ということ。この心は、正義の戦争をつくり出すことさえあります。)
そして、その「差別する心」を「相手を認める心」に変えることができるようになった時、真の平和が築かれるようになると、私は考えています。
さて。昨日(11月26日)は、TICO PLACE を臨時休館させていただき、福岡市の西南学院大学での講演会に参加してきました。
体が熱くなり、涙が込み上げるのを感じながらの3時間。あっという間でした。
参加者のたくさんの質問に答えながら、様々な事実をお話してくださるので、歴史の事実を再確認することもでき、大変有意義でした。
長い時間をかけ、調査・研究を積み重ねてきたからこそ掴むことができた真実による憤り、ブレない姿勢を感じ、心が震えました。
特に、最後の質問に対するツジモトさんのお話の時は、気付けば涙が溢れ出ていました。
その質問は、この日のテーマになっている来民出身(被差別部落の近隣在住)の方からのものでした。
「私は、戦後生まれです。学校で部落差別に関する学習を受けた記憶がない。そんな中、ずっと、来民の被差別部落の方に対する差別を見聞きしてきました。ずっと、差別があるんです。今もあるんです。」
「どうやったら、『差別』というものがなくなると考えられますか?」
ツジモトさんは、ひと言でその答えを述べることはありませんでした。
ご自身が来民開拓団のことを調査し、そのことを新聞の記事として載せる時の出来事を事細かにお話してくださいました。
私が受け取った「答え」は、一人一人の一般市民が、真実を学び、差別を許さない心を養うことが、「差別をなくす道」をつくるということでした。
TICO PLACE の理念と同じ!
気持ちが引き締まる思いでした。
同時に、「真実」を知って、流されずに行動しようとする多くの方々の姿に力をいただきました。