1日体験やボランティアスタッフ採用について決める朝ミーティングや夕方ミーティング。
(民主主義を経験する学校①)オフィシャルだけど最も身近な話し合い、朝夕ミーティング
校則にあたるスクールのルールをつくったり、スタッフの次年度雇用を決定するスクールミーティング。
(民主主義を経験する学校②)立法権と人事権も持つスクール内で重要なことが決められる、スクールミーティング
様々なことに生徒にも1票があるTSSですが、国や地方自治体では行政、会社では経営にあたる学校経営にも、生徒に1票の権利が与えられています。
それは、生徒が自分たちの社会やコミュニティー、組織に当事者意識を持ち主体的に関わる経験が積めるようにしているためです。
経営では、学校総会で決めた次年度の方針や予算をもとに、実務レベルでスクール経営について話し合い、様々なことを実行して、報告や次の手をまた考え行動しています。
まさにPDCAを日々の中で経験しているのが、TSSの経営ミーティングです。
ところで子ども時代には、「大人は何でも知っている」と思っていませんでしたか?
でも実際に大人になってみたら、意外とたくさんのことを大人も手探りで考え、決めて、行動していますよね。
どうも世の中は答えがないものが多いぞ」と思いだしたら大人なのかもしれません。
でもたしかに、本当に大切なことは答えがないものですね。
学校経営についても、これをやれば正解というものはありません。
ましてやサドベリースクールは、一般の教育のように学科やカリキュラムがありませんし、プロジェクトというような活動も設定されていません。子どもにあえて与えないことをすることで、子ども自身が自分で考え、行動する力を、自分で育てていけるようにしているためです。
アメリカのサドベリースクールは50年以上続いていますが、日本では、開校当初からサドベリースクールとして運営しているスクールは、まだ長くて十数年。
前例のない中で、新しい教育を、しかも先端の教育や人気のあるキーワードでもなく、いつの時代も必要な力を育むのがTSSの教育です。
理工系や医療系では、応用研究の方が基礎研究より人気があるように、
TSSの大事にしている自分を知ることや自ら動く自主性、コミュニティーへの主体性、他者への貢献などは「大事ですよね」言われることはあれど、
プログラミング教育や有名大学合格などの華々しさはありません。
しかし、どのようなスポーツも基礎をおろそかにしたらその後の上達が見込めないものです。
ぜひ生徒達には、経営ミーティングのエッセンスである、自分で考えて計画し、実行して責任を取るということを、たくさん経験してもらいたいと思っています。
生徒達は、自分の人生を一生経営していくのですから。
杉山