ご報告:おかげさまでプロジェクト初日に当初の目標金額である75万円を達成、4日目に200%を達成することが出来ました。ご協力、本当にありがとうございました!現在はさらなる目標値である(約40日間の調査費用)300万円をネクストゴールに掲げて目指していきたいと思います。引き続きご支援のほどよろしくお願い致します。
【はじめに・ご挨拶】
こんにちは!皆様初めまして。
海洋生物写真家の峯水 亮(みねみず りょう)です。
海は私たちに日々いろいろなことを教えてくれます。私はこれまで誰も注目してこなかったプランクトンの撮影を日々続けながら、彼らの海の中での役割や、生きることの力強さ、存在の意義について学んで参りました。中には、これまで知られていなかった生き物同士の生態の解明に役立つ発見もありました。生き物たちの生態をより深く知ることで、世界中で問題視されている、環境問題を解決する糸口にもつなげていきたいと考えています。
海は私たちに色々なことを教えてくれる偉大な教科書です。私はこの特別な撮影活動を通じて得られた情報を、少しでも多くの皆様に共有することを目指しています。実際、彼らの事を知る為には、これまで以上に海に出て、彼らに出会う機会を重ねていく必要があると感じています。しかし、この活動にはボートチャーター費、燃料費などの多くの費用が必要です。どうかこの活動の意義をご理解いただき、多くの皆様にお力添えいただけましたら幸いです。何卒宜しくお願い致します。
この度のクラウドファンディングを行うにあたって、これまでの経歴を踏まえながら、自己紹介をさせていただき、今回の目的ともなるBlack Water Dive®︎についてご紹介させて頂きます。
峯水 亮(みねみず りょう)
《自己紹介》
1970年大阪府枚方市生まれ。20歳のときにスキューバダイビングに出会い、海の自然の美しさや、生き物たちの世界をたくさんの人々に伝えようと決心し、西伊豆の大瀬崎にてダイビングインストラクターと現地ガイドの経験を経て27歳から水中写真家として独立。移りゆく自然環境を見つめながら、生き物たちの命の尊さと力強さをテーマに、海洋生物の撮影に取り組んでいる。これまでに数多くの児童書や教科書に画像提供しているほか、著書も多数 。多くの自然番組の撮影も担当している。 第5回 日経ナショナル ジオグラフィック写真賞 グランプリ 受賞の他、世界的なコンペティションで多くの賞を受賞している。
《Website》
《主な著書》
『海の甲殻類』『ポケット図鑑 日本の海水魚466』『サンゴ礁のエビハンドブック』 文一総合出版, 『デジタルカメラによる 水中撮影テクニック』 誠文堂新光社, 『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』『世界で一番美しいイカとタコの図鑑 愛蔵ポケット版』 X-Knowledge,『日本クラゲ大図鑑』平凡社,『ときめくクラゲ図鑑』 山と渓谷社,『Jewels in the night sea 神秘のプランクトン』日経ナショナル ジオグラフィック社,『タコとイカはどうちがう?』ポプラ社. 《最近の主な活動》
2015年 『日本クラゲ大図鑑』平凡社から出版
2015年 ブラックウォーターダイブ®のプロデュースを国内外で開始
2018年 『Jewels in the night sea 神秘のプランクトン』日経ナショナル ジオグラフィック社から出版
2018年 『ときめくクラゲ図鑑』 山と渓谷社から出版
2020年 『タコとイカはどうちがう?』ポプラ社から出版
2020年 3月18日放送 NHKのダーウィンが来た!「アンビリーバボー!クラゲの超世界」
2020年 4/5, 4/12放送 TBS世界遺産 25周年スペシャル「インド洋に浮かぶセイシェルの秘境アルダブラ環礁」
2020年 8月10日放送 NHK BSプレミアム ワイルドライフ「山口 青海島 想定外!クラゲの超世界を探る」
《写真展》
2017 ”The Secret World of Plankton" Foto Care Garelly ニューヨーク アメリカ
2018 "Jewels in the night sea" CANON Gallery 銀座, 名古屋, 大阪
2019 東京写真月間2019 日本写真協会賞受賞作品展 FUJIFILM SQUARE, 六本木, 東京
2020 日本写真家協会 2020新入会員展 アイデムフォトギャラリーシリウス,東京. 富士フィルムフォトサロン大阪
2020 CANON Gallery企画展:光の中へ part 1 - messages from the photographers
《受賞歴》
2016年 第5回 日経ナショナルジオグラフィック写真賞 グランプリ 受賞
2019年 日本写真協会賞・新人賞
2021 TIFA(TOKYO INTERNATIONAL FOTO AWARDS), Subcategory Winner Nature-Underwater Gold and Winner Nature 2nd Place
2021 TIFA(TOKYO INTERNATIONAL FOTO AWARDS), Photo book "Jewels In The Night Sea" / Subcategory Winner Book-Nature Silver
2022 The First Prize Winner in the HIPA (The Hamdan Bin Mohammed Bin Rashid Al Maktoum International Photography Awards) 11th season of competition (Nature) in the Nature Category
《主なテレビ・ラジオ出演》
2018年 9月13日放送 ラジオ J-WAVE GOOD NEIGHBORS
2019年 2月20日放送 TBSテレビ「クレイジージャーニー」 海の神秘「プランクトン」を28年間撮り続ける男!
2019年 6月19日 Love The Sea And The Earth~100年後の子どもたちのために、今できること~ 田中律子×峯水亮×アイサーチ・ジャパントークショー 代官山蔦屋 / 東京
2019年 7月19日放送 関西テレビ "NMB とまなぶくん" 海に漂う美しい宝石!神秘の浮遊生物
2019年 10月21日放送 日本テレビ 世界まる見えテレビ特捜部 限界突破SP
2020年 6月28日放送 日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」珍獣ハンターイモトジャパンツアー in 沖縄
2020年 8月19日放送 潜れさかなクン「探検!沈没船スペシャル」
2022年 8月21日放送 MBSテレビ「情熱大陸」
《Black Water Dive︎》
Black Water Dive®︎ はナイトダイビングの1種で、現在は主に沖縄本島や久米島などで開催しています。 潮や時間・場所をよみながら、複数の高演色水中ライトを夜の海に沈めて潜ります。そこで遭遇する生物たちは、日中のダイビングや普通のナイトダイビングではまず出会うことのない稚魚や幼生たちがほとんどで、潜るたびに毎回新たな発見があります。
※Black Water Dive®︎ は峯水亮の登録商標です。日本国 / 登録第5812594号
《もっと画像や動画を見たい方は、インスタグラムをご覧ください》
《このプロジェクトで実現したい事とやろうと思った理由》
私の目的はプランクトンについて深くフィールドで学び、そこから得た知識を多くの人に知ってもらいその情報を広く活用してもらうことです。プランクトンと聞いた皆さまのイメージは、顕微鏡で覗くような数ミクロンのものを想像するかもしれません。もちろんそのようなものも存在しますが、実はエチゼンクラゲのような重さ200キロにも及ぶ大型のクラゲも含まれます。
(左)エチゼンクラゲ大きさ2ⅿ (右)小さなプランクトン コピリア 体長4㎜つまり、プランクトンは浮遊生物という意味で、大きさには関係なく、自ら泳ぐよりも潮に運ばれながら漂って生活するものなのです。また、魚、そしてエビやカニなどの無脊椎動物も幼い時は海を漂うため、一時プランクトンと呼ばれています。

これまではイルカやクジラ、ウミガメ、サンゴなどについては、その知能の高さや可愛らしさ、美しさなどから人気や支持を得て、国や企業、団体、個人に限らず世界的な環境保護活動が行われてきました。一方で、プランクトンの存在については誰も意識してきませんでした。しかし実際は、彼らが存在しなければ、生態系のピラミッドは成り立たないくらい重要であり、体の大きさには関係なく、イルカやクジラ、ウミガメ、サンゴと同じくらい、本来は注目されるべき存在です。彼らの真の役割や姿を知ることで、これまでと違ったより新しい観点から自然環境に目を向けることができればと考えています。
また、この30年ほどの撮影で目の当たりにしてきたのが、近年は海の環境問題として取り上げられるようになったプラスチック問題ですが、実際にプランクトンの生息環境にも影響を及ぼしているのを目の当たりにしています。
(左)ビニール片に寄り添うギンポの赤ちゃん(右)ビニール片にくっつくタコの赤ちゃん
私の活動を通じて今の海の現実を、より多くの人に知ってもらうことで、私たちがこの先どのように暮らすべきかについて考えるきっかけになればと考えています。
私が行っていることは海洋生物を広く知るための基礎研究の一端です。皆様の日々の生活には直結しないため、直接的には何も恩返しできないかもしれませんが、生き物同士が海の中では実際にどのように関わりあって生きているかをより深く知ることにより、今滞っている様々な課題を未来へとつなげたいと考えています。
例えば、私たちの身近なところで例を挙げると、ウナギの幼生が海の中で主に何を食べ、どのように隠れていて、どのように泳ぎながら稚魚時代を暮らしているかについて詳細は判っていません。
またイセエビの幼生時代は10カ月以上もの間太平洋上を漂っていることが知られていますが、海の中で主に何を食べて、どのように暮らしているかについてもまだ何も判っていません。
もし、これらが海での観察によって解明できれば、例えば養殖技術の大きな進展につながると思います。これまでは実際に海の中に潜って彼らを観察し、真の生態を知るような取り組みが成されてこなかったわけですが、私が行っているブラックウォーターダイブのような潜水撮影技術を用いれば、それらを含めて様々な謎が明らかにできる可能性があります。それ以外にも、より多くの稚魚や幼生たちの暮らしぶりを知ることによって、今はまだ注目されていないような生物からも、未来に役立つ発見がなされるかもしれません。国内外の研究者とともに、それらの知りえた成果を研究発表していきます。
わずか数ミリの生物の動画や写真をフィールドで撮影する技術は、高い潜水技術に基づいたもので、誰もがそう簡単に真似することはできません。また、生物についての幅広い知識を活かして調査をしている為、毎年新たな発見を国内外の研究者ととも論文で報告しています。
《最近の論文報告》
"First Record of Pandeid Jellyfish, Eutiara decorata Berberian, Michenet and Goy, 2021 (Hydrozoa, Anthoathecata, Pandeidae), from Japan." Hydrobiology 1(2): 139-145.
https://www.mdpi.com/2673-9917/1/2/11
"日本近海で初めて撮影されたイカ類との相互作用を示す生きたヤリマンボウ幼魚の記録." Ichthy, Natural History of Fishes of Japan, 20: 44-50.
https://doi.org/10.34583/ichthy.20.0_44
【資金の使い道】
ボートチャーター費、燃料費、ダイビング費用に1日60,000円ほどかかります。ですので、10日分の調査費用として60万円を捻出したいと考えています。また、目標金額はリターン準備費やCAMPFIREの手数料の支払いも含みますので、75万円を目標金額として設定しております。
更に、目標を早期達成した場合はネクストゴールとして、年間200日(20日間×10カ月)ほどの調査費を捻出したいと考えています。
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9/20 追記
御礼 最初の目標金額を達成!!
皆様のおかげで初日に目標金額に到達することが出来ました。
ありがとうございます!!
今後はさらなる目標を掲げて、ネクストゴールを目指したいと思います。引き続きご支援のほどよろしくお願い致します。
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9/22 追記
9月22日 おかげさまで最初のネクストゴールの150万円を達成いたしました。
今後は約40日間の調査費用である、300万円をネクストゴールとして目指します。引き続きご支援のほどよろしくお願い致します。
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【リターンについて】
6種類+1種類(追加)のリターンを考えました。
①待ち受け画像データ
携帯の待受画面や壁紙、PCの壁紙に使える画像データです!
これまでに私が撮ってきた写真から待ち受け画像として良さそうな3作品を選びました。支援者の皆様はその中からお好きな1つをセレクトできるものです。
※お使いの携帯電話やPCの画面のサイズに合わせてご自身で調整して使ってください。

②峯水亮のサイン入り 写真集 Jewels in the night sea 神秘のプランクトン
直筆サイン入りです!
峯水 亮 (著, 写真), ナショナル ジオグラフィック (編集/刊)
144頁, 25 x 21.4 x 1 cm, ソフトカバー, ISBN-13: 978-4863134300
この写真集は、夜の海に浮かぶ美しいプランクトンたちを紹介しています。多くの人が眠っている時間に、沿岸に近づいてくる生き物の未知の姿を捉えています。その極めて小さな姿を写真に捉えてみれば、色も姿も生態も、うっとりする世界がありました。長年におよぶ粘り強い撮影がとらえた、美しくも不思議な姿。日経ナショナル ジオグラフィック写真賞グランプリ受賞後初の写真集!
全体を5つのテーマで構成しています。
Chapter1 Adaptation for Floating たゆたうちから
Chapter2 Art for Defense まもるくふう
Chapter3 Minimal Jewels うみのほうせき
Chapter4 Cradle of Deep Sea しんかいのゆりかご
Chapter5 Reason of Transparency とうめいなわけ
③峯水亮のサイン入り ときめくクラゲ図鑑

峯水亮(写真・文), 山と渓谷社(刊)
128頁, 20.8 x 14.8 x 1.2 cm, ソフトカバー, ISBN-13: 978-4635202459
体の90%が水分でできているクラゲは、海面や海中をゆらゆらと浮遊する「プランクトン」の一つです。そんなクラゲを眺めていると、知らぬ間に癒されてしまいます。 クラゲとはどういう生き物なのでしょう?どのような種類がいるのでしょう?なぜ透明なのでしょう?クラゲの毒は?クラゲに魅せられた人々の文化史は? 等々、美しい写真とともに謎多きクラゲについて理解し"ときめく"を体感するための図鑑です。
④峯水亮のサイン入り いきものくらべるしゃしんえほん タコとイカはどう違う?

峯水亮(写真), 池田 菜津美(文), 杉本親要(監修), ポプラ社(刊)
32頁, 21.5×28×0.7cm, A4横判上製, ISBN:978-4-591-16350-4
「見るだけで楽しい、しっかり読むともっと楽しい!科学的視点が身につく新しい写真絵本。」 ダイナミックで美しい生体写真と、ちょっと毒のあるイラストに、ページをめくる手がとまらない! 本書では、生きものに興味のある子どもが手に取り、ついページをめくってしまいたくなるようなビジュアルを用意し、ほかの本にはないトリビア的知識を詰めこみました。大人向けの本にもおとらない頭足類の最新知識が、 楽しくわかりやすい筆致で記された本書。 ダイナミックで美しい生体写真と、 死後くんによるちょっと毒のあるイラストに、 大人も子どもも、ページをめくる手がとまらない一冊!
⑤Ryo Minemizu / aquarium (アクリルスタンドパネル)10×10×2cmの透明なアクリル板に画像を印刷した卓上アートプリントです。窓際のテーブル上に置いたり、後ろから光を当てると、とても美しく飾ることができます。
私がセレクトした3種類の写真、ホシムシ類のペラゴスフェラ幼生(左)、有孔虫(中)、ベリジャー幼生(右)の中から、お好みの作品を選ぶことが出来ます。桐箱包装、証明書 (Certificate of Analysis)付きです。
※実際の商品には下記のサンプル画像にあるようなRyo Minemizuの透かしは入りません。
⑥写真パネル(アルミ製フォトパネル )
特殊素材のメタルプレート「ChromaLuxe」に印刷したアルミ製のフォトパネル。A3( 279.4 × 355.6mm ), A2(406.4 × 508.0mm ), A1(609.6 × 914.4mm )の3サイズをご用意しました。私がセレクトした3種類の中からお好みの写真を選ぶことが出来ます。パネルの裏は15㎜のバックフレーム仕様なので、壁から浮いた様に見えて、おしゃれに飾ることが出来ます。
⑦《活動サポート》感謝のメール
こちらは9/21に追加したリターンです。
私の活動にご賛同いただける方、企業さまからのご支援をお待ちしております。ご支援頂いた方には私から心より感謝のメールをお送りいたします。
【実施スケジュール】
2022年10月中旬〜下旬 第1回ドリフト調査実施予定
2022年11月20日 クラウドファンディング終了
2022年12月〜2023年1月 リターン発送
【最後に】
海洋生物写真家の峯水亮は、生き物の事や自然環境の事をより多くの人に知ってもらうために、昼夜を問わずに日々海に潜り撮影を続けています。プランクトンを撮影していると聞けば、あんなに広い海の中でなぜそんなに小さな生き物にこだわって撮っているのと疑問に思われるかもしれませんが、初めて撮影に成功した時には、その宝石のような美しさに私はすっかり魅了されたのがきっかけでした。しかし、撮影しているうちに気づいたことは、彼らは単に海の中を漂っているだけでなく、いろいろな技を駆使して厳しい自然環境の中を生き抜いているという事でした。また、実は様々な生き物どうしで複雑に関わり合って生きているということにも気づきました。彼らの生まれながらにして持つ技の数々を知ると、プランクトンとは言え、必死に生きていて、何一つ無くてはならない存在だと気づきました。海は私たちに色々なことを教えてくれる偉大な教科書です。私はこの特別な撮影活動を通じて得られた情報を、少しでも多くの皆様に共有することを目指しています。実際、彼らの事を知る為には、これまで以上に海に出て、彼らに出会う機会を重ねていく必要があると感じています。どうかこの活動の意義をご理解いただき、多くの皆様にお力添えいただけましたら幸いです。何卒宜しくお願い致します。
峯水亮
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るその姿はまるでヤマタノオロチ(八岐大蛇)世界中の生物学者を悩ませた謎の生物の正体がついに判明
2023/09/23 20:112018年に沖縄本島の糸満沖で発見して以来、世界中の生物学者を悩ませた海洋生物の正体がこのたび解明され、アメリカ科学振興協会 (AAAS) が発行するサイエンス誌に掲載されました。英語ですが無料で購読できるので是非ご覧ください。ウィーン医科大学の Igor Adameyko,PhDに心より感謝。論文は Current Biology に掲載されています。Science‘Mind-boggling’ sea creature spotted off Japan has finally been identifiedCurrent BiologyPolymorphic parasitic larvae cooperate to build swimming colonies luring hosts もっと見る2023年7月 久米島沖の稚仔魚・幼生調査 レポートNO3
2023/08/27 13:28こちらの活動報告は支援者限定の公開です。久米島調査ダイブ レポートNO2 無脊椎動物編
2023/06/29 17:59皆様こんにちは。蒸し暑い日々が続いていますが、体調など崩されていませんでしょうか。さて、久米島調査レポート第2弾は 無脊椎動物編です。レポート第1弾の前回は魚類編をお伝えいたしました。https://camp-fire.jp/projects/595272/activities/485396今回は無脊椎動物(エビ,カニ,イカ,タコ,クラゲ,ゴカイ他)をご報告いたします。また、今回は動画を多めに掲載しておりますので、彼らの泳ぎ方についても映像でお楽しみください。貴重な世界初の映像が、この活動報告に盛りだくさんです。①サメハダホウズキイカサメハダホウズキイカ Cranchia scabra Leach, 1817 の幼体 外套長15mmです。まだ触腕の2本だけが発達していて、その他の腕は短いです。久米島で遭遇するサメハダホウズキイカ科間では、トウガタイカに次いで多いかもしれません。動画も撮影したので、彼らの動きも是非ご覧ください。象の鼻の様に触腕を動かす動作が興味深いです。https://youtu.be/qwCferu5XBU真正面から見ると、ほとんど真円です。外套膜の表面はざらざらした感じで、まさに鮫肌ですね。②アサヒガニ科のゾエア幼生調査期間中に複数個体確認できたアサヒガニ科 Raninidae の一種のゾエア幼生です。全長37mmほどと大型で、巨大な棘には前後に2か所ずつ赤い模様があるのが個性的です。詳細な種名までは、今のところ確定できていません。詳細がわかり次第、追ってご報告させていただきます。③ヒカリボヤの1種で暮らすウキエビ夜の海にはまさに神秘的な世界が広がっています。今回はこのつるっとしたタイプのヒカリボヤ とウキエビ Funchalia taaningi Burkenroad, 1940 の組み合わせが多かったです。このつるっとしたタイプのヒカリボヤ、早く名前を確定したいです。よく見ると、小さな小さなウキエビのメガロパ幼生たちも成体と一緒のヒカリボヤの中に何匹か居るのが写っていました。ウキエビはクルマエビ科の一種なので、卵を直接海に放つタイプの産卵をします。そのため、幼生は比較的早い段階から、偶然見つけたヒカリボヤに入って中で暮らしているのではないかと思います。成体もそれはあえて排除しないようですね。https://youtu.be/NQ1_evI4Bss④クコノミクラゲクコノミクラゲ Eutiara decorata Berberian, Michenet and Goy, 2021 は2022年に和名がついたばかりのエボシクラゲ科の新しいクラゲです。その独特な外見の姿が、文字通りクコの実(乾燥させた)に似ることから、その名がつけられました。もともと、フレンチポリネシアのタヒチから初の報告があったクラゲですが、日本の海域からの報告は2番目になります。この発表はこれまでの私の活動が大きく関係していて、北里大学の渡部舞さん(現、新江ノ島水族館)と、三宅裕志先生にまとめていただき、(※1)の発表に至りました。私の活動は、このような学術的な貢献にもつながっています。(※1)M. Watabe, R. Minemizu and H. Miyake (2022), First Record of Pandeid Jellyfish, Eutiara decorata Berberian, Michenet and Goy, 2021 (Hydrozoa, Anthoathecata, Pandeidae), from Japan Hydrobiology2022, 1(2), 139-145https://youtu.be/gI09Of-aijM⑤ヨウラククラゲをぶら下げたヨロンエビのフィロソーマ幼生ヨロンエビ Palinurellus wieneckii (de Man, 1881) というイセエビの仲間のフィロソーマ幼生です。フィロソーマ幼生は餌を取る道具としてクラゲを脚に付ける行動がよく知られていますが、ヨロンエビの場合はヨウラククラゲ Agalma okenii Eschscholtz, 1825 を脚にたくさん付けながら泳いでいることが多いです。他のクダクラゲも利用することはありますが、ヨロンエビは特にクダクラゲ類を、中でもヨウラククラゲを好んで利用しています。多い時には4匹のヨウラククラゲをそれぞれの脚に付けているのが確認できます。https://youtu.be/sn8q36Aa62c⑥ヒゲナガモエビ属のゾエア幼生、複数種ヒゲナガモエビ属 Lysmata の中でも大型のゾエア幼生が知られている種類として、アカシマシラヒゲエビ Lysmata amboinensis (De Man, 1888) やシロボシアカモエビ(ホワイトソックス)Lysmata debelius Bruce, 1983 などが知られています。今回は少なくとも2種類の大型の幼生との遭遇が気になりました。普段はあまり遭遇しないタイプです。現時点では、いずれも詳細な種について断定できないでいますが、何かわかり次第ご報告させていただきます。脚のオールが2対のタイプのこちらは "Lysmata Z"↑↓https://youtu.be/-1G7LmkTpRw↓ヒゲナガモエビ属 Lysmata の大型ゾエア幼生 のうち脚のオールが3対のタイプこちらを通称 "Lysmata X" と呼んでいます。https://youtu.be/QXJnl2FfQfU通称 "Lysmata X" が、ヒドロクラゲを保持してダンスするように廻っていました。餌を取る道具として利用しているのかもしれませんが、定かではありません。※この子は最大になる第5脚がなぜか両方とも欠損しているようです。 https://youtu.be/q3G_1Nf7oAA⑦オヨギゴカイの一種オヨギゴカイ Tomopteris の1種です。今回の調査では別々の日に合わせて2個体を目撃しましたが、これまで私が遭遇したことなかった、かなり大型種で全長10㎝程でした。おそらく深海棲種と思われます。その泳ぎ方を鮮明に捉えた映像はかなり貴重です。是非ご覧ください。https://youtu.be/pCdBfzq0zVU以上、6月の調査結果の概要をお伝えいたしました。研究発表の都合上、ここですべてを明らかにする事は今はできないものもありますが、これからさらに精査をし、発表へと繋げていきたいと思います。また、新たに判りましたことがありましたら、ご報告させていただきます。次回の調査は7月末に行う予定です。引き続きよろしくお願いいたします。峯水 亮 もっと見る
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