日本画で「ふるさとの記憶」を描き、みんなで地域の未来を語りあおう!@京都・西賀茂

大宮学区は京都市北区西賀茂にある人口17,000人の地域。地域の記憶を絵で表現する「大宮ふるさと絵図」をコミュニティアートとして完成させたい! 地域の子どもと大人がいっしょに、古き良き大宮の暮らしを偲ぶことから、未来の自分と地域の幸せについて考えてもらうためのツールとして活用していきたい!

現在の支援総額

263,000

26%

目標金額は1,000,000円

支援者数

39

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2022/08/15に募集を開始し、 39人の支援により 263,000円の資金を集め、 2022/09/30に募集を終了しました

日本画で「ふるさとの記憶」を描き、みんなで地域の未来を語りあおう!@京都・西賀茂

現在の支援総額

263,000

26%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数39

このプロジェクトは、2022/08/15に募集を開始し、 39人の支援により 263,000円の資金を集め、 2022/09/30に募集を終了しました

大宮学区は京都市北区西賀茂にある人口17,000人の地域。地域の記憶を絵で表現する「大宮ふるさと絵図」をコミュニティアートとして完成させたい! 地域の子どもと大人がいっしょに、古き良き大宮の暮らしを偲ぶことから、未来の自分と地域の幸せについて考えてもらうためのツールとして活用していきたい!

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こんにちは。由佳です。本日は、絵図に描かれている『子どもの遊びとそれぞれの仕事の役割』のお話をします。大宮地域に住むおじいちゃんおばあちゃんが口をそろえて言うことがあります。『昔はよかった』昔と今の何が違うのだろうか。田と畑しかなかったこの土地にどんな楽しいものがあったのだろうか?地域の古老の方に聞き取り調査をしたら、現代とは違う、遊びの中で培われた人と人の温かい繋がりがあったことがわかりました。地域の古老の方に子供の頃の遊びについて聞き取り調査をしました。地域のおじいちゃん、おばあちゃんが、昔はよかった・・・という言葉を話した後、必ず言うことがあります。『沢山遊んだ』と言う。どんな遊びなのか?そして、その後続けて、『年上のお姉ちゃんやお兄ちゃんがいつも面倒を見てくれた』。大宮絵図当時の大人は、田んぼと畑の仕事で忙しかったので、今の時代のように大人が子どもをどこか楽しい所に遊びに連れていく『遊び』(遊園地・バーベキュー)をしてくれることはありませんでした。子ども達は年齢を問わず集まり、年上のお兄ちゃんお姉ちゃんが、地域の下の子ども達の面倒を見てくれました。大人からかまってもらえない時もありましたが、『さみしくなかった。いつも誰かがそばにいてくれた』とお話する古老の方は多いのです。そういう人の繋がりの強い場所で子ども時代を育った女性は、結婚でこの土地を離れた後も、家族で話し合って大宮に戻ってくる人もいます。子ども時代にいい影響を与えてくれた場所というのは、その人にとってかけがえのない場所として存在するということがわかります。何もなかったけど、人と人の繋がりが常にあって、心の豊かさがあった、そんな場所が大宮だったんですね。下絵の中のオレンジ色の線は子供の遊びを表現遊びは素朴なものばかり。女の子の遊び ケンケンパ、お手玉、フラフープ男の子の遊び 野球、木登り川遊びは男女関係なく遊んでいました。下絵の中の水色の線はそれぞれの仕事を表現男の仕事 、力仕事の田起こし。女の仕事、田植え子どもの仕事、手植え網、牛の世話それぞれみんな、仕事の役割がありました。


こんにちは。由佳です。今日のテーマは『この土地で生きる人の一生』についてお話します。私の生まれた田舎(石川県)ではご先祖様から受け継いでいる土地や財産は、その家の長男が継承して守ってきました。おじいちゃんになったら家の裏のお墓に眠り、その土地のご先祖さまになる。このようなローカルな思想は同じ農地の広がる大宮でもあるのではないかと興味がありました。この土地で暮らす人はどんな一生をしているのだろうか。それを知るには絵図当時を知る大宮に住んでいる方からの聞き取り調査が必要でした。図1聞き取り調査をして見えてきた大宮で暮らす人々の一生。聞き取り調査をした方々は、全員絵図当時を知る方で、代々農家に生まれた長男のおじいちゃん、この土地にお嫁に来た70代の女性やここで生まれて育った女性、次男で一度この土地を離れたけど、農業以外の仕事をして戻ってきた方々 です。それをまとめてこの土地に住む人の一生を作ってみました。水色で色をぬっている場所は人が集まっている行事などです。この土地で生まれた長男のおじいちゃんから聞き取り調査をしました。長男は仕事を選べない。農家になるのは当たり前?そのおじいちゃんはたくさんいる兄弟の中で唯一、代々受け継いできた農地を仕事として引継ぎました。仕事は農業をするというのが当たり前であり、子ども時代は家族で大切に育てていた牛の世話の仕事をしていたそうです。農家さんはたいへん忙しいため、子供でも仕事が与えられていたそうです。図1の左下に、『男』と『女』がいますが、『男』が若い頃のおじいちゃんとして、男は力仕事の田起こしをします。田植えは女性の仕事なので、農家にお嫁に来た『女性』を描きました。男と女がいて、子供が生まれて、『父』と『母』になりました。その息子は牛の世話をしていた子どもでしたが、この家の跡取りとして青年として成長しました。成長した青年のその後の人生をどう描くか。70代女性から聞き取り調査をしてわかったこと男女の出会いの表現方法●70代女性『男女の出会いは盆踊りぐらいだった。』人口が少なく、農地がほとんどの地域では、人が集まる行事がお見合いのような場所だったようです。成人した女性が着飾って盆踊りに胸を躍らせて行っていたようすが目に浮かびます。女性から聞き取り調査をして、絵図では跡取り息子が盆踊りで女性と出会って結婚と言う流れにしました。●70代女性『結婚式は家でしていた。』このお話を聞いて、女性が結婚すると『家の中に入る』というイメージが湧きました。絵図では、跡取り息子のお嫁さんは、結婚をするために、この地域の文化的な『門構えの松』をくぐます。門構えの松とは、松の枝が一本だけ長く横に伸びていて、人がその下をくぐれるようになっている松のことです。とても縁起がいいものです。絵図ではお嫁さんが家の中で行われる結婚式のために家に入りますが、家の中ではこれから結婚する旦那さんが待っているという設定にしてあります。●70代女性『布オムツだったから、庭の物干しにはたくさんの布オムツが干してあって壮観だった』赤ちゃんを育てるのに重要なのが、オムツ問題。そこをちゃんとしないとオムツかぶれになったりで大変です。私は紙おむつで子育てをしたのでオムツが汚れたらポイッとゴミ箱に捨てていました。絵図当時は何度も繰り返しオムツ使用していました。また、この家には赤ちゃんがいまーす、というメッセージがあるようで面白いなと思いました。この土地に生まれた次男のお嫁さんのお話。旦那さんが農家の次男のため、農業以外の仕事に就くため大宮を離れて都会に住んでいましたが、この土地が好きで戻ってきたご夫婦のお話を聞くと大宮への愛着が伝わります。●次男のお嫁さん『ミルクなんてないから赤ちゃんに母乳をあげました。』絵図の家の中では『子育て』が行われています。絵図では赤ちゃんに母乳をあげるお嫁さんを描いていますが、大っぴらにそれを表現するのではなく、家の前の柿の木にわずかに隠れて描いています。赤ちゃんはすくすく成長をしますが、図1の右側にいくと、冬の仕事のしめ縄づくりが描かれています。ここで、お嫁さん、子供達、おじいちゃん、おばあちゃん、息子が登場。家族が増えて、おじいちゃん、おばあちゃんから次世代にしめ縄の技の継承が行われ、その後、おくどさんに行き、人の死になります。結婚式とお葬式をどう表現するか。昔はこの二つは地域の人が集まって行われていたものでした。絵図ではおくどさんという、竈門で煮炊きをする地域の人を描いて、お葬式を意味する白黒の垂れ幕の鯨幕を描いています。 


こんにちは。由佳です。大宮絵図の下絵に、二つの違う色の折れ線グラフを描きました。これは藁と竹の使用した行事やこの素材で出来た物を、一年間の中でどの季節に利用されているか表しています。絵図には時間軸が存在していますが、季節によって形を変えて人々に使用される二つの植物は、なぜ大宮で利用されてきたのか、どうやって使われていたのか、絵図の一年間を見ていこうと思います。大宮という土地は、なぜ、この二つの植物をよく使うのか。それは大宮地区は大部分が農村地帯だったからです。田んぼや畑が多かったため、稲を収穫した後、藁を家で保存し、一年中使えるようにしていました。また、この土地は竹林も多く存在しました。竹は一年中取れる植物です。一年を通していろんな行事にも使用できたのです。季節の行事によって形を変えて使用されている二つの植物は、この土地にあった植物だったからです。二つの折れ線グラフの説明●藁の一年はオレンジ色の折れ線グラフです。藁で紐や袋を作ったり、地域の行事に利用されています。藁は水をつけてたたくととても柔らかいのでいろいろな形に変わることが出来ます。絵図に描いてあること。左から①はかまづくり(小正月のどんどの飾りとして使用)②正月の飾り(正月に使った飾りをどんどで燃やす)③縄で牛と農具をつなぐ(ロープとして藁を使用)④収穫した稲を藁でまとめる(ロープとして藁を使用)⑤むしろ(藁で編んだ敷物)、かます(藁むしろで作った袋状のもの)。⑥お正月飾りを作る(冬の仕事 農家の収入源)一年中青々としている竹。一年を通して様々な行事に使用できた。●竹の一年は緑色の折れ線グラフです。竹で櫓を組むために長い竹を使ったり、松明のように短い竹を使ったり、長い竹は長さを調節できます。絵図に描いてある事①お土居の竹林 (大宮絵図当時子どもだった方『昔はお土居は竹林だった』『あちこちに竹林はあった』)②松明作り(小正月のどんどに火をつけるための松明。)③その年の干支の子が(小学6年生)松明でどんどに火をつける。④竹で櫓を組む(5メートルにもなる竹で三角錐の形にしてどんどを作成。)⑤門松燃やす(どんどでは門松やお正月飾りを燃やします。)⑥伊勢神宮でもらった札を、竹の棒で田の水口にさす。(短い棒として使用)⑦七夕(笹に願いを込める)⑧竹で稲木を作る(収穫した稲を干すところで長さが必要)⑨門松作り(冬の仕事 農家の収入源)大宮を取材してきてわかったこと二つの植物は大宮地域の土地(自然)に関係していて、この土地に住む人々が形を変えて利用してきたことがわかりました。身体的な技が親から子へ継承されて、その記憶はたえず受け継がれてきました。技の歴史がこの土地にはありました。私はなんでもお金で買う事ができる時代に生まれました。里の中で暮らし、親から技術を継承して、自分でなんでも作ることができる人々とは違います。里で暮らすという事は、それに必要な技を継承しなくては生きていけません。 その人が生きていたから、継承してきてくれたから残っている技の歴史が大宮の藁と竹にはあります。私は田舎で生まれましたが、父の転勤で移動ばかりしていたので田舎の祖父母から技の継承を教わることはできませんでした。でも、私が都会に住んでいた時、イベントで藁草履を作るというのに家族で参加したら、父が誰よりも上手に作っていたのを見てびっくりした記憶があります。父には里で暮らすために必要な技が身体の中に継承されていたのだと驚きました。経験や継承を受けなければ作れない藁や竹の道具はその人がいなければ残り続ける事ができません。私は、この藁と竹の歴史や技の継承がいつまでもこの土地に残っているように祈りをこめて、目に見えない歴史を描きたいと思います。次のテーマもお楽しみに。


8/25に出演させていただいたコミュニティFM(FM87.0MHz RadioMixKyoto)の「キタキタ!& 大谷大学ハッピーアワー」の報告がFacebookページに掲載されました。様々なリンクも貼られていますので、ぜひアクセスしてみてください。【報告】大谷大学ハッピーアワー!第322回(2022/8/25)ラジオの音声が聴けます こちらをクリック(谷崎由佳は3分17分あたりから登場します)


絵図に時間軸を作って風が吹くように季節を動かしたい。この絵図には時間軸があります。過去から現在、未来へと経過していく時間の流れ 、変える事のできない、すべての人に平等に与えられたもの。絵図の一番左は1月、一番右は12月として時間を設定して月日を表現。また、人が生まれてから命が終わるまでの時間軸も存在します。人は生まれ、どんな人とご縁があり、地域のどんな行事に参加して人生を送ったのか、何を見て、何を感じて生きていたのか、人の一生の歳月も左から右に行くにつれて進むように描きました。ねらい作品の流れに視点をまかせることで、自然と作品を見る事ができるのではないか。絵巻物を見ているように、絵図の物語を見てほしいと思ったから。一番左の1月にはお正月の行事を描き、8月には送り火の行事が集まり、絵図上には五山の送り火があります。一番右の12月には新年に使うお正月の飾りを作る家族を描いています。大きな赤い矢印の動きのように人の一生も一年の月日も過ぎていくその中心の『船山』は、始まりと終わりとして存在しています。ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず (方丈記)川の流れのように、幸せも、悲しみも、時とともに過ぎていき、なにごとも移り変わっていく、人の人生とはそういうはかないものかもしれません。しかし、それぞれの流れの中で私達はほんの一瞬を生きていますが、情熱をかけて生きていること、その土地の歴史に比べれは点にすぎないかもしれないけど、毎年同じ行事を同じ場所で行い、親から子へ里で暮らす技の継承を繰り返していくことで次の世代に受け継がれ、『点』すらも、何度も繰り返すことで大宮という土地に根付いてこの場所に色を残していくのではないでしょうか。私はそういうものを鳥瞰図で描いていきたい。次の③からは大宮絵図のテーマについて解説。おたのしみに。


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