こんにちは。HAM2022事務局の阿部七海です。
10月1日に『ディスカッション:公共をかたる言葉をつくる』を開催しました。
HAM2022の7つ目のイベントです。
それぞれ異なる領域で「公共」に関わり、働きかける3名のゲストと一緒に公共について話してみる、という会でした。参加者の経験談や質問も交えつつ、それぞれのゲストの取り組みや経験、考察について聞いて「公共」についてみんなで探る勉強会のような集まりになりました。
Instagramにアーカイブを残しています。ぜひリンクからご覧ください。
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ここでは、このイベントを通して私が学んだことをお裾分けしたいと思います。
上田さんとのお話しでは、「公共」という言葉が一般にどのように使われているのかを見つめ直す視点を教わりました。
まずはwikipediaでの定義を見てみることから始まり、ハンナ・アーレントという政治学者が分析した公共の空間について、アーレントの言説からははみ出した「公共」の問題について、公/私がどのように区分されるのか、公/私の境界を揺らがして変化を起こす可能性についてなど、学術的な歴史を踏まえながら公共について語っていただきました。
石塚さんのお話では、「公共とデザイン」の具体的な実践例を挙げていただきながら、ソーシャルイノベーション・ラボという取り組みについて教わりました。
ソーシャルイノベーションは、個人だけ、行政だけで変えられることに取り組むだけでなく、行政と個人が関わるところに社会の形ができていくということに目を向けて、2者間の関わり方を変えようとする。というのが私の理解です。「公共とデザイン」の取り組みは、行政と個人がそれぞれ新しい関わり方を試してみることで、これまでになかった変化が社会に生まれていく、その可能性を開いてくれるものだと思いました。
光岡さんには、「秘密の庭」、「出口はつくれる」、「指すところ」、「あっちとこっち」など、これまでに制作された作品の話をお聞きしました。
ここで挙げられた作品は、光岡さんが街の中にある他者の生活にふと関心を向けることがスタート地点になっています。光岡さんが関心を向けた相手と光岡さんは全くの他人同士だけど、光岡さんの側からはもう切り離せない存在になっている。微妙な関係性だけど、相手に引き寄せられる引力にまかせて作品を作り出し、その関係性の可能性を表現する。それが光岡さんの作品であり、このことが私が光岡さんの作品に「公共性」を感じる理由であると思いました。
さて次回のイベントは、HAM2022のメインイベントであるパフォーマンスイベントです。
今のところ雨予報ですが、10月8日〜10日または10月15日〜16日に開催します。
ぜひ足をお運びください!
■HAM2022『パフォーマンス : わたしより大きなりんかくがみえる』
出展作家 : 石﨑朝子、加藤真史、トモトシ、速水一樹、光岡幸一
会期 : 10/8(土)〜10/10(月) 12:00-17:00
※作品によって上演日時が異なります。雨の場合は10/15〜10/16に延期します。
会場 : 茨城県つくば市中心市街地の公共空間
つくばセンター広場、ペデストリアンデッキ、松見公園、つくばセンタービル1階「co-en」イベントスペース、つくば市街
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