教師同士の学び合いのための「授業研究」とは
教育こそが、「誰もが自分らしく生きられる」ために最も大切なこと。
そしてSALASUSUが育成を目指す教師=「人を育てる人」とは、知識を教えるトレーナーでなく、ファシリテーターのようなトレーナーです。
そんなトレーナーをどう育てるべきか。
よりよい手法を模索する中で、「授業研究」というアプローチに出会い、実践してきました。
授業のテクニックや、教科の理解を深めるためのトレーナー育成も大切ですが、教室の生徒全員が、誰一人取り残されることなく学びを得られるような授業を行う教師育成のためにには、授業現場での「授業研究」が欠かせないと考えています。
「授業研究」は、参観者が授業中の子どもの様子を観察して、生徒の様子から授業改善のための学びを得る方法。
実際の授業での生徒の様子を教師同士で観察し合い、どうすればより生徒に学びを生み出すことができるか、とより良い授業のあり方を追求していきます。
みんなで授業を観察したあと、「生徒の様子を観察する中で、今日教師たちが新しく学んだことは何か?」という問いで議論をしていきます。
生徒は授業の中でどれくらい学べているか?
例えば、学びを促進するために生徒同士のコミュニケーションを生むにはどうしたらよい?
実際の授業の中での生徒の様子を録画したものをみんなで見ながら、観察・振り返りを行い、実際の生徒の様子から学んでいきます。
この「子どもの観察を中心とした授業研究」では、授業に参加した教師でも生徒でもなく、観察をする参観者が主役。
「教室にいる生徒全員が学び続けている」ような授業はどのようにしたら作れるのかを考えるのです。
カンボジアでの「授業研究」実施への挑戦
現在実施している「教師育成」を目的としたカンボジア労働職業訓練省との共同プロジェクトがJICA草の根技術協力事業でも、まさにこの「授業研究」という手法を取り入れています。
学校の垣根を超えて教師たち同士で学ぶことは、カンボジアの教師たちにとっても非常に貴重な機会。
普段関わることのない教師同士で悩みを共有し、繋がりを作ることは、彼らのモチベーションにも繋がります。
「授業研究」を中心にした教師育成研修は、2019年、職業訓練センター講師向けのTOT研修がJICA・草の根技術協力事業に採択されました。2021年より開始された全国の職業訓練校のトレーナー養成への参加者人数はのべ83名、対象校は24校にのぼります。
私たちが工房で大事にしている「誰もが学び続けられる授業」を、工房にとどまらずカンボジア全体に伝えていくため、これからも活動を続けていきます。
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9月23日(金)20:00〜、「授業研究」をはじめとする教員育成の専門家である津久井純先生をお招きして、お話をたっぷりお聞きします。
まさに今回のクラウドファンディングのメインテーマでもある「教師育成」を取り扱うこのイベント。ぜひ多くの方にお越しいただけるとうれしく思います。当日のFacebookライブや後日のアーカイブ配信も予定しています。ぜひお気軽にご参加下さい!
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