待ちに待った赤外線カメラのデータが、モンゴルから届きました~!! 11月から春までの間、極寒の地で撮影したデータです。 さて、ユキヒョウは撮れていますでしょうか。ドキドキ。 このあと、動画と画像を解析して、データのまとめ作業に入ります。 データがまとまり次第、パトロンの皆さん (赤外線カメラの写真、もしくは写真と動画のコースを申込まれた方)に お送りさせていただきます。お楽しみに! また、ユキヒョウを飼育している動物園にて 動画や写真を展示し、保全の大切さを伝えていく予定です。 そちらも決まりましたら、改めてお知らせしますね。 取り急ぎ、ご報告まで^^
モンゴルでのカメラ設置に関する旅のお話は今回で終わりです。 今回は、Ulaanbaatarに帰るまでの最終日のお話です。 まずはこの一枚! さて、私はどこにいるでしょう(笑)? 長い間お世話になった遊牧民の家族が飼っている羊と山羊たち。 たーくさんいるのが分かりますか!? 遊牧民の彼らにとって、羊と山羊は大切な財産になります。 羊や山羊は食用だけでなく、彼らを売ってモノを買ったりもします。 ゲルを去る日の朝、羊を解体するということで、その作業を見させてもらいました。 解体はものの15分ほどで終わり。とても素早かったです。 羊も鳴くことなく、血を一滴もたらさずにすべてを取り分けました。 遊牧民の彼らは、血の一滴すらムダにすることなく腸に詰めて大事にいただきます。 毛皮も、服やゲルの壁に使って暖を取ります。 ここには密接に動物と人の関係があり、 動物や自然の尊さを彼らは強く知っています。 豊かな自然がなければ、彼らの生活は成り立ちません。 この滞在期間を通じて、彼らは私たちにたくさん教えてくれました。 「ユキヒョウやたくさんの動物、植物があること」 それは彼らの生活の場が豊かであることの象徴なのです。 BagaBogdからArvaikheerまで7時間のジープ、 そしてさらに長距離バスに7時間乗ってUlaanbaatarに帰ってきました。 この日のUlaanbaatarの最低気温は-19度…。 空気が澄み渡っていたBagaBogdとは違って、 Ulaanbaatarの町は灰色の煙に巻かれ、 黙々と白い煙があちらこちらから湧き出ていました。 人が求める「豊かさ」とは何か? BagaBogdからUlaanbaatarに帰ってきた私たちの胸には、 今までになかった疑問が心の中に芽生えました。 最後の写真はUlaanbaatarの上空から。 青い空の下には、灰色の煙が街を一面に覆っています。 人が求める「豊かさ」は、人の数だけ多様です。 社会が大きく変化していく中で、何が正解で何が間違っているのか… 線引きをすることはとても難しいことです。 ただ、鉱山の開発が進む中で、動物たちの生息地は減り、遊牧民の生活の場も年々縮小しています。 大草原のモンゴルと、経済が急成長しているモンゴル。 できるかぎり、多くの人々にとって豊かである社会を、私たちは望んでいきたいと思います。
今回は、BagaBogd山で最後に設置した赤外線カメラのお話です。 頂上に近い位置に設置した後(前回の報告を参照)、 何か発見物はないかと探しながら下山。 すると、動物の死骸(骨)を見つけました。 これも、ユキヒョウが食べた跡なのでしょうか? 他にも、雪の上に矢印のような面白い足跡を発見! 鳥の足あとのようですが、点々と一列に並んでいて、 まるで道しるべのようです。 そして、下山すること2時間。 ジープを止めていた麓の大きな岩(緑の輪のあたり)に ユキヒョウの尿スプレーの跡を見つけました。 最後のカメラは、ここをめがけて設置しました(赤い輪)。 岩の陰に来て、尿スプレーをするユキヒョウを 写真に収められますように。 赤外線カメラ設置の報告は今回で終わりです。 冬が始まる11月に設置したカメラたち。 その写真や映像は、この春、回収に向かいます。 どれほどのユキヒョウの映像が捉えられているのか… たくさんのユキヒョウが写っていることを願うばかりです。 この日の夜は、最後のゲル宿泊ということで、前回の揚げ餃子に続き、 今回は焼き餃子をいただきました! ゲルの持ち主のお母さんが、食べきれないほど作ってくれたたくさんの餃子たち♪ この日は、かなり過酷な登山だったので、 みんな無事に帰って来れた喜びをかみしめながら、美味しくいただきました。 そしてその翌朝…。悲劇が起こりました。 夜中にせかせかと、ネズミたちがゲルを駆け回る音。 餃子は彼らにとってもこの上ないご飯だったようです…。 私のブーツを住処にして、残った餃子やパンくずを奥に奥にご丁寧に詰めて隠していたのです。 それを知らずに、翌朝スッとブーツに足を入れた私。。。 ゲル中に悲鳴が響き渡りました…。 おかげさまで、帰国しても私のブーツから餃子の香りは消えず、 忘れられない思い出の香り…?となりました(笑)。 つづく。
今回は、前回のKhoid Khankh valleyで行ったカメラ設置の続きです。 いよいよ、標高3,300メートルでのカメラ設置について報告します。 前回もお話しましたが、Baga Bogd山は頂上でおよそ標高3,600メートル(富士山 とほぼ同じ高さ)。 頑張って山を登り、およそ頂上付近でカメラを設置しました! はじめは、写真のようにずっと谷を歩いていきました。 ドライバーのビャオ(通称)がいるのですが分かりますか? そして途中から、写真の矢印のように尾根伝いを登っていきます。 上の写真から約1時間半かけて、こんなところに到着。 写真ではなかなか伝わりにくいのですが、どんどん傾斜が高くなってきています。 ところどころ草や岩、雪が点在していました。 岩がごろごろしているところに雪が薄く積もっているので、 何度も足を取られ、こけることもありました。 そこからさらに登ること40分、この辺りまで登ると、下の写真のようにだいぶん見晴らしがよくなります。まるでヘリコプターで飛んでいけそうな景色ですよね。 傾斜が急なので、座って撮るだけでこんなステキな写真が撮れました。 逆を向くと、ユキヒョウの巣穴らしき岩々まであと少し。 緑の輪のあたりにはユキヒョウが使いそうな岩がたくさん並んでいました。 アップにすると下の写真のような感じです。 そして、今いる場所の右側にカメラを置けそうな場所を発見したので、今回はそ こに2台のカメラを設置することにしました。 カメラを置くために岩を組んでいる風景ですが、かなり傾斜が高いことが分かり ますか? 膝をつかないと後ろにひっくり返って落ちてしまいそうで、下を見るのも少し怖 かったです。 ここはDr. Munkhtsogも初めて設置する場所ということで、万全を期して両方と も静止画モードでたくさん記録をとれるようにしました。 私たちの予想では、ユキヒョウが矢印のように斜面を下りてくるのでは!?と考え、カメラを設置しました。 どうにか撮れますように、と。 下の写真は、下山している様子です。 赤い丸のところに赤外線カメラを残して、1時間半かけて無事に谷まで下りました。 上の方は、かなりの急斜面だったので、ソリのように滑り落ちる勢いで下山しました(汗)。 つづく。
今回は、Khoid Khankh valleyで行ったカメラ設置について報告します。 この谷では、これまでの中で最も傾斜のある場所にカメラを設置しました。 Baga Bogd山は頂上でおよそ標高3,600メートル(富士山とほぼ同じ高さ)になりますが、 今回は3,300メートルまで登ってカメラを設置しました。 まずは道中で見つけたものを紹介します。 ここは標高が高いため、乾燥していても、ちらほら雪が積もっていました。 また、川も見事に凍っていました。 そんな中、ユキヒョウのものらしき足跡を発見! しかし、悲しい発見もありました。 そこから20分ほど歩いたところに、石がたくさん組まれている場所が…。 これは、密猟者が岩陰に隠れて動物を捕えるために作ったものです。 どのような動物を捕えていたのかは分かりませんが、 この場所で密猟があったことは確かな事実だと思います。 キャンプをした後もありました。 そこからさらに1時間ほど歩いたところに、ヤクの死骸がありました。 おそらくですが、ユキヒョウが食べた跡と思われます。 まだ全部は食べきっておらず、残っている部分は腐ることなく凍っていました。 石と雪が入り混じる雪道を歩き続けること2時間、 写真のようにところどころ太陽が当たる場所は、 雪が少なく、たくさんの大きな岩場が露出していました。 こういった、大きな岩場をユキヒョウたちは巣穴にします。 下の写真のように、ゴツゴツした岩場がたくさんあるのが分かりますか? これだけあれば、どこかにユキヒョウがいてもおかしくなさそうなのですが、 私たちの目では彼らを見つけることは困難極まりないです。 よーく見れば、本当はこっちを見ているユキヒョウがいるのかもしれません。 もしも写真の中で発見された方がいましたら、ぜひご一報をお願いします^^ つづく。