前回までのレポートで、ケニア共和国ホマベイ郡での早すぎる妊娠の現状や問題点、その分析などをお伝えしてきました。
これまでの調査を通して、なぜこの早すぎる妊娠の問題が起きてしまうのか、その原因が明らかになってきました。
・性行為や妊娠についての正しい知識を知らない子ども・若者たちが圧倒的
・避妊を知らなかったり、その方法にアクセスできない
・周りに相談できる相手がいない
しかし、これではまだまだ不十分。
「ビタの子ども・若者たちは、何を知っていて何を知らないのか」について知る必要がありました。
今回は、子ども・若者を集めたフォーカス・グループ・インタビューで見えてきたことをお伝えします。
フォーカスグループインタビュー
ちょっと緊張しながら入ってきた子どもと若者の中間の少年少女たち。年齢は14歳から18歳までさまざまです。
アイスブレイクの体操とアクティビティをして、現地スタッフがグループに質問を投げかけていきます。
子どもたち自身で架空のケースストーリーを読み聞かせしあって、出てきた登場人物たちは何ができたのかを考えたり。
興味深かったのは、「何歳になったら彼氏/彼女と付き合ってもいいと思う?」という質問に対する答え。
「24歳」「20歳」「23歳」と、高めの年齢が続きました。掘り下げて聞いてみると、「まず学校を卒業して、そして働いて、そしたら誰かと付き合って子どもをもっていいと思う」とのこと。「付き合う」=「(避妊のない)性行為をする」=「子どもができる」という認識でした。
パートナーができる可能性を考えてみた時に出てきたのは、付き合うか・付き合わないか、そして性行為するか・しないか。たとえば彼氏彼女がいても必ずしも性行為をする必要はないことや、避妊をしたうえで性行為をすること、という見方は出てこなかったのです。
これはつまり、それらの知識や情報を持っていないということ。
正確な妊娠・出産、性に関する知識や権利について、子ども・若者たちが知ることができるようになるところから始める必要があります。
たくさんのアイデア
また、さらに興味深かったのは、「『早すぎる妊娠』について、あなたたちが自分たちで活動をするとしたら、どんなことをしたい?」と聞いたときのこと。
「ユースを集めてHIV検査と情報発信をしたい」
「カウンセリングも」
「水泳大会で人を集めて話す」
「マーチバンドを作って街を練り歩く」
次々とアイディアが出てきます。アイディアは多種多様で、またほとんど「早すぎる妊娠」に関したアクティビティであることにも感心しました。
誰かに何かを伝える、というのは、まず自分自身がそのことをよく理解しなければ伝えられません。
事業に参加する子ども・若者が主体性を持って活動できるようになれば、彼らの知識がまず向上し、さらには同年代にも刺激を与えられるのでは、とポジティブな感触を得たフォーカス・グループ・インタビューでした。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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