「テロワールで飲むとワインの味わいが変わる」
というと、ワインに詳しい方ほど、「そんなはずはない!」と断言します。
そして、実際に飲んでみて、「あれ…?」と首を傾げます。
私たちの味覚は、私たちが思っているよりずっと、味覚以外の感覚に左右されるものです。
嗅覚と味覚が混同されやすいことはご存じの方も多いと思いますが、実は私たちが感じる「美味しさ」の感覚は、それ以外の五感(視覚、聴覚、触覚)にも多く影響を受けています。
高級な薄いワイングラスで飲む時と紙コップで飲む時。
同じワインなら、どちらが美味しく感じるでしょうか?
これは、口に触れる触感だけのことではありません。
手にした瞬間の紙コップの乾いた質感、グラスを持ち上げるときの重さや、薄く繊細なガラスの質感、触れ合ったときの透明感のある音…。
そういった五感で感じ取る情報のすべてが、私たちの「美味しさ」を作り上げているのです。
これを「共感覚」と呼んだりもしますが、私たちの五感は決して独立して機能しているものではなく、お互いに影響を与えながら私たちの体や心を支えています。
漆で作られた「テロワール」は、唇にふれる質感はもちろんのこと、手のひらに包み込んだときの感覚もグラスとは全く異なります。
木のぬくもりと漆のしっとりとした感覚は、ワインを口に運ぶ前から、私たちの味覚をしっかりと刺激してくれているのです。
どことなく湿度を感じる漆器の質感には、触っているだけで癒やされるような優しさがあります。
ワインを手の中にすっぽりと収めて楽しめるのも、熱を通さない木製の「テロワール」ならでは。
漆器だからこそ実現できるワインの新しい味わいを、ぜひ「テロワール」で体験してみてくださいね。