本著に寄稿する著者紹介をシリーズでお届けする”達人紹介 ”。
第6回目は、この2名の ”コーヒーの達人” をご紹介します。
中平尚己(なかひらなおみ)
UCC上島珈琲㈱農事調査室室長
コーヒーはミラクル!
私は1991年バブル経済が弾けた年にUCC上島珈琲(株)に入社した。当時コーヒーは私の好きなものの一つで、決して特別なものではなかったが、営業職に割り当てられ、慣れないセールスに苦戦しながらも成功の助けになったのは『コーヒー』だった。知れば知るほど楽しくなり、武器になり、人と人を繋いでくれる。視点を変えると、集中力を高めてくれ、ある時は安らぎをもたらしてくれたりもする。
農事調査室に所属した現在、コーヒーは私を世界の果てまで連れて行ってくれる存在だ。
いつの間にか私はコーヒーの虜となり、気が付けば『コーヒーの専門家』と呼ばれるようになっていた。自身を顧みると、若輩でまだまだ至らず、とても恥ずかしい限りではあるが、これもコーヒーの魔法の一つなのかも知れない。
今回の主人公である大西さんとの出会い、そこからのROTA BLUE COFFEE!
なんてミラクルなんだ!私はまだまだコーヒーの魔力から逃れられそうにない、、、
飯田敏博(いいだとしひろ)
鹿児島国際大学名誉教授。
一日に3軒以上喫茶店に通った名古屋人を父に持つ。鹿児島で初めて「コーヒーを楽しむ会」を開催する時に、自家焙煎のコーヒー店主たちから実行委員長に指名された。コーヒー・喫茶店好きが趣味の領域を超えていることが評価されたらしい。学生たちから「コーヒーの先生」と呼ばれるが、本当は英語の教員である。専門は英文学で、日本バーナード・ショー協会の元会長でもある。
私が研究する英国の劇作家バーナード・ショーは残念ながら、コーヒーを飲まなかった(らしい)。しかし、日本には、コーヒーが好きで、「コーヒー」や「喫茶店」をイキイキと描く作家がいてくれた。獅子文六である。彼の小説を読むと、舞台となる街やそこに住む人々がいとおしいほどに身近に感じられる。あふれるユーモアのセンスと鋭い人間観察力を基にした極上ブレンドの文章であるとも言える。彼の全集をひっくり返している間、夢中になり過ぎてしまうことだけが問題である。