
皆様、いつも温かい応援を賜りまして誠にありがとうございます。
■ご報告
ハダニ、根腐れの影響が大きくなり、前回のご報告よりも早く対策を取りました為、改めてご報告致します。
(2/17実施)
※ハダニの駆除について
ハダニは非常に小さく繁殖力・薬剤耐性の面でも完全な駆除は困難と考え、ユニットの植物を全て撤去することといたしました。
ユニット本体にも成体や卵が付着している可能性もあるため、殺ダニ剤の燻煙処理を行いました。また、1℃程度の低温にて卵の不活性化を行いました。
孵化の可能性はゼロではございませんので、定植前に再度別種の殺ダニ剤の燻煙処理を行います。
※根腐れ対策
植物の撤去時に、原因となるいくつかの株が見つかりました。養液タンク内の銀イオンシートでは除菌が追いつかず、菌の繁殖につながったようです。
TOP写真のように360穴全てにスポンジを入れた育苗カップで蓋をし、水路を次亜塩素酸ナトリウム溶液にて24時間、その後真水にて濯ぎ作業(24時間×3)を行い、本日終了予定となります。
根腐れの原因となりますピシウム菌はほぼ100%除菌できているかと思いますが、今後銀イオンシートの枚数を増やすことで再発を防いでいきたいと思います。
■今後の予定
今後は横型ユニット(DFT)を一株多果取り用、縦型ユニット(NFT)を一株4果取りとして栽培を進めてまいります。
現在抱えている問題としまして以下2点が挙げられます。
・実の肥大不足
・着果率の低さ
これらの解決策としまして以下の内容を実施いたします。
・育成ステージに合わせた液肥の使用
・溶存酸素濃度の増加(エアレーションの追加)
・人工授粉後、離層部へのベンジルアデニン塗布
■育成ステージに合わせた液肥
成長によって必要となる栄養素が変化してまいりますので、今までの全ステージ同配合ではなく、6ステージに分けて液肥を変化させることとします。
1:育苗(0〜2週)…根と葉の成長促進[EC値1500uS/cm]
2:生育(3〜6週)…ツルや葉の発育強化[EC値2500uS/cm]
3:開花・受粉期(7〜8週)…花・果実の形成[EC値3500uS/cm]
4:果実肥大期(9〜10週)…果実のサイズUP[EC値4000uS/cm]
5:糖度向上期(11〜13週)…糖度UP・水ストレス管理[EC値4500uS/cm]
6:収穫前(14〜15週)…最終調整(甘み向上)[EC値4500uS/cm]
ステージごとの各栄養素増減は以下の通りです。(メロン栽培時は養液が酸性へ偏りますのでアンモニア態窒素(A-N)は含んでおりません。)
窒素(硝酸態窒素N-N)を徐々に減らし、カリウム、カルシウムを増加させることで、実の肥大と糖度アップにつながると考えております。
また、育成初期では根の浸透圧ストレスを抑えるため養液濃度(EC値)を低めにし、酸素を多く送りながら徐々に濃度を増加させることで、根を成長させ、実の肥大につなげます。

■離層部へのベンジルアデニン塗布
人工授粉を行っても受粉に失敗することが多いため(成功率 約35%)、人工授粉後8日目を目安に、ホルモン剤ベンジルアデニン(ベンジルアミノプリン液剤)を0.1%の濃度にて、離層部(茎と実の境目)へ塗布いたします。
露地栽培でも高い着果率(76%以上)を示している濃度・塗布方法のため、今後の着果率の大幅向上に期待しております。また、実の肥大にもつながります。
以上の内容にて今後のメロン育成に努めて参りたいと思います。種子は2/18に播種しまして、現在液温26.5℃を保ち発芽を促しております。
明日にも発芽が始まり、ユニットへの定植は週明け前半を予定しております。
以上が前回のご報告からの変更点となります。
返礼が遅れており誠に申し訳ございません。今しばらくお時間を頂けましたら幸いです。
何卒よろしくお願い致します。



