
皆様、いつも温かい応援を賜りまして誠にありがとうございます。
メロンの肥大が進みまして、現在市場に出回る小ぶりのメロンと同等のサイズに成長しております。
直近一週間の平均気温から予測される収穫予測時期は7/5からとなります。
■育成状況
育成ステージはステージ5(糖度向上期)に入り、ステージ5用液肥に切り替え、ポンプをタイマー制御に切り替え、水切りストレスを段階的に1h→1.5h→2hと徐々に時間を長くしております。
収穫二週間前(ステージ6)からは、葉が萎れ始める3hまで水切り時間を延長して参りたいと思います。
(萎れ始めであれば灌水により復旧いたします。5h程度水切りしますと葉が枯れる確率が大幅に上がります)
また養液濃度は4500uSまで高めて参ります。この数値は一般的な濃度1000〜1500uSと比べかなり高濃度となり、養分の吸収がしにくくなります。高濃度にしますのは同時に上昇する塩分濃度をあげ、栄養を与えながら吸収ストレスを与え、糖度を向上させる効果を念頭に置いております。
※5月10日

※5月13日(三日程度で肥大が目視可能です)

※5月17日(C,D列)

※横型も順調に肥大(写真ではわかりにくいですが手のひらより大きいサイズです)

※タイマ制御により綺麗な網目を形成

※成長の遅いの実が水切りのリズムと合わず、外皮が大きく割れました。水切り間隔変更時期を見直します。
※現在の最大サイズ。網目のコルク層形成を待ちます。

■ナノバブル発生装置開発
発根を促す溶存酸素濃度(DO)は非常に重要な値です。通常のエアレーションでは気泡が大きく、酸素が養液に溶け込む前に浮上してしまいます。
その為、気泡を目に見えないナノサイズにまで剪断するナノバブル発生装置を開発致しました。
市販のものもございますが、価格が非常に高く、これから水耕栽培に取り組んでいかれる農家様が導入しようとすると大きな障壁となります。
そこで、家庭用の3Dプリンタで作成可能、物理的作用のみで気泡剪断が可能な省電力ナノバブル装置を設計致しました。材料費100円ほどで作成可能で、将来的に東根全体でメロン生産を行う際の一助になればと考えております。
以下、試験的に発生装置を動作させたDOの変化になります。DO値を示すグリーンのグラフが上昇し、平均5→6mg/Lとなりました。

ただし、水道のような高圧ではなく、小型のポンプによる低圧下でナノバブルを発生させることが難しく、まだ効率化の面で課題が残っております。
本日5/31より発生装置を3本マニホールドにて連結した装置の実験を開始致します。
通常水温が高いほど溶存酸素濃度は下がりますが、装置導入後は水温による変化が少なく、安定したDO値をキープしておりますので、一定の効果が期待できると考えております。
※3本のナノバブル発生装置に均等圧力を与えるマニホールド。

※圧力をかける前。大きな気泡が確認できます。

※水槽用小型ポンプによる加圧。気泡がナノサイズに剪断され目視できなくなります。透明な容器であればチンダル現象で確認可能です。

■今後の流れ
この度の栽培手法にて、閉鎖循環型水耕メロン成功の光が見えて参りました。今回の栽培分で全ての支援者の方へ発送量確保が難しいと考えており、順次発送を行わせていただきたいと存じます。
約2年かかってしまいましたが、あと一息と感じております。皆様の応援があり、ここまで来れたと感じており、改めまして御礼申し上げます。誠にありがとうございます。
全ての返礼が終了するまで、気を抜くことなく邁進して参りたい所存です。今しばらくお時間をいただけましたら幸いです。
また、東根市農林課、ブランド推進課、JAさくらんぼひがしね様とも相談させて頂き、やまがたフルーツ150周年の節目に「ひがしねクラリス メロン研究会」の発足を考えております。
ハウスの空きスペースでの水耕栽培など、この度のデータを提供しながら東根市全体で水耕メロンの生産体制を構築し、目標である新たな東根の名産としていきたいと考えております。
併せて応援頂けましたら幸いです。



