皆様、多くのご支援ありがとうございます。
今回も折り紙作家山本が、『時折2024』に収録されている作品の紹介をしていきます!
【時折2024 作品紹介】では、それぞれの月のテーマとなる12の作品について一つずつご紹介していきます。
※作品写真は本番の紙で折る前の「試作」状態のものを含みます。商品に掲載されるものは紙質や色など、より見栄えのする状態になっているかと思いますのでご期待くださいませ。
今回の特集:6月掲載分「ウェディングドレス」
みなさん、折り紙してますか?
この作品紹介も本日でいよいよ最後となります。
今回は6月の作品、「ウェディングドレス」です。
この題材は8月のテーマ「太陽」と同じように、完成イメージをある程度固めてから作る必要がありました。
これが動物であれば、「とりあえず頭としっぽ、脚4本を生やせるような構造を考えよう」といった感じで、ある程度手癖やセオリーを用いて作り始めることができます。
しかし今回の題材はそうはいきません。
平面にするか立体にするか、人を作るかドレスのみにするか。
この大枠を決めあぐねているあいだに、ラインナップの中で唯一未着手の題材となりました。
締め切りは非情にもどんどん近づいてきます。
もうこうなったら、先に完成形を決めてしまってとにかく手を動かすしかありません。もし頓挫したならまた方向転換すればよいのです。
そこで、「立体作品」「人は省いてドレスのみを作る」と、カレンダーの見栄えと難易度を上げすぎないことを考えながら仕様を固めました。
さて、ドレスのプリーツを表現するのにはやはり「蛇腹」が向いていそうです。
蛇腹は「コイ」の記事でも登場した手法で、紙を縦横に等分した線を基準にした構造です。
まずは16等分で試作をしてみました。16等分は、紙を半分に折り続けることで簡単に作れるのでお手軽な等分数です。
この時点である程度兆しが見えてきました。立体的なスカートと、上半身の色分けを使った構造が表現できています。造形を整えていけばこの路線の先にゴールはありそうです。
もう少し胴に対する足の長さが欲しかったので、等分数を20に増やして作り直したのが決定版です。
初めに紙を5等分する必要がありますが、20等分もまた作りやすい部類に入る等分数です。
2層になった裾はこだわったポイントで、裏ではこのようなずらしを入れています。
これにより表から見たときに奥行きが生まれ、さりげなく立体感を強調することができました。
最後に
さて、この『時折2024』クラウドファンディングも明日、2023/11/07の23:59で終了です。
プロジェクト達成が早期にできたことはもちろん、その後も目標額を超えて支援をいただいており、感無量です。
応援に力をもらいつつ、ひとまず全作品を創作することができました。引き続き製品化までの工程を進めてまいります。
クラファン終了後も活動報告は更新していきますのでよろしくお願いいたします!
それでは、ここまで作品紹介をお読みいただきありがとうございました。
また次の報告でお会いしましょう!
文:山本大雅