こんにちは。龍ノ口りんご園です。今回は、この夏の暑さによる影響について、りんごの変化にフォーカスしてご報告します。
気象台のデータによると、今年6〜8月の黒石市の真夏日(最高気温が30℃以上の日)は44日(前年7日)、最高気温は36.4℃(前年32.9℃)、8月の平均気温は27.3℃(前年22.9℃)と、非常に暑い夏でした。平均気温は平年の東京での観測値に肉薄するほどの数字です。
連日の暑さにより、りんごの成長にも影響が出ました。
最初の異変は7月のはじめ、大玉品種「世界一」のがくあ部が黒くなる症状が出ました。
りんご研究所の職員に画像を見てもらったところ、高温障害と考えられる、とのことでした。平年およそ400枚に袋がけをしている世界一ですが、障害果を落とした結果、平年の4分の3、およそ300枚弱への袋がけに留まりました。
次の異変は8月下旬、早生品種「つがる」に現れます。
これまでにも度々発生していた強い直射日光による「日焼け」のほか、樹上でりんごが腐ってしまう現象が頻発します。この現象は特に早生〜中生品種において非常に多く発生したため、平年のように完熟を待って収穫することが難しい状況が続きました。
また、全体的に果肉が柔らかい、貯蔵中に斑点が出現する「ビターピット」、そして平年は発生の少ない「トキ」の芯カビの発生など、高温によると思われる症状が頻発しました。
10月になって目立つ現象として、「ジョナゴールド」「陸奥」「王林」の落果が発生しています。
収穫直前のりんごが、強風なども無いにもかかわらず落ちてしまう症状で、周辺農家でも例年以上に発生しているとのことです。落果したりんごは生果での出荷は出来ません。すべて加工に回されます。
今回は高温による「りんご」への影響をご報告しました。高温による「畑の近くに住む生き物」への影響を次の機会にご報告します。