窓のない家 The House without Windows 想像してみたまえ、窓が奪い取られた家を、黒く穿たれた闇を・・・嘆かわしきかな、生きものの気配が全く感じとられないのだ!
窓虫 Windows Eaters 気に入った窓を片っ端から吸い取り、蒐集する。そういった生き物よ窓虫とは・・・困ったことよのう。
山羊頭 Goat Head 突然のつむじ風。さなかに風の呟き声を聞き取った山羊頭は、思いもよらぬ長い散歩へ出かける羽目になる。
メランコリー(melancholie):古代ギリシア語の、黒いを意味する「μέλας(melas)」と、胆汁を意味する「χολή(kholé)」を合わせた言葉。憂鬱。 メルヒェン(Märchen):15世紀のドイツにおいて、詩の文体をなす短い物語メーレ(Mär)に、小さいを意味する語尾「chen」を付け加えた言葉。おとぎ話。 私は、憂鬱です。 つまり、私は黒い胆汁です。 黒い胆汁は、銭湯のカランさながら、私の青い口先と赤い指先から流れ落ちます。 青のカランは冷たい。 赤のカランは熱い。 それらを湯船に注ぎ込みます。 黒い胆汁がなみなみと、そしてちょうどよい湯加減になったところで突如、底の抜けた丸木舟が湯船に現れ、3人の船頭が顔を覗かせます。 ・・・丸木舟は、海原を行く ・・・丸木舟は、山に登る ・・・丸木舟は、沈みこむ 予め内包された名もなき無数のヴァリアント(variant:変形)から目に留まった具材を摘み出し、原型をこしらえて名前を与えます。すると、小さいメーレ(Mär)は訥々と語り始め、人々は思いを馳せ窓の向こうを見やります。 私の名前はメルヒェンです。 窓のむこうの物語 Over the Windows 丸木舟 Banca ・・・よって、陸を行く底の抜けた丸木舟は、乗り手の同調具合が最重要視される。この特徴ある丸木舟を使うのは、マ族・ママ族・マンマ族の3部族。丸木舟はそれぞれ、マドゥコ(ひとりの乗り物)、ママドゥコ(ふたりの乗り物)、マンマドゥコ(みんなの乗り物)と呼ばれる。各部族とも、舟底の穴を塞ぐために用いた詰めもの「*根のない木」の神話を信仰の対象とする。 *根のない木;丸木舟とは異なった種類の木。現存せず。 使用材料:椿・柚・檜・鉄錆・瀝青・栗渋・鬼胡桃油・真鍮釘
Japan the beautiful and pink (美しい日本のピンク) Japan the ambiguous and pink (あいまいな日本のピンク) というコンセプトで描かれた作品。 30,0×45,0cm gouache on paper 縦と横の比率 2:3 色の配合 白81,16% 紅18,84% 日本人である私のアイデンティティ、日章旗。 ノーベル文学賞受賞記念講演における、 川端康成 美しい日本の私―その序説 (Japan, the Beautiful, and Myself) と、 大江健三郎 あいまいな日本の私 (Japan, the ambiguous, and myself) による。 © 2015 pink stone