『冬のアトリエ』。7年前の今頃、東京の板橋区立美術館でスロヴァキアの絵本作家ドゥシャン・カーライさんによるワークショップ「冬のアトリエ」が2日間連続で行われました。ワークショップのテーマは「板橋区立美術館開館30周年にちなんで」というもので、カーライさんの奥さまでイラストレーターのカミラ・シュタンツロヴァーさんもいらっしゃって、とても充実した2日間でした。 今日でプロジェクトも終了です。長いことお付き合いいただいて、本当にありがとうございました。 ◇ 荒波が砕け散り、波の花が舞い散るところに‟灯台ポスト”は建っていました。ここに投函するには、何かしらの工夫が必要でした。何故なら、‟灯台ポスト”は、冷たい北風が吹きすさぶ崖っぷちの、さらにそのまた向こうの離れ岩の上に建っていたからです。 灯台としては、当たり前の場所に建っていたのですが、ポストとしては不向きでした。とてもじゃないけれど、歩いたり自転車にまたがったりして、手紙や荷物を出しに行くようなところではありません。かといって、船に乗って行くわけにもいきません。船を漕ぎ出したとたん、岩に叩きつけられて木っ端みじん。海の藻屑となってしまうにちがいないからです。 そこへ、一輪車にまたがった男が‟灯台ポスト”に荷物を出しに来ました。一輪車を一こぎ、二こぎ、三こぎ・・・。でも、崖っぷちまで来たところで行き止まり。‟灯台ポスト”は、目と鼻の先にあるのにどうにもなりません。男は、長いこと海を眺め、‟灯台ポスト”を眺め、考え込んでしまいました。 男は、首にはしごのマフラーをまいていることを思い出しました。かじかんだ手でどうにかこうにかマフラーを首から外すと、ひらりと北風にのせたのです。マフラーはスルスルのびて、‟灯台ポスト”のポッカリ開いた窓にひっかかりました。男は嬉々として一輪車をはしごのマフラーに乗せ、一こぎ、二こぎ、三こぎあっという間に‟灯台ポスト”に登りつめました。無事に荷物を出すことが出来たのです。 その出来事が、ひょんなことから一枚の切手になりました。切手は語ります。「灯台ポストに投函された一冊の絵本」。どうやら板橋区立美術館の30周年記念に届けられた絵本のようです。
『シュレーゲル氏のアオガエル/Rhacophorus schlegelii』。学名は、オランダのライデン王立自然史博物館館長だったヘルマン・シュレーゲルに由来します。和名はシュレーゲルアオガエル。目が金色です。我が家の軒先にドデンといました。友達の結婚式のために描いた絵の部分です。空に浮かぶは「豆ベッド船団」で、12艘あります。
以前にも模型を紹介した、『顔机としゃくとり椅子』です。正式に採用したリターンの絵では縦長の形でしたが、これは横長です。さらに顔机の天板も反り返っています。曲線が美しいフィン・ユール(Finn Juhl/1912~1989)の椅子をイメージしながらデザインしました。フィンユールは、アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナーと共にデンマークの近代家具デザインにおける代表的な人物です。オリジナルの椅子は、一脚何百万円もします。
『指で作った愛犬と散歩する完璧主義者』。頭の中で、YMO*のLa・Femme・ChinoiseとRap・Phenomena が奏でられ、エドマンド・デュラック*とモンティ・パイソン*が合体して出来上がった作品です。 YMO(Yellow Magic Orchestra /イエロー・マジック・オーケストラ)*:細野晴臣と高橋幸宏と坂本龍一による音楽ユニット。 エドマンド・デュラック(Edmund Dulac)*:「挿絵の黄金時代」にイギリスで活躍したフランス出身の挿絵画家。 モンティ・パイソン(Monty Python)*:イギリスの代表的なコメディグループ。 『指で作った愛犬と散歩する完璧主義者』のアイデアは、モンティ・パイソンの『バカ歩き省』(The Ministry of Silly Walks)が根底にあります。
『雲をかぶる・・・』。椿の木と海綿と廃材と鎌の口金で作っています。椿は剪定したものを、海綿は萩の海岸で拾ってきたものを使っています。 海綿(動物)は、英語でスポンジ:spongeといいます。化粧用や沐浴用に用いられるあれです。世界中のあらゆる海に生息します。買うとかなり高いです。