こんにちは、エファの高橋です。
本日も「これからの未来を担う子どもや青年たちへ贈りたい本」をご紹介するシリーズ!
エファのプログラムマネージャー、鎌倉が選んだ本をご紹介します。
いまの仕事につながる本との出会いは、中学生のときのことでした。
『ビルマの竪琴』
作:竹山 道雄
出版社:新潮社/偕成社 他
【選んだ理由】
中学生の時、偶然に見つけた町の本屋さんに入った。そこに座っていたのは気難しそうな店主。歳は私の祖父くらいか。特に目的もなく入った本屋さんだったので買いたいと思っていた本はない。入り口にどんと座っている店主の脇を手ぶらで通り抜けることもためらわれた。「何か買わなきゃ」ときょろきょろしていた時に、目に飛び込んできた本が「ビルマの竪琴」だった。なぜか、その本が私を見つけてくれたような気持になった。 手に取って、恐る恐るレジに向かう。
「ビルマの竪琴」を店主に差し出し、財布を取ろうと鞄に手を伸ばした時、そのこわもての店主が私に声をかけた。その言葉は 「…いい本を選んだね」 私は自分が選んだ本が褒められたことがうれしかった。なんか自分が認められた気がした。
そしてビルマの竪琴の中に、私のいまの仕事につながる文章を見つけた。捕虜になった日本人がビルマ人のことを語り合うシーンだ。近代国家からは程遠く、自然の中で静かに暮らすビルマ人は野蛮だという兵隊に、別の兵隊が言う。「文化を守り静かに暮らすビルマ人こそ崇高じゃないか。その生活を銃で踏みにじる私たちのほうが野蛮ではないか」と。 中学生の私は経済的な発展こそ開発だと思っていたが、そうではないのではないか。その問いかけをくれたのがこの本だ。 そしていまその国の人たちの歴史、文化、信仰などを大切にしながらどのように事業を行うかを日々模索している。「日本流」を押し付けてはならないー現地との対話を大切にしながら、事業を進めたいと思っている。
【子どもたちへのメッセージ】
自分で選んだ本には、生き方を考えるヒントが必ずある
エファは本の力を信じ、子どもたちに本を届ける活動を行っています。
20周年を記念し、心を動かされた本、人生を変えた本など、皆さんの大切な一冊を募集しています。
ぜひ皆さんの一冊も教えてください!
教えていただいた本のエピソードは現地の子どもたちに伝えます。
→「私と本とのエピソード」の投稿はこちら