部屋の中に『絵』があると、ふと絵を眺める時があります。
その時、何か心が「ふわっ」する感じがあります。落ち着くというか、ほっとするというか。父の絵は、昔の石巻の風景画が多いので、見ると自分も幼い頃を思い出し、懐かしい気持ちに包まれます。
この「ふわっ」とする気持ち。「懐かしい」という気持ちを感じて頂けたら。
震災を経験した市民の皆様に、いつか「絵を届けたい!」そう思うようになり、模索を始めていました。
絵を届けると言っても、石巻の風景画を印刷して新聞に折り込む?額装してプレゼント?
届ける方法を考えていた時、たまたま開成の仮設に住んでいた伯母宅を訪問した時に、絵をカレンダーにする着想を得ました。
仮設の中でもピン一つで飾る事ができ、震災前の石巻の絵を見てもらえば懐かしんでもらえる。春夏秋冬にあった絵を選べば、毎月ページをめくった時に「季節」を感じてもらえる。仮設での不自由な生活の中で、ひととき父の絵を見て「ふわっ」とする気持ちになってもらえるのでは。
そう思い、父の絵を十二枚セレクトし、絵のカレンダーを作成する事になりました。
仕事柄、印刷物は得意。資金はクラウドファンディングで全国から支援頂けました。
配布はピースボートさんの協力の元、地元や全国から集まってくれた仲間達が助けてくれることに。
こうして2市1町の仮設団地全戸へ無償で父の絵のカレンダーを対面で直接お届けするプロジェクトがスタートしました。
お届けすると、皆さんに「懐かしい!」と喜んでいただけました。父が無心で描いた絵が震災後、少しでも役に立ち、とても嬉しかったです。
ほんと、手伝ってくれたみんなに感謝です!