「刑務所アート展」クラウドファンディングへ、子ども英語教室講師で「マタニティ期から絵本読みきかせ推進協会」理事の武田多佳子さんから応援メッセージをいただきました。
武田多佳子 子ども英語教室講師、マタニティ期から絵本読みきかせ推進協会 理事
<プロフィール>
1982年生まれ。宮崎大学農学部農学研究科修士課程修了。現在は、子ども英語教室ラボ・パーティ講師として、子どもたちが話し合いを重ねながら演劇を創り上げる過程と、それを発表して観客に見てもらう経験から、自己開示、自己表現、他者理解、多様性理解に繋がる場を作っている。安心できる場で自分をさらけ出す経験、それを受け止めてもらう経験から、そのままの自分を認められたり、自分の考えをとことん突き詰めた上で、今度はそれが他人がどう受け止めるかを見ることで、自分と他人との違いに気づいて、他者の背景への想像力や、違いを面白がる思考回路を持てたりするような場を理想として活動している。また、マタニティ期から絵本読みきかせ推進協会(またよみ協会)の理事も務める。親の声での読み聞かせを推進する活動を通して、生まれてくるすべての子どもたちが、十分に愛情を受け取って育つことが出来る社会を目指している。
<応援メッセージ>
刑務所の中にいる方達と『私』は何が違うのかと考える時、私の答えは『運』です。
私が善人だから犯罪を犯していないのではないのです。
たまたま持って生まれた身体と脳が多数派なので割と生きやすく、
家庭環境、地域の環境、学校や職場の人間関係も酷くはなく、自分の力ではどうすることもできない部類の要因に恵まれていたから、ここまで犯罪を犯さずに来られただけだと思っています。
どこかで何かがひとつでも違っていたら、今塀の中にいるのは、私のほうだったかもしれません。
そして、今後どうなるかは、誰にも分かりません。
今回の刑務所アートのような、加害者支援の取り組みに触れた時、おそらくほとんどの人の心を掻き乱すのは、被害者の存在ではないでしょうか。加害者支援が、被害者を更に傷つけてしまうのではないか、という不安。
また、事件や虐待などのニュースを見た時に良く言われる言葉『信じられない!』が象徴するような、一度法を犯した人間は自分とは全く別の人種であるという感覚や、そういう人たちが本当に更生出来るのか?という不安もあると思います。この感覚や更生への不安は、きっと受刑者本人も、自分自身に対して抱えるものなのではと想像します。
隣に引っ越してきた感じの良い人が、元受刑者だと知ったら、どんな態度を取りますか?何を思いますか?
ここに挙げたような葛藤を乗り越えて、一歩先に進むには、
【加害者と被害者】という視点は一旦捨てて、『受刑者と私』という切り口で考えることが助けになる気がしています。受刑者と自分を比較対象として同じ土俵に乗せることで、自分自身が犯している大小様々な罪を自覚したり、今まで法を犯さずに済んでいる有難さに気づくことが、誰もが一線を越えてしまうことなく生きられる社会につながるのではと考えています。
刑務所アートは、受刑者にとっては、自分を他者に向けて表現し、受け取ってもらう貴重な場となり、【未受刑者】にとっても、まず同じ土俵に立つというスタートラインに立つために、必要な取り組みだと思っています。
ご尽力に感謝しつつ、心から応援しています。
武田さん、応援メッセージありがとうございます。
2024年1月15日まで、第2回「刑務所アート展」展示会の開催および、カタログやグッズ、Webギャラリー等のコミュニケーション媒体の制作、持続可能な運営体制づくりの資金を集めるため、目標250万円のクラウドファンディングを実施しています。ぜひ、プロジェクトページをご覧になって、ご支援いただければ幸いです。