琴平神社のお祭りまで1か月を切りましたが、今日は天狗さんの練習を見せていただきました。天狗を務める五十嵐さんは、お父さんも天狗さんでした。コロナ禍での中断を経て、今年で9年目とのことですが、先代天狗のお父さんが見守る中、本番での所作を確認していました。天狗さんはだいたい3年を区切りとして交代するそうですが、次の候補者がいなければ長く務めることになります。近年は後継候補がなかなか決まらないとも話していましたが、幸いにも神輿の担ぎ手の中から次の候補者が現れたそうです。写真に写っている付人の2人や天狗さんの座る椅子を持つ青年は、同級生やその息子さんです。地域で大切に継承されてきたんですね。
神社に参拝に訪れた方をおもてなしするために、琴平神社のご理解を得て花手水を始めました。花が沈まないように籠で土台を作ったり、カラス除けのテグスを張ったり、浮き球を並べて古平町らしさを表現したり、あーでもないこうでもないと言いながら花を飾っていく作業はとても楽しいものです。
古平町琴平神社の御朱印は、このプロジェクトにあわせて新調したものです。デザインは札幌大谷大学芸術学部美術学科の島名毅先生が手がけたもので、火渡りをイメージしつつ、天狗の表情はケガレを寄せ付けないよう険しくと、何とも抽象的なお願いでしたが、さすがプロですね。この天狗のスタンプの上に琴平神社の社名を書くのですが、古平町在住の書家・三浦愛子先生の作品です。一枚一枚手書きした唯一無二の御朱印となっております。大勢の皆さんに支えられていることを実感しています。
琴平神社例大祭には、ボランティアの参加も欠かせません。なかでも神輿渡御や山車の行列には大勢の人手が必要ですが、今年も札幌大谷大学社会学部の学生さんたちが手伝ってくれることになりました。学生さんたちにとっても、地域の人たちと交流を深めることには特別の意味があるようです。祭りに参加することによって、人生が豊かになり、第二の故郷のように感じてくれると嬉しいな。
古平町琴平神社例大祭で観光客に人気があるのが、本祭の最後に行われる「天狗(猿田彦)の火渡り神事」です。大勢の見物客が今や遅しと渡御行列の到着を待ち構え、先導役の天狗が燃え盛る炎をくぐり抜けると会場の興奮は最高潮に達します。この天狗のお面は、普段は琴平神社の社務所に保管されているのですが、炎の中を何度もくぐり抜けるうちに、馬の尻尾の毛を埋め込んだ天狗の髪や髭が焼け焦げてしまうそうです。そのため、お祭りの前には、写真のような綺麗なお姿に修復するのです。