脳卒中や交通事故はある日突然起こります。
ついさっきまでは当たり前だった日常が奪われる不条理と、そこからの再生ストーリーを脳損傷を経験したご本人(ここでは当事者と表現します)にインタビューして冊子「脳に何かがあったとき」を作成しています。
おかげさまで、32号発行となり、56名の方の人生を描いてきました(2023年12月半ば)。
インタビューで集めた当事者の言葉は、どんなクリエーターでも創造できないもので、自己啓発セミナーよりも私たちに生きる力を与えるものです。
当事者や家族だけでなく、脳卒中なんて知らないわ、他人事やん?と思っている人にも、人生の参考書として読んで欲しいと願っています。
この冊子をもっとたくさんの人に届けたい!と考え抜いたところ、事業拡大の仕組みを、冊子を通じて知り合った当事者と一緒に作り上げたらいいのではないか?という結論に至ったのです。
当事者の方々は、これまでのキャリアの中で培った知恵も知識もたくさんお持ちです。それぞれの分野でエキスパートです。その力を活用しない手はないと思っています。
当事者の働く課題と知恵がつまったこの冊子が広がることで、今、悩んでいる当事者・家族の力になるだけでなく、冊子に関わる当事者の方に報酬がもたらされる仕組みを作りたいです。
この挑戦にぜひ力を貸してください。
脳卒中や頭部外傷などで、脳を損傷した場合の後遺症の一つ。記憶が低下したり、注意が散漫になったり、思考するのに時間がかかったりなど「高次の脳」の機能が低下する障害のことです(ただしこの表現が適切かどうかは、下記に記載した当事者である相馬さんの記事をご参照下さい)
手足の麻痺と違って、見た目でわかりにくいため「見えない障害」と言われています。症状は千差万別で、個別性が非常に高いです。しかしこの障害名が適切かどうか、症状の説明も適切なのか、当事者からは疑問の声もあります。今回、冊子に関わっている劇作家の相馬杜宇さんはこう言います。
高次脳機能障害の症状を説明したポスターなどを見た私は「この世の終わりなのだろうか……」といつも感じてしまい、突き放されたような気持ちになりました。高次脳という言葉自体、人格に関わるようでナイーヴです。よく子供が失敗した時、冗談めかして頭を指差し、「ここ大丈夫?」と言います。「ここ」とは「=高次脳」な訳で、似たような言動を目にする度、胸が痛くなり、「高次脳(NO)じゃなくて高次YESと読んで欲しい」と内心思ってました。
たしかに、~できないが羅列すると、全人格を否定された気がするかもしれません。こうした当事者ならではの視点を「脳に何かがあったとき」の冊子では掲載しています。
同じく脳損傷の後遺症の一つです。聞く、話す、読む、書くといった言語の機能が低下する障害です。この失語症についても誤解をまねく表現だと言う人は少なくありません。「ことばを失ったのではなく、引き出しにくくなっている」状態だからです。みなさん、「ここには、一杯言いたいことがある」「ここではわかっている」と頭を指して言われます。脳内にはたくさん言葉は残っています。
「見えない障害」といわれる高次脳機能障害や失語症がある人にとって、「退院おめでとうございます」といって病院を出てからが、本当のリハビリテーションなのです。制限された環境である入院生活とは違い、家庭や地域生活の中で、たくさんのこまりごとが出てきます。でもその時には、病院からの支援はなく、介護保険や福祉施設では「就労に向けた」リハビリテーションを行う専門的な職員は少なく、さらに復職、新規就労してしまったあとのフォローはほとんどありません。
障害がある人の就労を可能にするのは、本人の努力だけでなく、周囲の理解と環境の工夫が必要です。本人の能力を過少評価せずに、また障害も過小評価しないようにです。
失語症や高次脳機能障害がある人や家族、周囲の人たちに役立つ知恵は、同じ障害があって社会に戻った先輩方が持っています。NPO法人Reジョブ大阪では、当事者が経験した就労における課題と工夫を冊子にまとめ、少しでも働きやすい社会になることを目指して活動しています。
はじめまして
みなさま、はじめまして。NPO法人Reジョブ大阪代表の多田紀子です。
今回の挑戦内容についてお話させてください。この冊子は2021年2月からスタートし、みなさまのおかげでもうすぐ3年目に入ろうとしています。これまでの3年間、そりゃいろいろありました(笑)
スタート前には、懇意にしている社長さん達から、こんな事業にならないことに手を出さないほうがいいと、非常に心配をされました。
そうなのです、熱意や善意だけでは事業は継続しません。
意義深いことだから、ぜひやりましょうよ!と言っていた人達と言えば、去っていきました(涙)。
そのくらい事業スタートというのは大変なものなのです。この3年間、私に覚悟をひたすら迫ってきた冊子です。
では、なぜ辞めなかったのか?について、少しだけ聞いてください。
私自身が、このインタビュー事業にのめり込んでいったのです。
インタビューで聞かれる言葉が、あまりに尊い!私たちに生きる力を与えてくれます。
始めは同じ障害がある人や家族、そして病院や福祉事業所に勤務する支援職と言われる人に読んで欲しいと思っていましたが、今は、障害者と健常者、障害者と支援者という枠組み自体に疑問を感じているほどです。
だれでも人生に「まさか」はあります、落ち込む時もあります、うまく行かなくて自暴自棄になるときがあります。
そんなときぜひ読んでください!
冊子「脳なに」のココがおすすめ!
2023年に元anan編集長の能勢邦子氏に編集をお願いして、冊子として明るく読みやすいものになりました!
〇表紙
トビラページ
本人や身の回りの物などの写真を掲載、当事者の人柄が分かりやすい構成になっています。
○勇気を与える当事者の言葉
何より当事者の言葉がズシンと響きます。その中の一部をご紹介します。ぜひお読みください!
抜粋
〇「困りごと」と「工夫」の二部構成
「○○さんの困りごと」と「○○さんの工夫」で構成されています。
工夫に満ちていて、実践的で、生活者の知恵のようで前向きです。
「後遺症」とは敢えて呼びません。当たり前ですが、高次脳の症状は人によって様々ですし、ケースバイケースで対応が必要です。工夫を知ることで周囲や家族に活かせるヒントがあるように思います
〇 記事は2タイプ
聞き取った内容をもとに文章を構成する徳田博丸さんと、Q&A形式で執筆している私の2タイプです。
徳田さんはベテランライターなので構成がさすがです!物語のようです。
その才能が私にはないので、私はなるべくご本人が発した言葉を臨場感あふれるように工夫して書いています。
〇 冊子の画像
当事者の人柄が分かりやすい構成になっています。
表紙のタイトルはできあがった記事をみて、私の心に降ってきた言葉をもとにつけています。
今回の挑戦の概要
NPO法人Reジョブ大阪が毎月発行している失語症・高次脳機能障害がある人の当事者インタビュー冊子。
2021年2月からスタートし、もうすぐ丸3年。
当初は、冊子を印刷して郵送するだけでしたが、現在、お得な価格のPDF会員を設けています。
インタビューにご協力いただいた方とのオンライン交流会も開催しています。当事者の方の貴重な経験から編み出された生きる知恵と工夫が詰まっています。
ますますこの冊子を広めたい!という思いに駆られた私、どうしたものかと考えていたところ、「Reジョブだろ?当事者の人たちと広めたらいいやん」という結論に至ったわけです。
当事者の方は、それぞれの分野でエキスパートの方がたくさんいて、みなさん、オンリーワンの力をお持ちです。
こうした人たちと、チームを組んで事業拡大ができたら最高だ!と思ったのです。
冊子拡大に際して新しいチームメンバーで事業展開していきます。スタートダッシュにお力添えをお願いします。
資金の使い道
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プロジェクトはご支援金額に関わらず実施します。
マーケティング戦略担当者 謝金 55,000円
プロジェクト管理担当者 謝金 55,000円
営業担当者(1名)55,000円
SNS担当者(1名)55,000円
プレスリリース担当者(1名)55,000円
以上は2024年1月~2024年12月までの活動費としてお支払い
失語症があるライターへの執筆料(2024年「脳に何かがあったとき」4月号担当) 55,000円
会員専用ページ作成(1名)55,000円
動画制作(1名)55,000円
以上は成果物に対してお支払い
合計 440,000円
プロジェクトのスケジュール
2024年1月~ 戦略会議開始・拡販のためのプロジェクト開始。月1回定期開催、プロジェクト進捗管理。
2024年2月~ 冊子「脳に何かがあった時」取材開始
2024年4月25日(失語症の日)会員専用ページの公開・2024年「脳に何かがあったとき」4月号配布
リターンの紹介
最後に
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
NPO法人Reジョブ大阪では、たくさんの知恵がつまったこの冊子が広がることで、障害の理解が深まるだけでなく、当事者と一緒に活動し、当事者が稼げる仕組みを作りたいと考えています。
応援、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
* 2,000円のオンライン交流会の参加権は2024年3月から使用可能です。
最新の活動報告
もっと見るみなさまご支援ありがとうございました!
2024/02/03 17:19みなさま、こんにちは。代表の多田紀子です。昨年12月13日にスタートしたクラウドファンディングですが、1月26日に150%近くの達成率で終了いたしました!ご支援・応援に心から感謝申し上げます。冊子の事業は本当に大変で、何度も何度も辞めようと思いましたが、みなさまの応援のおかげで、ここまで継続することができました。また今回のクラウドファンディングでも、冊子の意義を確認することができ、引き続き精進してまいります!さて、なぜ12月13日だったのか?と言えば、この日が新月だったから(笑)なぜ1月26日に終了か?と言えば、本当は1月19日に新聞掲載の予定があったからです。能登震災の件で、掲載は延期になりましたが、2月2日(金)毎日新聞に、掲載されました。ネットでも読めますので、ぜひご覧ください。https://mainichi.jp/articles/20240124/k00/00m/040/181000cこの冊子は、失語症・高次脳機能障害の方の「働く」をテーマにしたインタビュー冊子です。インタビューで知った内容は、今、悩んでいる当事者や家族だけでなく、医療や福祉の方にはぜひ知ってほしい生活実態です。そして、私の最終目標は、ある日突然、発症したりケガをして、日常の当たり前を奪われた方の、そこから這い上がってきた経験、力のある言葉を、病気なんて関係ないわ・・と思っている、一般の人の読んでもらう!ということです。上っ面だけの自己啓発本よりも100倍も役に立つと思っています!ぜひ、みなさんも、お手に取って読んでみて下さい。 もっと見る
冊子「脳に何かがあったとき」への想い~Reジョブ大阪代表 多田紀子~
2024/01/26 09:00ご支援、シェア、拡散での応援、本当にありがとうございます!挑戦は1月26日23時59分59秒まで。本日が最終日となりました。今回は、私Reジョブ大阪代表の多田紀子が、感謝と想いを込めて記事を書きました。ぜひお読みください。--------------------------------------------皆様、これまでご支援拡散にご協力ありがとうございました!本日で最期となりますが、もちろん冊子は続きます!昨年からインタビュー内容をもとに、作業療法士、言語聴覚士のチームでリーフレットをつくりました。メンバー全員、これまで知らなかった退院後の生活の実態を知り「どの発言も貴重すぎる・・」と驚いていました。さらにたくさんの方に読んでいただけるように、これからは制作だけではなく、広報を頑張ってまいります!最後にこのプロジェクトのユニークな仲間を紹介させてください。今回のクラウドファンディングでは、言語聴覚士3名と病気や頭の怪我を経験した人、または生まれつきの障害のある方8名で取り組みました。りじょぶには、他にも作業療法士1名、精神の障害がある方1名が参加しています。割とユニークではないでしょうか?そして全員がリモートワークでつながっています!私たちの活動が障害がある方や、育児や介護などで外に出られない方々の新しい働き方のヒントになると嬉しいと思います。私はずっと「働く」にこだわっています。働くとは本人のアイデンティー社会における居場所経済この3つを満たすものは「働く」だけだと考えています。働き方が多様であればあるほど、工夫があればあるほど、これまで働くのが難しいとされていた人達が働くことが可能になります。この冊子がそうしたヒントになれば何よりも嬉しく思います。--------------------------------------------最新1月号もリターンに!みなさんの想いが込められた冊子「脳に何かがあったとき」は、今回のクラウドファンディングにて、まずは1冊から手に取っていただけます!新しいリターンとして、こちらの最新1月号冊子もご用意いたしました!また、こちらのクラウドファンディングでは、少し読んでみたい方向けのPDFもご用意しています! ぜひお手に取ってご覧ください! もっと見る
冊子「脳に何かがあったとき」ここがスゴい!~相馬杜宇(あいばもりたか)さん~
2024/01/25 17:02ご支援、シェア、拡散での応援ありがとうございます!挑戦は明日23時59分59秒までになります。失語症の方やご家族のための情報を、当事者の方とともにお届けするために、応援よろしくお願いいたします!! 今回は、このクラウドファンディング担当の相馬さんからのメッセージです。ぜひお読みください!--------------------------------------------これまでご支援・拡散にご協力頂き、誠にありがとうございました。この冊子は脳卒中やケガなどで脳に損傷をうけた方々の、退院後の生活をインタビューを通じて作成しています。最後に、私の感想と考えを述べさせて下さい。脳卒中で倒れた。それは残念……ではない。私自身も反省するところですが、脳出血で倒れたというと、「終わったな……」といった人生の末路を想像していました。障害を負うと「車輪の一歩」(山田太一作)のような厳しい現実が待っているかのようでした。しかし実際倒れてみて気付きましたが、障害者も生活がありますし、何とか生活の糧を見つけて生きていかなければなりません。「家で寝てて下さい」とはいかないんです。冊子「脳に何かがあったとき」にも、倒れた後の生活が綴られています。私が働いている在宅勤務は単純作業で、言ってみれば難しい内容ではありません。しかし役割を与えられているので、働いている実感は得られます。人は必要とされて生きている実感を得られるのではないかと思っています。どんな形であれ、働くと言うのは大事なことだと思います。「障害を知り共生社会を生きる」(吉川雅博著)という本の中で、「障害者の九割は後天性で、国民の6%が何らかの障害を有している」と書かれています。つまり、100人のうち6人が障害者になるんです。決して他人事ではありませんし、今読んでいる皆さんも、当事者になるかもしれません。人は年齢を重ねると身体に無理が生じ、様々な部分に支障を来します。若い頃は元気だったのに、いつかは病気をし、助けを借りながら生きていかなれければなりません。赤ちゃんは生まれた時オムツをします。あなたもいつか同じ時が来るかもしれません。「大げさな」と思われるかもしれませんが、もしもに備えた想像力を持っておいた方がいいと思います。「脳に何かがあったとき」は、当事者に寄り添ったやさしい冊子です。この冊子があることで、家族や医療関係者、あるいは障がいを持たない方にも、障害がある人が生きていくことについて、理解が深まるのではないかと感じました。--------------------------------------------こちらのクラウドファンディングでは、少し読んでみたい方向けのPDFや、最新2024年1月号が届くリターンも追加でご用意しています!ぜひ一度お手に取ってご覧ください! もっと見る
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